「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」は、タイトル通り著名なアメリカのロックバンドであるグレイトフル・デッドのマーケティングを考察している書籍です。
献本を頂いていたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本は「マーケティングとPRの実践ネット戦略」を書いたデビッド・マーマン・スコットと、「インバウンド・マーケティング」のブライアン・ハリガンの共著になります。
音楽業界というのはどちらかというとCD販売に入力するため著作権死守という印象がありますが、実はグレイトフル・デッドはその著作権のかなりの部分を放棄するような常識と逆行する活動をすることにより、ライブからの収入に注力していた、というのが非常に興味深いところです。
最近話題の「インバウンド・マーケティング」の精神的なところを理解するためにも参考になる本だと思います。
【読書メモ】
■グレイトフル・デッドは、今あらゆるビジネスで注目を集めている「ソーシャルメディア」を活用した最先端のマーケティングの多くを、1960年代にすでに開拓していた。
■グレイトフル・デッドの活動のポイント
・従来の業界の思い込みを見直す
・消費者をエバンジェリストにする
・消費者に直接販売する
・たくさんの熱心なファンを作る
■ロックバンドとレコード会社、その他いろんな取り巻きにとって収入の源になるアルバムの販売を促進するためにライブをするのが基本的な「ビジネスモデル」だった。
だが、グレイトフル・デッドは、このモデルを覆した。ほかのバンドのようにアルバムを販売することではなく、ライブから収入を得ることに全力を注いだのである。
■目次から
・ユニークなビジネスモデルを作ろう
・忘れられない名前をつけよう
・バラエティに富んだチームを作ろう
・ありのままの自分でいよう
・実験を繰り返す
・新しい技術を取り入れよう
・新しいカテゴリーを作ってしまおう
・変わり者でいいじゃないか
・ファンを冒険の旅に連れだそう
・最前列の席はファンにあげよう
・ファンを増やそう
・中間業者を増やそう
・コンテンツを無料で提供しよう
・広まりやすくしよう
・フリーから無料のプレミアムへアップグレードしてもらおう
・ブランドの管理をゆるくしよう
・起業家と手を組もう
・社会に恩返しをしよう
・自分が本当に好きなことをやろう
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ デイヴィッド・ミーアマン・スコット ブライアン・ハリガン 糸井重里 日経BP社 2011-12-08 by G-Tools |