ブログを書いて商売になるかどうか を読んで

むなぐるま: ブログを書いて商売になるかどうか、についてを読んで。

 最近、このテーマについての考えが混乱して、全くまとまりません。


 正直な話、私が何度か書いていたのに続かなかったブログを数ヶ月前に復活させたのは、実はGoogleのAdsenseの開始に影響されたのが大きかったりします。

 好きなことを自分のために書き散らしておいて、それで広告収入が入るなら、そんな素晴らしいことはないですよね。
 まぁ、要は不純な動機からブログを復活させたわけです。
 
 で、儲かったかというともちろんそんなことはなく、結果的には金銭的収入よりも、自分の文章の訓練や、人的ネットワークへの貢献のほうが大きいという結論に至って現在にいたります。

 まぁそもそも、ブログの世界で相当低位に存在する私のブログレベルが儲からないのは当たり前なんですが。
 結局のところ、切込隊長BLOGにも書かれているように、現在の日本のブログ事情を見る限り、物を書くこと自体で儲かっている事例というのは驚くほど少ないのが現状のようです。
 (もちろん商品紹介のようなアフィリエイトにフォーカスしているブログは別として)

 それが米国では、むなぐるまに書いてあるように「Talking Points MemoやKosクラスのブログでは10万ドル以上の年収がある」という状況すらあったりします。
 ある程度Blog自体がビジネスの一形態として機能しているわけです。
 

 日本のブログで儲からないのは、文化的問題なんでしょうか、それともそもそものコンテンツの価値が低いからなんでしょうか?
 この日米の違いはこれから埋まるのでしょうか?

 個人的には、切込隊長BLOGで書かれているように、日本のBlogは「ブログ」であって、異なる進化を辿るんだろうと思うのですが・・・
 それがどうなるのかは正直良くわかりません。

 そういう意味で、個人的に納得できたのは、切込隊長BLOGにかかれているモデルと、ネットは新聞を殺すのかblogに紹介されていた電通の方の発言でした。
 両方メモも兼ねて引用します。

「商売的なカラクリはともかく周辺事情を見る限り「既存の出版事業に対する登竜門的な位置づけ」の機能を持つツールを経て、フリーペーパー的なモデルの発展形態を遂げていくのではないかと考えている」

「「人さえ集まればビジネスモデルなんてあとでついてくる」。
 「人が集まり始めれば、広告主が浮き足立ってくるものさ」と濱田さん。広告のプロの一言だけに、重みがあった。」

 全く違う立場の人の異なる発言なんですが、何となくつながっているような気がしてしまうのは私の気のせいでしょうか・・・

 なんにしても、このむなぐるまさんと切込隊長BLOGのやり取りはかなり深いので、お勧めです。

すべてのVoIPソフトに“電話番号”を付けるP2Pソフト を読んで

すべてのVoIPソフトに“電話番号”を付けるP2Pソフト「Peerio GNUP」 を読んで。

 なんだか技術的な仕組みはぜんぜん良くわかりませんが、すごそうです。


 PCを使って電話をかけられるソフトフォンの課題としては、良く電話を受けられないことが上げられます。
 ソフトフォンでは電話が受けられない→だから結局別で電話機を用意しないといけない→それなら別に電話機使うよ。

 というパターンですね。

 ところが、このソフトはほとんど全てのソフトフォンに普通の電話機から電話することのできる番号を付与できてしまうようです。
 もちろん電話番号体系によっては慣れないうちは浸透しないかもしれませんが、結局今の携帯電話なんかはアドレス帳に一度登録してしまえばいちいち番号を打つ必要がないので、案外使われるようになるかもしれません。

 もちろんPC依存のソフトフォンはPCの起動状況にも影響されますし、使う人が電話にちゃんと気づいてすぐに応答できるかという課題もいろいろあるので、留守番電話サービスなり転送機能なりは必要になってくると思いますが、一つの大きな流れにはなってくると思います。

 近日中にSkypeも一般電話から着信できるSkypeInというサービスを開始するという話もありますから、何が最終的に普及するのか分かりませんが、もうすぐ本当に音声通話がほぼ無料になる世界がやってきそうです。

 あとは携帯電話かな、やっぱり。

なぜソニーがiPodブームを作れなかったのか

CNET Japan Blog – 梅田望夫・英語で読むITトレンド:Jobsの復帰とiPod決算、そしてWozniakを読んで。

 iPodがすさまじい勢いですね。


 200万台以上のiPodをたった3ヶ月で売ったそうです。
 もはやHDDウォークマン=iPodという状態で、遅ればせながらソニーが出したHDDウォークマンなどは、ソニーの展示場で「あのiPodのソニー版ありますか」と聞かれる始末だそうで。

 なんともウォークマンの生みの親としては悲しい状況ですね。
 そういう意味でも私がうなずいてしまったのが、梅田さんが書いている中断の部分。
 自分のメモもかねてまとめて引用します。

「ひとつのハードウェア商品カテゴリーを創出して数千億円規模のビジネスを作りたい、あわよくば創出したカテゴリーで寡占的地位を占めたい」というのは、日本の大手総合電機、エレクトロニクス・メーカー各社が切望してやまないことである。しかし、AppleがiPodを始めたときに、果たして誰がそんな大規模なハードウェア事業の誕生を予期したであろうか。大型既存カテゴリーの新商品ではなく、新しいカテゴリーを創出しようとする場合、どんなものでも始まりは小さい事業なのだ。このシンプルな原則を忘れてはならないというのが、iPodから得るべき教訓だと思う。巨大化した日本の大手企業は、生まれようとしている小さい事業をバカにしすぎる。「えっ、売り上げ50億円? 年ですか? 月じゃないの? そんな小さい事業はうちではできないねぇ、もっと大きな話をもってこい」なんて思っている幹部が多いから、新しいカテゴリーの創出がなかなかできないのである。

 実は先日梅田さんとまったく別件でメールのやり取りをしたときに、「音楽配信でソニーがAppleに負けてるのがどうも納得いかない」という私の勝手な愚痴を書いていて、梅田さんも賛同してくれていました。
 この部分が、端的にその問題の根を示しているように思います。

 これがイノベーションのジレンマというやつなのでしょうか。

 
 「新しいカテゴリーを創出しようとする場合、どんなものでも始まりは小さい事業なのだ」
 このシンプルな教訓をビジネスに反映するのは、そもそも難しい話なのだと思いますが、やはりその難しさは変化のスピードがあがるにつれて増している気がします。

 おそらく日本のメーカーの腹積もりは「HDDウォークマンなんてまだしばらくブームが来ない。来たらそれから作っても儲かる」程度の感覚だったんではないでしょうか?
 実際、松下電器がマネシタデンキと揶揄されていた時代、松下はそう揶揄されても成功したモデルでトップメーカーでした。

 それが今は、ブームが来たときにはもう手遅れということになる可能性がすごい強い気がします。

 ソニーも最初は小さな企業だったのですが、やはり今の人たちに当時を思い出せといっても無理な話でしょうし。
 やっぱり日本人としては日本企業の反撃を期待したいですが・・・

 ただ、「ネタフルのiPodがこれほど売れると誰が予想しただろう」で「ビジョナリストという言葉を体現する希有な存在が、Jobsである」とかかれているように、ある意味クレイジーな経営者がいないとこういったイノベーションは起こせないようにも思ってしまう今日この頃です。

ソフトバンクもプロ野球参入へ、ホークス買収に名乗り

 ソフトバンクもプロ野球参入へ、ホークス買収に名乗りを読んで。

 正直なところを言うと、野球にはあまり興味がないんですが、今年は例外ですね。面白すぎます。


 ダイエーがあんなことになってしまったので、「なんだ楽天とライブドアの負けた方はダイエー買収すれば良いじゃん」とか適当に思ってきたが、ソフトバンクが絶妙のタイミングで飛んできました。

 孫さんが福岡出身といい、2年越しの恋というストーリーといい、これまでの「ベンチャーの代表」的な扱いから急に「楽天よりも売り上げが300倍の超大企業」という取り上げられ方をするようになったということといい、何だかこのまま決まってしまいそうな雰囲気です。
 (これがおそらく楽天・ライブドア騒動の前だったら、メディアはおそらく一斉に「ベンチャーの雄、ソフトバンクが野球に進出」的な取り上げ方をして、下手したら猛烈なバッシングにあったかもしれません。タイミングというのは恐ろしいものです)

 ただ、最近どうしてもプロ野球球団を保有する上でのメリットについて疑問があります。

 
 よく「宣伝費やブランドイメージ向上を考えると数億円の赤字は安いもんだ」と言う発言が聞かれますが、本当にそうなんでしょうか?

 確かに単純な「知名度」という意味では間違いなく効果はあるのですが、はたしてそれにどれぐらいの意味があるのでしょうか?
(そもそも、私はこの広告効果という言葉があまり好きではなかったりします。)

 例えば主婦はスーパーで買い物するときに「日本ハム」が球団を持っているからとか影響するんでしょうか?
 ダイエーの経営陣が、優勝セールのときには売り上げが大きく増えるので意味がある的な発言をしていましたから、そんなもの一時的な効果ですよね?そういうのに頼った経営をしているから傾き続けてしまうのではないかとつい穿ってみてしまいます。

 「大西 宏のマーケティング・エッセンス」でも「読売新聞が招待券を新聞販売の販売促進に使うとか、ダイエーが優勝セールで売り上げ増の効果があるといったことがあるとしても、球団の位置づけは弱いですね。」と書かれていますが同感です。

 おまけにダイエーならまだしも、新球団で参入して万年最下位チームになってしまった場合、ブランド価値ははたしてプラスに働くのでしょうか?

 本来ブランディングは、大沢さんが紹介していたランコムのマスカラの例のように明確なターゲットと趣旨があるべきですよねぇ?
 どうも良く分かりません。

 まぁ確かにネット系企業は、それだけでなく野球コンテンツそのものをネット上でビジネスに結びつけられるというメリットもあるのですが、それすらパリーグの、それも一球団のコンテンツではインパクトが薄い気がします。
 おまけに他球団のコンテンツは果たして球団を保有しているネット企業にちゃんと流れてくるのでしょうか?

高端眞人のメディア/PR時評」にあるように「ホークスが人気球団となり、それを見られるのがテレビではなくインターネットだけだとしたら・・・。」という展開なら面白い気もしますが、巨人の放映権ならまだしも、全国対象にしたネット企業にとって地元密着であるべき球団のコンテンツ価値がどれだけあるんでしょう?
 中日新聞のように地元密着なら分かりますが・・・

 そういう意味では過去にutahblogでも紹介されていたYahoo!の「「全方位をカバー。」、「特定チームに偏らない。」スタンス」の方が賛成です。

 これだけ多くの企業が球団をほしがるのは、その分意味があると思うのですが、何だか考えれば考えるほど分からなくなってきました・・・
 noglogのダイエーホークス買収金額200億円はお買い得か?
にあるように、ソフトバンクにとってはたいした金額では無いというのが結論になってしまうんですかね・・・

携帯電話への参入を目指すソフトバンクが行政訴訟 を読んで

「100年でも戦う」:携帯電話への参入を目指すソフトバンクが行政訴訟 – CNET Japanを読んで。

 最近、ソフトバンク絡みばかりでクドイようですが、気になったので取り上げて見ます。


 なんだかソフトバンクと総務省の争いは、孫さんの誘導によって泥沼化しつつあるようです。
 実際の事情は置いておいて、どうしても表向きは、孫さんのスタンドプレーに見えてしまうのは私だけでしょうか。

 ソフトバンクは、いわゆる宅配便事業におけるクロネコヤマトのように、国民の味方というポジションを演じたいのでしょうか。
 ここ最近の噛み付き具合は、これまでのレベルを大きく上回っているように思えます。

 顧客情報漏えいの時に散々たたかれたからだとか、思ったよりも別の周波数での事業参入の勝算が低いからだとか、いろんなことを言われていますが、どうも本当のところが良く分かりません。
 あんまり役所をたたきすぎると、裏での反撃が怖いような気もするのですが・・・どうなんでしょう?
 

 ブログ上のコメントを見ている限りは、ソフトバンクに好意的な利用者が多いようです。
 まぁ確かに月1万円の携帯電話料金が、今のADSLのように下がると思えば私も楽しみなんですが。
 
 ソフトバンクグループがスピードネットだとか、イー何とか会社とか、数々の賑やかしの打ち上げ花火が得意な会社というのもまた事実ですからね。

 さてさてどうなるんでしょうか?

[通信業界]15Mbps はてなの回線速度 を読んで

ヌーベルブログ 15Mbps はてなの回線速度を読んで。

 う~~~ん、正直これには驚きました。


 はてなといえば、Bulkfeedのブログシェアグラフでも長らくトップを守り続けている日記サービスの大御所です。
 その月間PVは1.6億PVにも達し、日ベースで500万強だそうです。

 そのマンモスサービスを支える回線速度がなんと15Mbps。
 テキストコンテンツがいかに回線に負荷をかけないかが良くわかります。

 昔、通信会社で働いていたときに人間の目の処理速度では9600bpsで文字を送信されても処理しきれないと聞いたことがあります。
 結局、人間がぽちぽちとウェブサイトをサーフィンするレベルでは、100Kbpsもあれば実は十分だったりするのです。

 利用者レベルのアクセス回線が、8Mbpsどころか20M、40Mと上がってきているのが結構ナンセンスだという現実がここにあります。
 伊藤さんが書かれているように、まさに個人のアクセス回線速度は、誰でも勇気さえあれば事業を始められてしまうレベルにあるのです。

 
 さて、こんな状況で困るのは実は通信事業者です。
 現在はFTTHや高速ADSLに見られるように速度をダシに、利用者の乗換えや追加料金の支払いを引き出そうとしていますが、果たしてこの手法はいつまで通用するのでしょうか。

 仮に動画コンテンツが普及したとしても、実質6Mbpsも回線速度が出ればテレビ並みの動画が十分再生可能と言われています。
 実はもうアクセス回線はこれ以上必要ないレベルに来てしまっているのです。
 

 まぁ、そうは言っても同じような議論はデジカメの画素数にしろ、ハードディスクレコーダーの保存容量にしろ、日本人は数字を追い求める傾向があるようですから、今後どうなるかは何とも言えませんが・・・