「人を魅了する」は、米国で有名なマーケッターであるガイ・カワサキの書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本の原題は「ENCHANTMENT」。文字通り人を魅了する方法について考察されている書籍です。
ガイ・カワサキは、以前にも「神のごとく創造し、奴隷のごとく働け!」や「アップルとシリコンバレーで学んだ賢者の起業術」の書籍で紹介したように、個人的にも非常にファンなのですが、この本にはガイ・カワサキ流の考え方がぎっしり詰まっている一冊であると言えると思います。
ブライアン・ソリスとの対談動画を見つけたので貼っておきます。
【読書メモ】
■「魅了」された人は、心も考え方もおのずと変わり、結果として行動が変わる。
「魅了する」とは、人を思い通りに操作することではない。操作以上に、人を動かすことができるものだ。
■パンアメリカン・スマイル(作り笑い)は、顎から口角にかけての大頬骨筋だけを使う。この筋肉を使うのは歓談。
デュシェンヌ・スマイル(すばらしい笑み)は、眼輪筋も使う。これは目の周りの筋肉で、使うと目が細くなり、カラスの足跡ができる。
■相互関係には3つの形態がある
・最初から返礼を期待して何かをすること
・将来への投資、または「先払い」として何かをすること
・他の人を助けたいといった内面の理由から何かをすること
■死前解剖(ゲイリー・クライン「決断の法則」)
市場投入の際にチームが集まったら、まず、チームリーダーがメンバー一人一人に、このプロジェクトが失敗したと仮定して、失敗の理由をあげて欲しいと言う。
次に、その理由の発生を防ぐ方法を考える
■素材をうまく紹介するストーリーをつくる(ロイス・ケリー)
・大きな志
・ダビデとゴリアテ
・勇気ある人々
・個人的なストーリー
■伝統的なマーケティングは、人々から専門家と見なされる「影響力のある人」に注目する。
しかし、インターネット後の世界では、専門家の意見と同じくらい友人や知り合いの意見が力を持つようになり、これが従来のマーケティングをひっくり返している。
いまでは、大衆が素材を受け入れれば、有力者も注意を払わざるをえない
■素材で人を魅了する時に、使う要素
・画像を使う
・数を示す
・ストーリーを語る
すばらしい例がひとつあれば、それは「たった」ひとつではなく、「もっとも効果的な」ひとつになりうるのだ。
■一度親切にしてくれた人は、あなた自身が親切にした相手より、くり返し親切にしてくれる
・もし拒むと、そもそも助けようと思った最初の判断が間違っていたことになるから
・以前のやり取りが両者の関係をよくしている
■当人だけを魅了すればいいという考えは甘い。影響力を持つ人全員に働きかけなければならない。
■競争相手を三段階であつかう
・知る:相手について書かれていることを読み、相手の商品を試し、彼らの顧客と話し、業界イベントに参加する。
・分析する:商品やサービスの特徴と能力について、3つのリストを作る
・どちらもできること
・こちらができて、あちらができないこと
・こちらができず、あちらができること
・競争相手を窮地に立たせる:いつまでも人の記憶に残る「ほめ殺し」のことばを送って、できるだけ多くのライバルを追い詰める
■お金を払うからといって、欲しいものが手に入るとは限らない。
素材そのものが失敗なら、金を積んでも役に立たない。
お金を「魅了」のツールとして使うのは、よくよく考えた方がいい。
■誠意に基づいて行動する
・喜んで与える
・早く与える
・たびたび、気前よく与える
・意外な時に与える
・返礼を求める
■魅力的なプレゼン
・導入部をカスタマイズする
・夢を売る
・スピーチ原稿ではなく、脚本と考える
・ドラマ化する
・短くする
・練習する
・聴衆の雰囲気作りをしておく
・回数を重ねる
■従業員があなたの欠点はどこにあると考えているかも積極的に調査すべきだ。そして、彼らとの勤務評定の話し合いでは、まずあなたの欠点が彼らの成績に与えている影響から話し始めるのだ。
■会社の決定を「神聖視」して不可侵と見なすことに反論する人が、組織のなかでは不可欠だ。
・素材を改善する
・ボートを揺らしてもかまわないことを示す
・内部のコミュニケーションを促進する
■クラウドスプリングで、優勝賞金1000ドルでコンテストを開催
250人から760点ものデザイン案が送られてきた。
人を魅了する 一流の職業人であるための技術 ガイ・カワサキ 依田卓巳 海と月社 2012-03-01 by G-Tools |