コネクションエコノミーにおいては、全ての事業が、人々の間に新しい「つながり」を生み出しているかどうかを問われるという話。

 先週、ブランドサミットのAdamさんのキーノートスピーチについて記事でご紹介しましたが、そのプレゼンの中で一つ気になるフレーズが出てきたので、こちらにまとめておきたいと思います。
140520connection2.png(Photo by Mike Honma
 そのキーワードはタイトルにも書いた「コネクションエコノミー」
 もともとは「パーミッションマーケティング」や「バイラルマーケティング」などの著書で有名なセスゴーディン氏のブログに書かれた「First, connect」というブログ記事に出てきたキーワードのようです。 
Seth's Blog: First, connect
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 原文はリンク先をあたって頂くとして、私の方で自分なりに意訳してみたのがこちら。
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■First, Connect
 コネクションエコノミーにおいては、事業を二つに分ける境界線が存在する。
 コネクションを創り出す事業と、そうではない事業だ。
 そもそも、インターネットはコネクションマシーンとでも呼ぶべきものだ。
 FacebookやeBay、チャットにeメール、掲示板などのウェブサービスの全てが、ウェブ以前には難しかった、もしくは不可能だったような、新しいコネクションの手段を提供することで人気を博してきた。
 あなたがあなたの事業について語るとき、それがビジネスか非営利か公共のものかにかかわらず、まず最初にその事業がどのように人々がつながることを助けるかについて語るべきだ。
 後のことは何とかなる。
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 非常に短い記事ではありますが、個人的にも前から感じていたことを文章化してくれた感じで非常に納得感があります。
 実際問題、この10年ぐらい、世の中の話題の中心になっていた画期的なウェブサービスというのは、そのほとんどが新しいコネクションやコミュニケーションをもたらすサービスです。
 Facebookやツイッター、LINEのようなSNS的なサービスはもちろんのこと、ブログや2ちゃんねるのようなサービスも興味を軸にした人々をつないでいますし、iPhoneやAndroidのようなスマホはその入り口として重要な役割を担っています。
 で、この話は実はこういったウェブサービスだけに限って言える話ではありません。
 Nikeは、Nike+のようなランニング好きをつないでくれるサービスを提供すること自体がマーケティングでもあり、事業にもなりつつありますし、花王さんのピカママコミュニティやワコールさんのスタスタ部のように製品が提供する利便性に近いコミュニティを企業自体が構築し、ユーザー同士をつなげることで製品の販促や共創的な取り組みにつなげること自体は、もはや珍しくなくなりました。
 これだけつながることが容易になった時代だからこそ、何かをつなげることが事業価値にもりこまれている企業の事業というのは、構造的にバイラルになりやすいし、有利になるということかなと思います。
 「グロースハッカー」みたいな職種が新世代のマーケティング責任者として見られるのも、コネクションエコノミーだからこそ、ということも言えそうです。
 まぁ、○○エコノミーという言い方は、経験経済という書籍にもなっている「エクスペリエンスエコノミー」とか、「アテンションエコノミー」とか「インテンションエコノミー」とか、それこそ山のように出てきているので、またかという印象がある人も多いとは思いますが。
 このセスゴーディンの「コネクションエコノミー」という視点で、自らの企業が提供している事業がなんなのかということを再定義することが、実は企業のマーケティング担当者にとって、これからとても重要な視点になる気がします。
 関連した記事が下記にもありますのでこちらもどうぞ。
 
Seth Godin’s rules for marketing in the new economy | SAS
Welcome to the Connection Economy » Sparksheet
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