「第五の権力 Googleには見えている未来」は、Google 社の元CEOとして有名なエリック・シュミット氏が書かれた書籍です。
今年の2月に献本を頂いていたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、GoogleのCEOをしていたエリック・シュミットならではの視点で、インターネットが普及していく社会がどのように変わっていくかという考察が展開されています。
どちらかというと技術的なトレンドの話ではなく、国家権力や社会自体だどうなるかという視点の本です。
インターネットのバルカン化とかコード戦争とか、未来のテロリストの予測とか、正直読んでいて楽しい話ではないのですが、こういった話を真剣に考えないといけない時代に突入しているのだなと言うのを改めて考えさせられる本だと思います。
実際、無人機によるテロとか、いつ起こってもおかしくないレベルに来てる感じはしますよね。
「逆パノプティコン社会の到来」や「ウィキノミクス」を合わせて読むのもお勧めです。
【読書メモ】
■インターネットは、無政府状態で何が起こるかを知るための、史上最大の実験場である。
■反転授業
授業を行う代わりに宿題として自宅でビデオを視聴させ、授業時間を使って一般的な宿題、たとえば算数の問題集を、対話を通して教えている。
■アサンジの基本的見解
・人類の文明は「詳細な知的記録」のうえに築かれている・したがって、私たち自身の時代を方向づけ、未来の世代に情報を与えるために、記録をできるだけ多く集めなくてはならない。
・この共有された歴史の一部を、私利私欲のために破壊、隠蔽しようとする者たちがつねにそんざいするため、真実を追究し尊重する人は誰でも、記録にできるだけ精通し、記録の削除を阻止し、世界中の人々が利用、検索しやすいようにすることをめざさなくてはならない。
■私たちの世代が、消し去ることのできない記録をもつ、人類最初の世代になる。
■インターネットのバルカン化
インターネットの世界に、一種の国境がもうけられてしまうのではないかという懸念。
■冷戦からコード戦争へ
超大国は、それぞれの影響圏内で仮想軍隊を組織し、プロキシという防御の層をまといながら、ワームやウイルス、高度なハッキングやそのほかのオンライン諜報活動を通して、商業的、政治的利益を追求するだろう。
■未来のテロリストは、おそらく「普及型」の無人航空機と、携帯型IEDを組み合わせたテロ平気を自作するだろう。
この種の無人機は、そのうちにインターネットや玩具店で購入できるようになる。
■テロリストのメディアマーケティング
アンワル・アラウキ
彼の知名度の高さは、主に自己宣伝の賜物だった。
彼は自らクチコミビデオやSNSを駆使して、カリスマ的な教えを世界に広めた。
■これからは国を代表する組織として、あるいは民間企業であれば同盟のパートナーとして、通信会社が復興を先導するだろう。
■デジタル時代にはマーケティングの競争条件の平準化が進む。
■2大文明物語
・数千年かけた発達してきた「現実の文明」
・今まさに形になりつつある「仮想文明」
第五の権力—Googleには見えている未来 エリック・シュミット ジャレッド・コーエン 櫻井 祐子 ダイヤモンド社 2014-02-21 by G-Tools |