イー・アクセスはHSDPA、鷹山はWiMAXで携帯参入

イー・アクセス、下り最大14.4MbpsのHSDPA方式で携帯電話参入へ – CNET Japanを読んで。

 携帯電話事業への参入表明が激しいですね。

 イー・アクセスは第3.5世代と呼ばれるHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式で通信速度が下り最大14.4Mbps。
 実地試験の開始を発表した鷹山は、無線ブロードバンド通信規格であるWiMAX(IEEE 802.16-2004)方式で通信速度は20~75Mbpsだそうです。

 ソフトバンクBBへの800MHz帯割り当てが見送りと報道された後に、次々と表明されるあたりが、一応タイミングを見計らっていたということでしょうか。

 ソフトバンクにしろ、イー・アクセスや鷹山にしろ目指すのは2006年に予定されている番号ポータビリティ制度導入のタイミングでの顧客シェア移動のシェア確保でしょうが。
 さぁ、はたしてどれだけ彼らには勝算があるのでしょうか?

 当然、既存の携帯電話事業者も、それまでにお財布ケータイやゲーム機能などの端末の付加価値で利用者を囲い込もうと必死です。(このままだとボーダフォンの利用者が草刈場になるという説もありますが)

 イーアクセスにしても鷹山にしても売りにしているのは、データ通信の定額制と高速性。さらに鷹山はBBフォン等と同様、自社ユーザー間の通話は無料にする模様です。

 個人的には、いわゆるモバイルでの高速通信を必要とする利用者がまだそれほどいないことと、当初は利用エリアが限定されるだろう事から、これだけのメリットではインパクトが弱い気もします。
 定額制と言う意味では旧DDIポケットであるウィルコムが実は一番有力だと言う人もいますね。

 はたして新規参入事業者は、ISDN時代に参入したADSL事業者と同じ成功ストーリーを、移動通信においても再現できるのか。

 それとも、一般電話のマイライン導入時の顧客獲得合戦のように、お互いに疲弊するだけでほとんどシェアが変わらないと言う状態になるのでしょうか?

ニッポン放送買収劇で考えるライブドアという会社

ライブドア、放送業界へ命をかけて進出–ニッポン放送株35%取得 – CNET Japanを読んで。

 ライブドアの事業展開には良く驚かされますが、さすがに今回のインパクトは桁が違いますね。 

 以前からパブリックジャーナリストの募集などをしてメディア参入を公言しているライブドアが大手ラジオメディアを買収すると言うだけでも話題性があるのに、ニッポン放送はフジテレビの筆頭株主というおまけつき。

 さらに、R30::マーケティング社会時評では本当の目的は産経新聞ではないかという推測がされてますし、isologueにおいては今回の株取得は違法の可能性があるのではないかと言う議論があったりもします。

 さらにニッポン放送の下には横浜が、フジテレビの下にはヤクルトがぶら下がっていて、球団買収のためでは?という憶測をする人までいるようです。

 報道ステーションでも、しきりと堀江社長は「勝負に出た」ことを強調していましたが、フジテレビの反撃もあるでしょうし、今回の買収劇もポーズだと言う見方もあるようですから、今回のニッポン放送株取得劇はまだまだニ幕三幕がありそうな雰囲気です。

 それにしても、つくづく堀江さんという人は投資家だなぁという感じがしますね。
 ブログだ、スカイプだ、オンライン銀行だ、ネットラジオだと、事業を次々に拡大している様子は、経営者が事業を多角化しているそれというよりは、投資家がポートフォリオを増やしているような錯覚を受けてしまいます。 
 
 はたして、今後本当にこのポートフォリオは相乗効果をもたらすのか?
 それとも、やはりポートフォリオはあくまでポートフォリオのままなのでしょうか?

 ちなみに、今回の記者会見については、当然ライブドアニュースのトップでも紹介されていましたし、ライブドアコンピュータで詳細のQ&Aを見ることもできます。

 そういう意味では一番ライブドアに相乗効果をもたらしているのはやっぱり堀江さん自身なんですかね。

どうするどうなるボーダフォン?

津田志郎ボーダフォン社長兼CEOが2005年4月に会長へ、CEO職は空席に – CNET Japanを読んで。

 以前ボーダフォンに、NTTドコモ出身の津田志郎社長が内定したときに、想像に任せていろいろと書いた ことがありますが。


 なんと、津田社長は社長就任2ヶ月であっさり社長兼CEOを外れて会長になるようです。

 無理矢理ひいきめに見れば、ルノーから日産にカルロス・ゴーンがやってきたときのように、日本人会長と本社外国人社長のタッグ体制を整えることができた、と言えるかもしれませんが。

 2ヶ月での人事異動、CEOは空席、現COOは3月末で退任と、ここまで材料が並んでしまうと、傍目にはどうも迷走状態にあるように見えてしまいますね。

ITmediaの記事によると、「社長職を退いた津田氏だが、経営の一線を退くわけではない。自身は代表執行役会長に就任し、モロー氏と2頭体制を築く考えだ。明確なトップを示す “CEO”のポストは置かない。「トップは誰かと言われれば……『社長はモロー氏だ』と答えざるをえない」(ボーダフォン)。津田氏は、「二人三脚」の関係を強調している。」とのことです。

 どうにも煮え切らない状態に見えてしまうのは私だけでしょうか?
 個人的には、責任分担の明確でない二人三脚が経営において機能するかどうかと言われると、ちょっと懐疑的なところがあります

 
 ちなみに。CNETの別の記事によると、ボーダフォンの1月の契約数は何と約6万件の純減になってしまったようです。
 全体のシェアは相変わらずトップをひた走るドコモに対し、純増数で良い勝負をしているau。
 その二社に比較すると、ボーダフォンがかなり苦境に陥っているのは明らかですね。

 一時期auが社名変更をしたばかりの頃は、写メールの大ヒットもあって飛ぶ鳥を落とす勢いだったJフォン時代。当時、業界2位になるのは時間の問題というような発言もあったように記憶していますが。
 今となっては、経営がさらに悪化したボーダフォンをソフトバンクが買収する、というシナリオも、全くありえない話ではなくなってきていような気がしてしまいます。

 はたしてボーダフォンは、今回の人事で体制の建て直しははかれるのでしょうか?

28歳からのリアル、な転職

 昨年、76・77世代はインターネットのエリート世代?と言う記事を書いたことがあります。
 この記事には結構後からいろんな反応をもらいました。


 「同感です」という声をもらったり、「自分たちの世代も凄いですよ」と言われたり、「また世代論か」と言われたり。

 そもそもは、夏前にネットイヤーにいた川崎さんと話をしていて、川崎さんの同世代の代表人物として名前が挙がった人に興味を持ち、個人的にウォッチし始めたのがきっかけでしたが、結局人間って言うのは自分より数才下の人間に対して異質なものを感じやすい、というのが結論かなぁというのが最終的な結論でした。

 ちなみに、昨年は28歳からのリアルという本が一部で話題になりましたが、そういえばこの世代はまさにその28歳の世代なんですよね。

 そう思って振り返って見ると驚くことに、この一年間に興味対象だった多くの人が、次のステージへと新しい一歩を踏み出されています。

 76・77世代に興味を持つきっかけになったネットイヤーの川崎さんとニフティにいた伊藤さんがはてなに転職。
 楽天にいた田中さんがGREE株式会社を設立して独立したと思ったら、ライブドアにいた宮川さんがいつのまにかシックス・アパートに転職、そして今年に入ってCNET編集長の山岸さんもGREEに転職。

 なるほど確かに28歳と言うのは、30代を前にして自分を振り返る時期でもあり、ある程度の社会経験も積みつつある年でもあり、チャレンジするには良い年齢なんでしょうね。
 自分が昨年76・77世代に興味を持ったのも、そんなエネルギーを感じたからかなぁと思ってしまいました。

 ちなみに、実は振り返ると自分が転職を決意したのも28になった年。
 この数年間であの頃の決意をちょっと忘れてしまっていたかなぁと、76/77世代の活躍を見ながら反省している次第です。

 まぁ、もちろん人生はまだまだ先が長いし。
 1972年生まれの世代にもまだまだ面白いのがたくさんいると言われるように、自分もその中の一人になれるように、頑張りたいなと思います。

 そう、72年生まれと言えば。
 例えばキムタクとか。ライブドアの堀江さんとか。

 遠いな・・・・

SNSを利用したくない人が8割という結果

ITmediaニュース:SNSを「聞いたことがない」5割超、「利用したくない」8割弱を読んで。

 CNEWSと日経産業新聞がSNSに関するアンケートを実施したそうです。


 1000人の対象の中でSNSを利用している人は38人で3.8%。
 mixiの利用者30数万人を日本の人口で割ってしまえば、たったの0.3%ですから、比較的比率は高いサンプルだと言えますが、それでもやはり、まだまだSNSの認知度が低いのを表していると思いますね。

 公開されている質問項目の多くは、この38人を対象にしたものなのであまり議論をする意味はないと思いますが、気になったのは今後SNSを利用したくない人が8割と言う数字。

 SNSを使っている人間からすると「マジ?いくらなんでも高すぎない?」という感じの数字ですよね。

 まぁ、個人的にはこれが現在のネット利用者の意識の隔絶を端的に表現しているように思います

 大昔に世代論の関係で書いたことがありますが、最近強く感じるのはネット上に自分をさらけ出せる世代と、そうではない世代の間の大きな溝。

 このアンケートでSNSのことをどう対象者に表現しているかはアンケート画面を見ると読むことができますが、おそらく説明を読んだ人は、なんだか良く分からないサービスと感じたことでしょう。
 特に「絶対利用したくない人」が2割もいるのを見ると、ネット上に実名で自分をさらすことに対する恐れのようなものも見て取れます。

 以前、新妻blogのacchiさんがmixiの利用者のピークが75~77世代近辺と言うのをかかれていましたが、おそらくこの辺りの世代以下とそれ以上の人たちで分けてアンケート結果を出すと、相当違う結果が出るんでしょうね。
 実際、私の同期にSNSの招待状を送ったときの大企業とベンチャーにいる人間の反応の違いを見ていると、ますますそう感じます。

 ネット関係の業界で生きている人間からしたら、いつかSNSのようなものがインフラのような当然のサービスになる世界が来る、と思いたいところですが。
 案外、当面のSNSの普及の天井と言うのは低いところにあるのかもしれない、と感じる今日この頃です。

さようならAT&T。NTTコミュニケーションズはどうなる?

SBC、AT&Tを160億ドルで買収へ–米通信業界再編さらに加速 – CNET Japanを読んで。

 いよいよ来るべきものが来たと言うべきなのでしょうか。
 AT&TがSBC Communicationsに買収されるようです。


 AT&Tといえばアメリカを代表する通信会社だったわけですから、それが買収されて無くなってしまうというのは、誤解を恐れずに例えるなら日本でNTTが無くなるのと同じ出来事。

 まぁ実際には、現在のAT&Tは長距離電話サービスの提供会社なので、NTTで言うところのNTTコミュニケーションズ。
 AT&Tを買収するSBCコミュニケーションズが、NTT東日本や西日本のような地域ローカル会社にあたりますから、正確に言うと規制で分割された兄弟会社がまわりまわって元に戻っただけと言うこともできます。

 
 一時期は規制で縛られている地域電話会社に比較して、ISP事業などの様々な新事業の可能性がある長距離電話会社に脚光があたっていた時代がありましたが、気がついたら結局インフラを保有している地域会社のほうが足腰が強い、というのが最近通信業界で起こっている出来事のようです。
 さらに米国の最近の傾向としては、買収を中心とした業界再編によって、結局寡占化が進むのではということも予想されているようですね。

 
 そこで個人的に気になるのは日本の今後の展開。
 最近のIP電話サービスの普及によって、NTTコミュニケーションズの長距離電話サービスの存在意義は明らかに薄れつつあります。

 そういう意味で時代の流れとしては、結構米国と同様になってきている気もします。
 昔からNTTグループの再再編成も良く噂されますが、はたしてどうなるのでしょうか?