中の人などいない @NHK広報のツイートはなぜユルい? ( @NHK_PR 1号)

4103329513 「中の人などいない @NHK広報のツイートはなぜユルい?」は、NHKのツイッターアカウントを運営されているNHK_PR1号さんが書かれた書籍です。
 献本を頂いていたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 NHK_PRは、間違いなく日本を代表するツイッターアカウントの一つと言えます。
 3年前のツイッターブームの頃には、軟式アカウントの代表の一つとして捉えられることが多かったように思いますが、震災の際のNHKのUstream中継公認に代表されるような、さまざまな話題を巻き起こしつつも、ブームの後もそのスタンスを愚直に貫き続け今日も日々つぶやき続けられています。
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 この本では、そんなNHK_PRの誕生の裏話や現在のスタンスが確定されるまでの様々な試行錯誤が、実に赤裸々に描かれています。
 実はこうした紆余曲折というのは、企業のツイッター担当者の方々も多かれ少なかれ抱えられていると思いますが、現在50万フォロワーを擁するNHK_PRにも、実は本当に右も左も分からず試行錯誤されていたという事実はかなり勇気づけられる事なのではないでしょうか
 「NHKだからどうせプロが運営してるんだよね。」とスルーせず、この本を手に取ってみると、ちょっと自分のやり方に自身が持ててくるのでは無いかと思います。
 そういう意味でこの本は、企業のツイッター担当者はもちろん、ソーシャルメディア活用の方向性に悩んでいる方々には、刺激になる点が多々ある本だと思います。
 「ツイッター部長のおそれいりこだし」や「ビジネス・ツイッター」を合わせて読むのもお勧めです。
【読書メモ】
■NHK+白石さん+のだめ+バカリズム+お前
「設定した性格なんて、しょせんは作り物。お前は、作り物と友達になりたいか?映画やドラマのキャラクターとはちがうんだよ。やっぱり最後にキーバードをたたくお前自身が、アカウントそのものなんだ。」
 ゲーム会社で開発の仕事をしているGさん
■「これからNHKにはたくさんのアカウントが出来ます。それらのアカウントは宣伝をします。番組の宣伝です。でも、あなたのアカウントは宣伝をしません。」
 「そして、あなたはそのアカウントでたくさん会話をしなさい。それはソーシャルメディアの一つの正しい使い方です。それが、あなたの役目です。」
 NHKのインターネットを管理するKさん


■NHKと関係の無い話題のほうが盛り上がっているような気がするぞ・・・
 あ、そうか!NHKと関係の無い話題でも構わないんだ。きっとそうなんだ!だって宣伝じゃないんだから!
 ただみんなと会話する---それだけでいいんだ!
■間違うことのないマジメな公式プレス・リリース。これまで NHK_PRがそういう印象を持たれていたとしたら、あのミスをしたことで、もしかすると人間っぽいと感じてもらえたのかもしれない。
■「いいや、クビになっても」
 私はそう決めました。
 今、NHKが緊急体制で放送しているのは、出来るだけ多くの命を守るためです。それなのに、その放送が届いていないのなら・・・どんな手段を使ってでも、情報が届かないよりは届くようにした方がいいに決まっています。
 私は動画サイトのアドレスを教えてくれたツイートに「情報感謝!」というコメントをつけてリツイートしました。
■何かが起きたときにすぐに行動すること、早くなんとかして欲しいと拳を振り上げ大声を上げることは、とても大事なことです。けれどもそれは30年間も続けられることではありません。ただのブームは必ず去ります。ブームになってはいけないのです。
「だからこそローギアで、遠い遠い道のりをゆっくりと進んでいく覚悟が必要なんだ」
「そうしなきゃ、支援する人が疲れきった時点で、ぜんぶ終わってしまう。」
■「NHK」のイメージを変えたいのなら、「NHK」自身が持っている「視聴者」や「お客様」のイメージを、変えなければならない

4103329513 中の人などいない@NHK広報のツイートはなぜユルい?
NHK_PR1号
新潮社 2012-10-26

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