選挙中に選挙について書いて何が悪い?

「総選挙にブログが影響を与える」52.4%–ホットリンク調査 – CNET Japanを読んで。

 「今回の総選挙にブログは影響を与えると思うか」という質問に5割以上の人が「与える」と回答したリサーチ結果が発表されてます。

 まぁ、ネットリサーチでしょうし、有効回答数は103名ですからバイアスの大きさは押して知るべしというところですが。
 これまで米国に比べると、政治に無関心な印象が強かったネット界ですが、今回の選挙に関しては相当にぎやかです。

 話題として、ライブドアの堀江社長出馬が影響しているのもあるとしても、はてなが「総選挙はてな」なる議席予測サービスを発表したり、テクノラティジャパンが「選挙特集コーナー」を開設したりと企業側の反応もありますし、グロービスの堀さんを中心にYES運動が提唱されたり、自民党の公募に応募した人がブログで経緯を報告されていたりと、日本にブログが浸透し始めて初の総選挙としても、注目ですね。

 何だかこれまで選挙と言うと、何だかカッコ悪いイメージがありましたが、何と言っても自分たちの国の将来を決めるイベントなわけですから、こうやってお祭り的に盛り上がるのは良い事のように思います。

 ただ、個人的にどうも理解できないのが公職選挙法の仕組み。

 ガ島通信経由で知ったんですが、ライブドアは堀江社長立候補に伴って、選挙に関連するコンテンツのアピールなどを一切控えることにするようです。
 
 何でもフジサンケイの記事によると、「HPによる選挙運動(特定の候補者に投票させる運動)は、選挙運動期間(公示後から投票まで)は同法一四二条の「法定外の文書図画の頒布(はんぷ)」にあたるため、禁止だ。」そうで。
 先ほど取り上げた「はてな総選挙」についても違反ではないかと言う指摘が議論を呼んでいるようです。

 もともと、この公職選挙法って、金のある政党が金に任せて文書頒布をできてしまうのを制限するためのものだったと思うのですが、低コストで情報発信できるホームページやブログがいまだにその手のものと同様に制限されているって言うのはどうなんでしょうか?

 そもそも選挙期間中に実施されている選挙カーとか街頭演説程度で、政党の政策の違いなんて理解できるはずもないと思うのですが・・・そろそろネットがもっと有効に選挙に利用されるよう議論されても良い気がしますが、その辺の議論ってどうなってるんでしょう?
 なんだか日本というのはどうしてもその辺の法律の線引きがグレーなのが本当に困るところです。(ひょっとしたらこういうブログを書くことも選挙期間中は違法ってことになってしまったりするんでしょうか?)

 
 まぁ、そういうことも含めて皆で選挙に行かなきゃ何の変化も始まらないと言うことで。グロービスの堀さんの3つのYES運動を紹介しておきます。

 選挙に行きますか? YES!
 改革をしたいですか? YES!
 もっと発言しますか? YES!

郵政民営化で郵便局が減るのは本当に不幸なことか?

FujiSankei Business i. 総合/綿貫氏らが「国民新党」 反郵政の受け皿 経済界は困惑も(2005/8/18)を読んで。

 衆院解散から10日が経ちましたが、あいかわらず総選挙まわりが賑やかですね。

 参議院否決で衆議院解散に、反対議員の非公認、しいては刺客にクノイチ、国民新党に、ムネオ新党と、初物づくしで実に賑やかな選挙になってきた感じがします。(ちょっと最近の候補擁立はやりすぎ感もかなりありますが・・・)

 ちなみに、個人的にどうしても引っかかっているのが郵政民営化反対派の、郵便局がなくなったら地方の人たちが死ぬほど不幸になると言わんばかりの反対根拠。

 まぁ実際「郵便局を民営化すると地方の採算が取れない郵便局は閉鎖しなければいけなくなるから、地方の人は生活が不便になって可哀相だ」と言われれば、大抵の心ある人ならなるほどなぁと思ってしまうわけですが。

 本当に地方の人は可哀相なんでしょうか?

 実は、先週お休みを取って北海道を旅行していたのですが、山口県出身で東京の人の多さにつくづく疲れた自分なんかすると、北海道旅行をしながらつくづく地方の方がよっぽどうらやましくなったりします。

 確かに東京は何もかもあるし便利な街です。
 ただ、生活レベルと言う意味では東京に住んでいる人も、相当「可哀相」だったりするんじゃないでしょうか?

 満員電車に押し込められ。
 空気は汚いし。
 道路はいつも渋滞だし。
 家は狭い上に恐ろしく高いし。
 夜空には星も見えやしないし。

 
 もちろん、私たちはそんな欠点も分かりつつ東京を選択しているわけですが、そういう意味ではそれぞれの地方に住んでいる人も、地方の欠点を分かりつつその地方を選択しているはずです。
 それを、採算の取れない郵便局が無くなったら「可哀相」というのは、何だかいかにも便利な都会の方が幸せと言う狭い価値観のように思えてしまうのは私だけでしょうか?

 空気はきれいで。
 道も空いていて。
 夜空にきれいな星が煌いているなら。

 ちょっとぐらい生活が不便になっても、全体の幸せ具合はそんなに悪くならないような気もするんですが・・・
 実際のところはどうなんでしょう?

mixiの利用者が3000万人を越える日はいつか?

ソーシャルネットワーキングサービス「mixi」会員100万人突破 – CNET Japanを読んで。

 先日いよいよmixiの登録会員数が100万人を越えましたね。

 何でも登録数は一日5000人以上のペースで増えているそうで、このままいけば年内に160~180万人だとか。この勢いは当分止まりそうにありませんね。

 驚きなのは、あいもかわらず7割以上の利用者が3日に1回はアクセスしていること。
 てっきり、この粘着率の高さはネットのコアユーザーを取り込んでいるからかと思っていましたが、100万人でもこの割合というのは一般ユーザーも含んでの高い粘着率と言えるでしょう。

 こうなると気になってくるのは、いったいmixiの利用者はどこまで伸びるのかと言う点でしょう。

 GREEとmixiが競い合って利用者を伸ばしていた頃、ネット系の人と話をしていると大体の人がまぁ100万人ぐらいで一度頭打ちになるんじゃないか、みたいな話になることが多かったのですが、最近のmixiの勢いは完全にそのレベルを超えて伸びているように見えます。

 Alexaのグラフを見ても、そのグラフの伸びはまさに指数関数的。IT Proニュースの記事によると笠原社長は500万ユーザーを一つのターゲットにしているようですが、もし笠原さんが日ごろプレゼンでも言っているようにmixiがメールに次ぐインフラの一つになるとしたら・・・そんな数字すら一つの通過点になってしまうかもしれません。

 やはりここで一つの指標になるのは、韓国のCyworldでしょうか。 
 Cyworldの利用者は韓国の国民の3割とも言われていますから、これを日本の人口で考えると、軽く3000~4000万人に達するサービスになるという想像になります。

 もちろん、ある程度の利用者になればコミュニティが荒れるのでは?とか、設備投資や資金が追いつかなくなるのでは?とか、年配の人は絶対にmixiなんか使わないのでは?とか、いろんな否定的な意見は言えますが。
 3000万人という数字は、老人層、子供層を外しても十分達成可能なわけで。それほどありえない未来に思えてきてしまうのは私だけでしょうか・・・?

参入が遅れたはずのiTunesが結局日本でもリード役という事実

アップルの音楽配信サービスがついに開始–100万曲が1曲150円から – CNET Japanを読んで。

 ようやくiTunes Music Store(iTMS)が日本でもサービスインしましたね。

 米国でアップルがiTMSを1曲99セントでサービス開始して話題を呼んだのが2003年4月のこと。
 なんと日本は2年以上遅れての開始ということになります。

 インターネットの普及で日米の時差は薄まったというものの、やっぱりネットの新しいサービスはアメリカが先で、日本が数年遅れという流れはここでも変わらないようです。

 もちろんiTMSに関しては、昨年のうちにはサービス開始するのではと言われ続けてここまで伸びてきましたから、裏側ではいろんなやりとりがあったことが想像されます。

 個人的に何となく残念なのは、結局アップルが参入してこなければ、日本では100万曲の品揃えの音楽配信サービスも、150円という価格帯も実現されなかったという事実。

 iTMSの前にも、ソニーのレーベルゲートをはじめ多くの事業者が音楽配信サービスを手がけていたわけです。
 米国でのiTMSの成功も目の当たりにしつつ、圧倒的な品揃えと低価格と端末との連携の3点セットが鍵だというのが見えつつも、結局、日本の事業者はどこも実現できず、遅れに遅れたはずのiTMSの参入を後追いしてしまっているというのは実に残念です。

 まぁ、各事業者の声を聞いていると、どうも日本ではPC向けの音楽配信よりも携帯向けが儲かって仕方が無いという事情もあるようですから、仕方が無いのかなぁという感じもありますし。
 iPodのシェアが7割を超える米国と3割強の日本では、iTunesが市場に与えるインパクトの大きさも違うだろうと見る向きも多いようですが・・・

 ま、利用者としてはとりあえずiTMSが始まったのはようやくやってきたグッドニュース。
 まずは素直に喜ぶとしますか。

「優秀な人」は大企業で働くべきかベンチャーで働くべきか

[を] 大企業には優秀な人がたくさん埋もれているを読んで。

 典型的な大企業出身者の自分からすると、こういったタイトルの記事には深く考えるところが多くあります。

 特に日本においては、人材の流動性が米国に比べると低く、未だに優秀な人材が大企業に多く埋もれているというのは良く言われる話ですね。

 先日、この定説に関連して、isologueの磯崎さんが面白い記事を取り上げていました
 なんでも「イノベーションのジレンマ」で有名なクリステンセン教授に言わせると、この定説は文化の違いではないとのこと。

米国では人材の流動性が高く、優秀な人材が大企業だけでなくベンチャー企業にも行き渡る。それが米国のダイナミズムを生んでいる。しかし、日本はそうではない-。よく、そんなことが言われるでしょう。でも歴史を学んでください。米国の産業と経済が本格的に始動した1880年頃から1970年代まで、大多数の米国人は大企業で働いていたのです。誰もがゼネラル・エレクトリック(GE)やRCA、ゼネラル・モータース(GM)で働きたいと望みました。ベンチャー企業は少なく、ベンチャーキャピタルという産業も存在しませんでした。

 なるほど、そうやって言われてみると確かにそうです。
 もし歴史が繰り返すとするならば、日本でもこれから価値観の逆転がおこっても不思議ではないかもしれません。

 ところで、こういったことを書くと、自分が大企業からの転職組なだけに、ベンチャー至上主義のように勘違いされてしまいますが、個人的には大企業で優秀と評価されている人は必ずしも転職するべきだとは思いません。

 結局、仮にある大企業の中で優秀だと定義されたとしても、外に出て評価されるかどうかは別問題ですし、外で楽しく仕事ができるかどうかもわかりません。いわゆる大企業で必要とされる能力と、ベンチャーで必要とされる能力には大きな違いがあるようにも感じます。
 まぁ、結局「優秀」というのが何を指しているかによりますよね。
(個人的には、大企業に順応できなかった人のほうがベンチャーに向いているように思ってしまったり・・・)
 

 ちなみに、ちょうど先週末グロービスのキャリアセミナーにパネリストとして呼んでもらう機会がありましたが、そのときに参加者の質問を受けながら改めて感じたのが、「自分に最適なキャリアや仕事」というのを見つけることの難しさ。

 自分の転職人生なんて、正直挫折と失敗の連続だったりするわけで、偉そうにキャリアについて語れる立場ではないのですが、一つだけなんとなく分かってきたことがあります。

 それは「自分に最適なキャリアは自分で探す」しかないということです。
 

 自分も大企業で6年を過ごして、大きく勘違いしていたのは「自分の人生は人事部や上司がベストなものを選んでくれるだろう」という価値観。
 冒頭で紹介した、たつをさんの記事のように、実際には人事部も上司も、組織や自分のために社員の行く末を決めているわけで、必ずしも個人個人にとって最適なポジションを探しているわけではありませんし、一人ひとりを幸せにするためでもありません。 

 これはヘッドハンティング会社や人材バンクにしても一緒。
 もちろん彼らは転職のプロではありますが、個人個人にとってどんなキャリアが幸せかなんてことは、本当には分かりません。

 自分がどの仕事やポジションに向いていて、将来どういうキャリアをつんでいきたいかというのは、結局のところ自分で考えて、自分で掴み取っていくしかないんだなぁと思います。

 
 なんだか、まとまらないエントリーになってしまいましたが、何にしても自分の人生は一度きり。 
 後から後悔しないように楽しく生きていきたいものですね。

通信会社は最終的には3位までしか生き残れない?

KDDI、パワードコムを買収か – CNET Japanを読んで。

 パワードコムがKDDIに買収されるのではないかという話が流れているようですね。

 パワードコムといえば、最近はライブドアD-cubicのインフラ部分を担ったり、グループ会社のフュージョンがSkypeの転送サービスを発表したりと、ちょっと元気がよくなってきた印象があったのですが、やはり単独では厳しいという判断があるのでしょうか。

 ちなみに、パワードコムは現在固定通信で4位につけているはずですが、この4位というのが通信業界では結構鬼門です。

 NTTが民営化して、通信業界に参入した事業者として、日本テレコムとDDI(現KDDI)は知っている人も多いと思いますが、実は当時も4番手がいました。
 それが日本高速通信(TWJ)という通信会社。道路公団とトヨタが出資して結構注目されましたが、東名阪に注力するという戦略上のミスもあって先行するNTTと他の2社との競争に勝てず結局単独では立ち行かなくなったところをKDDに合併し、そのままDDIと合併するという末路をたどります。

 携帯電話事業においても、NTTドコモ、au、ボーダフォンの3強に比べて4番手のツーカーの影が薄かったのは皆さんご存知の通り。結局、紆余曲折の末、現在ではツーカーはKDDIグループに吸収合併されています。
(最近は高齢者向け端末で若干脚光を浴びてはいますが)

 
 現在の固定通信も、NTTグループ、ソフトバンクグループ、KDDIグループという順で、パワードコムはその次ですから、ある意味3位と4位の合併というのは当然の流れといえるかもしれません。

 改めて考えてみると、通信サービスってインフラ提供事業と考えてしまうと、そもそもサービスの差異化って難しいわけで、利用者からすると結局会社のブランドぐらいしか選択要因ってないのかもしれませんね。
 そうなると結局3社ぐらいしか記憶に残らないのかもしれません。

 事業を提供する側としても、設備投資を考えると規模が大きい方が当然有利なわけで、なんとなく通信事業で成功できるのは3社までという感じがしてきてします。
 

 そう考えると後発でいつのまにか2位に入ってきたソフトバンクは、やっぱり凄いとも思えますね。
 ただ、固定通信・移動通信ともに事業としてトップ3に入るNTTグループ、KDDIグループと異なり、ソフトバンクは移動通信が無いのが弱み。

 順当に考えるなら、ボーダフォンなりウィルコムなりを買収して、移動通信もトップ3入りを目指すべきとも思えますが・・・・