シリコンバレー精神は、ウェブ進化論の大ヒットで、ネット企業だけでなく普通の企業にも有名人となった梅田望夫さんの新刊です。
光栄にも献本を頂きましたので、早速読んでみました。
新刊といっても、正確にはウェブ進化論の前に出版していた「シリコンバレーは私をどう変えたか―起業の聖地での知的格闘記」の文庫化ですから、そういう意味では、ウェブ進化論の前作というのが正しいでしょう。
ウェブ進化論は40万部近く売れ続けているということで、梅田さんに対してウェブ進化論の人、Web2.0の人という印象を持っている人が多いようですが、実は梅田さんが私たちの世代に本当に伝えたいことというのは、やっぱりウェブ進化論ではなくこちらの書籍なんだろうなーというのを改めて感じます。
(あとがきの中で、「「Web2.0時代の到来に狂奔する人々が多い今、Web3.0時代を切り拓くであろう「いずれ次のグーグルになる若者たち」が必ずどこかに居て、他の人たちとは全く違うことを考えているに違いない、という想像力に結びつけるべきなのだ。」とWeb2.0ブームに警鐘をならしていたりというのも印象的です。)
シリコンバレー精神では、梅田さんがアメリカでシリコンバレーの独特の空気や文化に触れ、独立・起業と言う過程を経ていく流れが時代の出来事や印象に残った出来事と共に描かれています。
フジテレビ「ワッチミーTV」を題材に勉強会をします
最近、FPNのサイトを中心に、イノベーションをテーマにした勉強会をやってます。
8月25日の金曜日に第二回を開催しますので、興味のある方は是非参加してください。
第二回のテーマは、一回目のYouTubeに続き動画共有サイトをテーマにするということで、フジテレビが始めた「ワッチミーTV」を取り上げます。
→詳細はこちら
マーケティング2.0 「Web2.0に惑わされるな!」
マーケティング2.0はCNETブログでお馴染みの渡辺聡さんが監修した、共著スタイルのWeb2.0時代のマーケティング本です。
献本をいただきましたので、早速読んでみました。
まず、目にとまるのは何と言っても多彩な執筆陣でしょう。
関さんや神原さんのようなお馴染みの社長さんから、清田さんやいしたにさんのように肩書きが「ブロガー」の方まで、幅広い分野の方がマーケティング2.0と定義された分野についての考えを披露されてます。
つい日本では、マーケティング≒広告みたいな捕らえ方をされてしまうわけですが、本書でもフィリップ・コトラーの言葉が引用されているように「マーケティングの役割とは、絶えず変化する人々のニーズを収益機会に転化すること」。
ネットの進化によって、これまで一方通行だった企業と個人のコミュニケーションが、会話に変わってきていると言うのは、先日紹介したスコーブルのブログスフィアでも強調されていましたが、この本はそれを更に分野ごとの現象や事実から再度考えることができます。
次は「クラウドソーシング」という言葉が注目のようです
「クラウドソーシング」を体現するMycroft – CNET Japanを読んで。
CNETにMycroftというサービスの記事が掲載されていました。
「Mycroft」というサービス自体は、「ネットワークでつながった数多くの人々の力を借りて、データ処理やキーワードの付加といった比較的簡単な仕事をいっきに片づけてしまおう」というサービスのようなのですが、気になったのはタイトルに使われていたクラウドソーシングという言葉。
「群衆にアウトソースするからクラウドソーシング」ということだそうです。
実は、クラウドソーシングという言葉を始めて聞いたのですが、今年の6月にWiredで提唱された言葉のようで、すでにいくつかの記事にもまとまっていました。(ちょうど、今日梅田さんのブログでも紹介されていました。)
ポッドキャスティング苦手人間でも、ポッドキャスティングができました?
いよいよ折り返し地点になった「ポッドキャスティング苦手人間のポッドキャスターへの道」企画ですが、ニフティの星一徹(?)から第五回のお題がやってまいりました。
今回のお題は「番組用のジャケット(アートワーク)を用意しよう」
ついに最終工程です。
でも、どうも、動画の場合は自動的にアートワークが挿入されているようです。
これって変更できるんでしょうか?
ブログがジャーナリズムを変える (湯川 鶴章)
「ブログがジャーナリズムを変える」は、「ネットは新聞を殺すのか」という刺激的なタイトルで有名な、時事通信の湯川さんの新作です。
光栄にもデジタルジャーナリズム研究会で、献本をいただきましたので読んでみました。
ブログと既存メディアの関係というのは、個人的にも非常に興味がある分野です。
個人的にはブログのようなCGMは既存メディアを破壊するものではなく補完するものだと考えていますが、その過程で発生している変化が既存メディアのビジネスモデルを壊し始めているのは事実。
その現実を直視し、警鐘を鳴らし続けてきた湯川さんの未来予測には賛同できるところが多々あります。
特に印象に残ったのは情報ハブという視点。
デイブ・ワイナーの発言の引用で「読者を巻き込んだ新しいタイプのジャーナリズム」というのがありますが、これまでの記者と読者という対立した区別ではなく、記者も読者も同じサイドに巻き込み、エディターがその交通整理をするというイメージは興味深いです。