スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン (上野陽子)

4822248860 「スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン」は、タイトル通りスティーブ・ジョブズのプレゼンから英語でのプレゼンのポイントについて考察された書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 スティーブジョブズのプレゼンと言えば、ベストセラーとなったカーマイン・ガロ氏の「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」が有名ですが、この本はその本をベースに、実際に英語でプレゼンするためのポイントを教えてくれる本と言えます。
 
 この本では、具体的な言い回しやフレーズを、スティーブ・ジョブズのプレゼンでのフレーズをもとに紹介してくれていますので、実際に英語でのプレゼンに挑戦してみたい方には参考になる点がある本だと思います。
 個人的にも、いつかこの本を使って英語プレゼンに挑戦してみたいです。
【読書メモ】
■ジョブズのプレゼンのポイント
・冒頭で注意を引く
・経緯を報告
・ロードマップを描く
 ・3点ルール
 ・ヘッドラインと骨格
・敵役の登場
 ・敵は何か(従来の問題点)
 ・疑問の提示
・ヒーローの登場
・デモ
・多角的にアピールする
 ・共感できるたとえ話
 ・シンプルかつ効果の高い表現を使う
 ・視覚に訴える
 ・機転を利かせる
・目標と数字の提示
・プレゼンを効果的に締めくくる

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ステルスマーケティングで短期的に儲かったところで、結局長い目で見ると自らの首を絞めているダイナマイト漁みたいなものだという話。

 今朝、日テレさんのZIPで、Facebookについてコメントさせて頂いた興奮冷めやらぬ今日この頃ですが、実は今週テレ東さんのワールドビジネスサテライトでも取材をして頂きました。
 こちらのお題は、うってかわって食べログの「やらせ」や「ステルスマーケティング」の問題。
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 あくまで主役はやらせ投稿の舞台となった食べログを運営するカカクコムさんなので、今日の放映で私のコメントが実際に使って頂けるかどうか分かりませんが、一部の発言だけで誤解を生むのも怖いので、こちらに私の言いたかった事を書いておきたいと思います。
 「ステルスマーケティング」や「やらせ」に対する私のスタンスは、先日ブログに長々と書いたとおり、深刻な問題だと思うし根絶するべきだけど、実際にはかなり根深い問題で簡単には解決できないだろう、というスタンスです。
「ステルスマーケティング」や「やらせ」行為は、やらせが判明した場合のリスクが実は非常に大きい事が理解されないと変わらないのではないだろうか 
 じゃあ、だからといってステルスマーケティングをやって良いと思っているかというと、当然そんなことは一切ありません。
 そもそも、AMNは2006年頃に大量発生したペイパーポスト型のステルスマーケティング手法のアンチテーゼとして発足した会社。そういう意味では、ステルスは絶対にやらないというのが会社設立における一つの不文律で、この5年間、愚直にそれを続けてきた自負があります。
 AMNのブログマーケティングポリシーをみて頂くと分かると思いますが、WOMマーケティング協議会のガイドラインができる2年前となる会社設立直後の2007年から関係性の明示をポリシーに明記してきました。
 正直なところを言うと、このポリシーのおかげで断る事になった案件は数知れませんし、まだ事業が成り立たず会社の経営が厳しかった初期の頃に、関係性の明示をするポリシーを下ろして、ステルスマーケティングに近い手法に手を出せば楽に受注できるんだろうなと、羨ましく思った事が無いと言ったら嘘になります。
 ただ、AMNパートナーブロガーの方々の厳しい指導もあり、何とか私自身、信念を曲げずに今日までステルスマーケティングのダークサイドに落ちずにやってくることができたと思っています。
 じゃあ、私が金儲けが嫌いな清廉潔白な人間か?と言ったら、もちろん企業の経営者ですから全くそんなことはありません。
 ただ、ステルスマーケティングに手を出すのは、実は自爆行為なんじゃ無いか、というのが私の率直な意見です。
 実は、私の中で忘れられない経験になっているのが、NTTを退職する直前に有休消化でいったOperation Wallaceaというプロジェクトでのインドネシアでの体験です。

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Facebookが、なんでトヨタやドコモと匹敵するような7兆円もの時価総額の評価を受けるのか意味不明という方に。

 昨日、たまたま日テレさんの朝の情報番組ZIP!の取材を受ける機会がありました。
 そのテーマは「Facebook上場」
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 私も、株価に関しては専門家ではありませんから、そもそも評価額についてコメントできるものではないのですが、さすがにテレビの短い時間では言いたかった事は伝わらないと思うので、こちらにも簡単にメモしておきたいと思います。
 (実際自分で放送みたら、知らない人には分かりづらいコメントだろうなと痛感してしまい(苦笑))
 米国のメディアやブログは、この数日完全にこの話題で持ちきりな印象です。
 なにしろ現在の評価額でフェイスブックが上場すると時価総額は1千億ドル。
 日本円に換算すると7兆円を超える超大型上場ということができます。
 これも今円高だから7兆円と、ドルベースでみるより印象が桁一つ減ってますけど、1ドル=100円だったら10兆円ですからね。
 日本企業トップのトヨタの時価総額が約10兆円で、2位のドコモが約6兆円だという事を踏まえると、設立10年もたってない会社が一気に名実ともに世界のトップ企業に急成長したわけで、まぁすさまじい話です。
 ただ一方で、現時点で公開されたFacebookの決算情報を見ると、2011年の売上が37億ドルで純利益10億ドル。日本円に直すと売上が2800億円で利益が760億円。
 今期のグリーの業績予想が売上高は1600億~1700億円で最終利益は440億~500億円とのことですから、せいぜいグリーの2倍弱でしかないんですよね。
 もちろんグリーの売上と利益がスゴイという話ではあるんですが、そのグリーの時価総額は現時点で5000億円ぐらいなのに、Facebookがその10倍以上あると言うのは、普通に業績から株価を算出する人にはありえない金額に見えてしまうのは非常に良くわかります。
 
 そういう意味で、まず考えるべきは、フェイスブックの現在のポジション。
 個人的に考える、フェイスブックの確実に評価すべきポイントは三つあります。

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エスケープ・ベロシティ(ジェフリー・ムーア)は、既存組織のしがらみを振り払って、新しいイノベーションにチャレンジしたい人にお勧めの本です

4798125008 「エスケープ・ベロシティ」は、キャズム理論の「キャズム」や「トルネード」でも有名なジェフリー・ムーアの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 「トルネード」の読書メモにも書きましたが、ジェフリー・ムーアは決して「キャズム」一冊しか書いていない一発屋ではなく、実は「キャズム」に始まり「トルネード」「ゴリラゲーム」「ライフサイクルイノベーション 」など複数の著書で独自の理論を系統立てて構築しているイノベーション戦略の第一人者の一人と言えます。
 
 正直著書が多すぎて、ジェフリー・ムーア・マニアを自称する私自身も、未だにそのイノベーション戦略論の全貌を腹に落として理解できているとは言えないのですが、分かりやすい比喩を用いた独特な理論には本当にまだまだ学ぶ事がたくさんあると感じます。
 今回の書籍のタイトルになっている「エスケープ・ベロシティ」は直訳すると「脱出速度」。
 既存のしがらみを振り切って、新しい世界に飛び出していく事ができるか、というのがテーマになっていますから、特に大企業の中で新規事業に取り組もうとしている方には刺激になる点が多々ある本だと思います。
 
【読書メモ】
■将来の機会とリスクを踏まえた構造的対話
・年に一度、戦略計画プロセスの最初に前年度の計画を配布する前に、そして、財務目標設定を行う前に、社外にフォーカスした発想で自社について再考する
・以下の三つの目標を考慮して、翌年度の計画作業へのアプローチを構成
 ・他者が積極的にサポートしたくなるような説得力のある将来ビジョンをまとめる
 ・ターゲットとする市場において自社をリーダーと位置づけるビジョンと一貫した戦略を立案する
 ・最大限の成果を達成し、多大なリターンを得られるような経営資源の配分を行う
■5つの力の階層
・カテゴリー力
・企業力
・市場力
・製品力
・実行力
■目標と指標、三つのホライゾン
・ホライゾン1(0~12ヶ月):経済的リターンの最大化 収益とOPEX
・ホライゾン2(12~36ヶ月):重要案件になる ターゲット顧客数とTIMEX
・ホライゾン3(36~72ヶ月):カテゴリーの創成 一流顧客とCAPEX

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100万人から教わったウェブサービスの極意 (藤川真一)

4774149675 「100万人から教わったウェブサービスの極意」は、モバツイの開発者として知られるえふしんこと藤川真一さんが書かれた書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、サラリーマンの傍ら始めたモバツイを、100万にを越えるサービスに育て上げた藤川さんならではの視点でサービス開発のポイントがまとめられていますので、これから個人サービスを始めてみようと思っている開発者や起業家の人には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■アマゾンが今日の地位を築いた要因
・本が好きな人の間でアマゾンの利便性が伝達され、クチコミがクチコミを呼ぶかたちでたくさんのユーザーが訪れたこと
・データベースを活用した販売手法によって、ロングテールを非常に低コストで実現したこと。
・自分の感想をたくさんの人に見てもらえるという自己表現欲求から無償レビューが集まり、そのレビューを呼び水に、さらに商品が売れるというサイクルが生まれたこと
■ツイッターは世界を変えられる可能性を持っている
・ツイッターは現時点で、脳の思考とインターネットの距離を最も近づけている
・瞬時に世界中にメッセージが伝わるリアルタイム性
・ツイッターIDだけでつながるメッセージ制御

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情報の呼吸法 (津田大介)

4255006210 「情報の呼吸法」は、「twitter社会論」などでおなじみの津田大介さんの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、ツイッターの第一人者である津田大介さんならではの視点で、情報収集や情報発信についてのコンセプトをまとめられていますので、ソーシャルメディア時代ならではの情報術を考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■「実はソーシャルキャピタルこそが世の中を生きていく上でとても重要だ」(宮台真司)
■ソーシャルメディアで重要な三つのポイント
・タイミング
・フィーリング
・ハプニング
■情報の自動摂取に当たって重要なのは「セグメント化」
 僕がフォローする相手には三つの基準があります。
・僕と直接の関わりがある知り合い
・僕に興味をもっている人
・僕が知らなくても、ツイート内容が面白く読みたいと思う人

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