「オウンドメディアコミュニケーション」は、タイトル通りオウンドメディア活用について考察されている書籍です。
献本を頂いていたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
いわゆるトリプルメディアの概念においては、オウンドメディアとペイドメディアが古い従来のもの、アーンドメディアがソーシャルメディアを中心とした新しい概念と語られることが多いように思いますが、実はソーシャルメディアの普及により最も重要性を増しているのはオウンドメディアだと感じています。
アーンドメディアはあくまで利用者のクチコミや評判などコントロールができない部分になりますが、オウンドメディアこそが企業が自らを主語に構想を組み立てることができる本丸です。
そういう意味で、この書籍はいわゆる自社サイトの位置づけ自体を根本から振り返りたい方には参考になる点がある本だと思います。
「パーミッション・マーケティング」や「インバウンド・マーケティング」をあわせて読むのもお勧めです。
【読書メモ】
■ウェブが人を中心にした構造へと変化することは、もはや止めることのできない流れと言えるだろう。
それは小さな軌道修正というレベルの話ではない。いまのウェブは根本から作り替えられようとしているのだ。
■従来のゲーム業界で一般的だった評価指標に照らしてみると、ジンガのゲームはあらゆる面で劣っていると言えるだろう。ただし他社のゲームにはない特徴が一つだけある。
それはプレーヤーと、プレーヤーの人間関係を中心にゲームが構築されているという点だ。
■携帯電話のアドレス帳に何百という連絡先が登録されていたとしても、その中のたった4人を相手にした通話が、通話全体の80%を占めているのである。
■オウンドメディアにおけるコミュニケーションゴールの考え方
・集客:ユーザーのアクセスルートを確保しているか
・初動訴求:ユーザーの最初の一歩がスムーズか
・検索・回避:情報探索は迷わず快適に行えるか
・行動:ユーザーの行動に対して背中を一押しできているか
・再来訪:満足感の高いサイトか
・売上増
■コミュニケーション上の4つの障壁
・初動の障壁:来訪した際の最初に抱くイメージで全体像を伝える
・経験価値の障壁:マイナスのイメージを与えてしまうと再来訪は×
・購入の障壁:他社と比較されて明確な差別化、優位性があるか
・共感の障壁:一度利用したユーザーとのコミュニケーションで好きになってもらう
■ユーザビリティを考える5つの基本フレーム
・アクセスのしやすさ
・サイト全体の明快性
・ナビゲーションの使いやすさ
・コンテンツの適切性・ページ読みやすさ
・ヘルプ・安全性
■パートナー会社のポテンシャルを引き出すにはどうすればよいのか
・課題を4つのレイヤーで具体化してみること
・運用
・コンテンツ
・情報構造
・デザイン
・予算とスケジュールと効果を明確化して、その優先順位を明らかにしておくこと
・社内を仕切るためのストーリーを明確化すること
オウンドメディアコミュニケーション 成功の法則21 後藤 洋 福山 一樹 ソフトバンククリエイティブ 2012-06-01 by G-Tools |