ブロガーと手を組む新聞社、その成果は複雑 – CNET Japanを読んで
Forrester Researchの最近の調査によると、米国の18~24歳のインターネット利用者のなかでは、ブログと新聞ウェブサイトの読者数のシェアは両者とも同じで約17%を占めているそうです。
シェアの数字にどういう意味があるかというのは議論があるところでしょうが、やはりブログと新聞ウェブサイトのシェアが並んだというのは非常に興味深いところです。
先日、CNET読者ブログとオルタナティブブログを比較してみましたが、上記の記事を見て、そう言えばニュースサイト自体の作りにはどういうバリエーションがあるのか気になったので、自分なりに整理してみました。
■マスメディア型ニュースサイト
基本的に自社でコストをかけて作成した記事を提供する
・編集者編集 NIKKEI NET、CNET
・投稿者編集 CNETブログ、All About
■マスメディアのアグリゲーション型ニュースサイト
基本的にマスメディアの記事のみを収集して提供する
・編集者編集 Yahoo!ニュース
・ロボット編集 Googleニュース、ニューズウォッチ、ceek.jp news
・参加者編集 mixiニュース
■CGMのアグリゲーション型ニュースサイト
個人のブログ等、消費者が作成した記事を中心に提供する
・編集者+投稿者編集 スラッシュドット、JAN JAN、ライブドアPJ
・ロボット編集 Exciteブログニュース、livedoorブログニュース、Voice Watch
・投稿者編集 CNET読者ブログ、オルタナティブブログ
■混在型のアグリゲーション型ニュースサイト
マスメディアの記事、個人の記事まとめて収集して提供する
・編集者編集 いわゆる個人のテキストサイト
・ロボット編集 memeorandum、はてブニュース、Qooqle News
・参加者編集 はてなブックマーク、digg、del.icio.us
■パーソナライズ型ニュースサイト
一人ひとりにカスタマイズした記事を提供する
・ロボット編集 Googleニュース
・利用者編集 RSSリーダー
サイトに掲載する記事の対象範囲、編集の仕方で分類してみましたが、実にいろんなバリエーションがあるものですね。
ただ、一般利用者(閲覧者)からすると、この違いって実はすごい軽微なような気がします。
結局ニュースサイト側のコスト負担とか作り方の話で、見る側からするとデザインが一緒だったらあまり違いは分からないような。
冒頭の記事にもあるようにブログと新聞社サイトのシェアが並んでくるような感じになってくると、マスメディアの記事だけで揃えているかどうかというのも、あまり本質ではないような気がします。
そう考えると、最近ニュースサイトとか以前よりも増えているような気がするんですが、はたしてビジネスとしてはどれぐらい成り立つのだろうというのがよく分からなくなってきます。
特にターゲットを明確に人的に編集されているサイトはまだ特徴が出せるのは分かりますが、はてなブックマークとかdiggのように人気投票的に運営されるサイトは、サービス利用者のコミュニティが違えば他の類似サイトと差別化できるものなのでしょうか?
まぁ、コストがほとんどかかってないから儲からなくても良いという話なのかもしれませんが、そもそも世の中の大多数の人はそれほどニュースを一生懸命読まないわけで、Yahooトピックでニュースは間に合ってしまったりするようですし。
あとの個人ごとの細かいニーズに一部のGoogleニュースやdiggのようなサイトや、RSSリーダーが対応してしまうとしたら、はたしてこれだけ多くのニュースポータルが必要とされているのかどうなのか・・・
そういう意味では、CNETで渡辺さんが書いていたように、「何を信頼するのか」という視点からメディア設計をするというのは納得です。
どういう技術でニュースサイトを作るかというよりも、どういう人にどうやって信頼されるメディアになるかということが改めて重要になってきそうな感じがします。
カテゴリー: ネットコミュニケーションの視点
CNET読者ブログとオルタナティブブログを比較してみる
ガ島通信 – 「CNET Japan読者ブログ」メリットがいまいちよくわからないのですがを読んで。
最近は、すっかり見慣れてきた感じもあるCNET読者ブログですが、そういえばCNET読者ブログとITmediaオルタナティブブログってなにが違うのか気になったので調べてみました。
冒頭に紹介した藤代さんの記事を始め、CNET読者ブロガー募集の際にはいろんな反応がありましたが、蓋を開けてみたらいつのまにか100近いブログが開設されているようです。
CNET読者ブログとオルタナティブブログの項目ごとの比較はこんな感じ。
CNET読者ブログ | ITmediaオルタナティブブログ |
|
開設ブログ数 | 87 | 77 |
一日の記事数 | 10~20程度? | 10~20程度? |
全体のフィード | 無し? | 有り |
採用審査 | 試験エントリ | 略歴申請? |
条件 | 20歳以上 |
不明 |
露出方法 | ニックネーム 可 顔写真 無 |
実名 顔写真 必須? |
記事の所有権 | CNETにあり ダブルポスト 可 |
不明 |
記事の掲載審査 | 無し | 無し? |
執筆料 | 無し | 無し? |
アフィリエイト | 不可 | 不可? |
まぁ、半分推測なので、真偽のほどは微妙なんですが、パッと見て目立つのはやはりブロガーの扱いでしょう。
オルタナティブブログが実名で写真付きのいわゆる個人を強調したブログなのに対し、CNET読者ブログはニックネームもありで顔写真は基本的に出さないパターン。
CNETにはもともと写真出しブロガーはメインコンテンツとして存在しますから、そことの差別化もあるのでしょうが、位置づけ的には個人を強調したブログというよりも、読者ブログという掲示板的な印象を受けます。
そのあたりの印象は、オルタナティブブログが「オルタナティブブログ全体」のRSSフィードを用意しているのに対し、CNETの方は「読者ブログ全体」のRSSフィードが無い点からも強くなります。
あくまでCNET読者ブログはCNET記事の代わりではなくオプション的な位置づけということでしょうか。
その分、CNET読者ブログは本体の記事やサイトとの連携が実に見事。
記事を読むとそれに関連する読者ブログの記事が表示されますし、注目の読者ブログ記事はサイトのサイドにしょっちゅう表示されていて目立つこと請け合いです。おそらくページビューは固定ファンのいない読者ブログでも結構いくんじゃないでしょうか。
それに対してオルタナティブブログは、どちらかというとITmediaに間借りしている個人ブログの感じなので、集客は各ブロガーの努力にかなり依存している印象があります。
おそらくどちらの媒体も執筆料は無料と思われます(オルタナティブブログも、最初に数回書いて幽霊ブロガー化している人が見受けられるので)し、アフィリエイトもダメっぽいので、どちらもメリットは「有名なニュースサイトで書ける」という点。
そういう意味では、自分自身の露出を増すようなパーソナルブランディング目的の人はオルタナティブブログ。とにかく自分の記事を多くの人に読んでほしい人はCNET読者ブログがお勧めというところでしょうか。
メディア側からすれば、今後メディアの看板をつけているブロガーの質の維持というのが課題になってくるとは思いますが、執筆料無料でページビューは増やすことができるし、おそらく検索エンジンからの流入増加にも貢献しているでしょうから、面白い取り組みですよね。
今後の動向も注目したいと思います。
映画「ダヴィンチコード」に学ぶ批判を味方にする技術
Sankei Web ダ・ヴィンチ・コード 騒動も商機を読んで。
映画「ダヴィンチコード」が好調なスタートを切っているようです。
6000万部売れた本が原作だから、話題になって当然といえば当然なんですが、やはりそれ以上に大きかったのは事前の騒動でしょう。
カトリック教徒によるボイコット運動をはじめ、上映を禁止する国や観賞に年齢制限をつける国が出てきたりと、これほど公開前に一般紙で記事になる映画というのはスターウォーズぐらいじゃないかという気もします。
批判されればされるほど、それがきっかけで話題になり無料で世界に宣伝してもらえたことになります。
もちろん批判された分、その批判が理解できる人には映画を見ない理由になるんでしょうが。
それ以外の方には認知度をあげるための話題として作用したというところでしょうか。
ちなみに、日経産業新聞によると、「ソニーは制作の早い段階で米国の危機管理会社やキリスト教市場に強いマーケティング会社と契約し注意深く作品を宣伝」してきたそうです。
実際、宗教問題というのはちょっと取り扱い方を間違えれば非常に大きな問題になるナイーブな問題ですから、当然といえば当然。
その努力の結果、興行収入も好調で、今となっては上手いことやったという感じですが、担当者の人たちの苦労は並大抵ではなかったことと容易に想像できます。
まぁ、そういう意味では、興行収入がスターウォーズ エピソード3に次ぐ史上2位の売り上げを上げたというのも、担当者の人たちの長い期間の努力の結果で、当然といってもいいのかもしれません。
あと、個人的に注目したのが、下記の部分
「専用ホームページを開設し、宗教学者の意見を載せたりキリスト教に関する自由な討論の場を提供したりして異見や批判を積極的に吸収した。」
どのサイトのことなのか分からなかったので、詳細は確認できていないのですが、一般的にこういう炎上の元となるようなネタはこれまでであれば、燃えないようにふたをしていただろうところを、あえて自社でホームページを開設し、積極的に批判を吸収したというのは注目です。
ソニーというと、ウォークマンブログの炎上が記憶に新しいところではあるのですが、少なくとも今回のダヴィンチコードにおいては、炎上の力を上手く活用したと言っても良いのではないでしょうか。
あえて炎上をいとわずに問題提起をし、批判や反論を吸収して、ギリギリのところで話題づくりをするという手法は、これからのネット社会でも一つの技になりそうな気もします。
ちなみに、私個人はダヴィンチコードは昨年の早い時期に読んで、それに影響されてフランス・イギリス旅行に行ってしまったぐらいのミーハーなんですが。
本を読んだ人にもこの映画はお勧めできると思います。
何と言っても、映画を見て改めて感じるのは映像の力。
本を読んでいるときには絵の構図とかなかなか想像できないものが、映画だとパッと一瞬で理解できますし。
(自分が本を読んだときに勝手に勘違いしていたシーンがいくつもありました)
ただ、映画だけだとさすがに2時間半に、あの分厚い2冊の本は納まりきっていない感じもしたので、本を読んでない方は速い展開についていくのが辛いかもしれません。
ということで、本を読んでから映画を見るのがお勧めです。
ダ・ヴィンチ・コード(上) ダン・ブラウン 越前 敏弥 by G-Tools |
mixiが「おしゃべり」の中心になるということの意味
[mi]みたいもん!!: mixiミュージックでいよいよはっきりした、笠原さんは何にも迷ってない。を読んで。
先日のmixiミュージックの開始は、なかなかインパクトがありましたね。
ニュースの追加によるサイトデザインの変更の頃は、結構コアユーザーの反発もあって、どうなることかと思いましたが、ちゃんとその後デザインのカスタマイズができる機能も実装しているあたりも、実にポイント高いです。
最近、mixiがそれほど真新しくなってきたせいもあり、mixiに飽きたとか、mixiはビジネスモデルが古いとかという批判も増えてきたように思いますが、個人的にはいしたにさんが書いてるように、今のmixiはそれこそ何の迷いも無く、ただひたすら成長の道を歩んでいるようにしか見えません。
おそらく、この議論のポイントになるのがmixiをどういう視点で見るかということでしょう。
一般的なビジネス視点で見る人からすると、mixiの利用者層とかオンライン率の高さとか、今のポジションとかから、もっといろいろやれることあるのに何でやらないんだという指摘も出てくるはずです。
実際、個人的にも、もし自分がmixiの社員だったらやってみたいことが山のように思いつきます。
ただ、そういう視点はある意味mixiのエネルギーの源が何であるかを見誤っているのかもと最近思えてきました。
mixiのエネルギー、それはまさに「おしゃべり」だと思います。
しかも、ブログのように姿かたちの見えない人に街頭で叫んでいるような、スピーカー型の演説とか独り言じゃなくて。
知っている人が周りにいるのが確実に分かっている状態でのおしゃべり。
文字通り相手の顔が見えるおしゃべり。
いしたにさんも、笠原さんの「とにかくPVを稼げるサービスを作りたかった」という台詞を引用していますが、ページビューベースのビジネスにおいては、おしゃべりというのは実に強力なサービスです。
実際、ヤフーでもヤフーメールが全体のページビューに占める割合は15%近くあったと記憶してますし、ヤフーメールを使っている人にはヤフーをブラウザのホームページにするための一つの大きな理由となり、重要なツールの役割を果たしています。
おしゃべりのプラットフォームというのは、利用者の最初の入り口にもなれるわけです。
もちろん単純におしゃべりをするならメッセンジャーや電話の方が良いかもしれませんが、mixiが提供しているのはそういうリアルタイムで半強制的なコミュニケーションじゃなくて、メールと同じ非同期のゆったりしたコミュニケーション。
日記を書けば誰かとおしゃべりできるかもしれないし、コミュニティにいけば誰かとおしゃべりできるかもしれないし、ニュースがきっかけにおしゃべりが始まるかもしれないし、音楽がきっかけでおしゃべりが始まるかもしれないし。
一つ一つのおしゃべりにはビジネス的価値はほとんど無いかもしれませんが。
笠原さんが以前から言っているように、mixiがメールに次ぐ新たなコミュニケーションのプラットフォームになれれば、それこそがmixiの存在意義になるわけで、それって真剣に凄いことです。
もちろん、おしゃべりの場だけじゃなくてもっといろんなことができればビジネスとしては儲かるかもしれませんが、現在のmixiの最重要課題は何と言っても急増する利用者をいかにさばいて安定してシステムを動作させるかという点。
そのあたりは、湯川さんの笠原さんインタビューでもはっきり書かれています。
何しろ、おしゃべりの場で気軽におしゃべりができなくなったら、それはおしゃべりの場ではないわけで。
いくら便利な機能がいっぱいあったとしても、利用者はみんな逃げてしまうでしょう。
甲斐さんが書いているように、mixiミュージックについては「サービス自体はLast.fmであり音ログであってそこまで目新しいものではないけど、日本で最もアクティブなユーザーを抱えるmixiで始まったのが大きい」わけで、mixiがおしゃべりの中心にいるからこそ、同じような音楽連携サービスでも利用者の盛り上がりがまったく違うわけだと思います。
そういう意味でも、今はとにかく安定稼動に注力して利用者のインフラになるための努力を日々続けることが重要なわけで、新サービスはあくまでおしゃべりのネタ提供というところでしょうか。
いろんな手段で儲けるのはその先でも十分間に合いそうな感じです。
Eメールにおける最近のスパムメールの増え方を考えると、大事なメッセージはmixiで送るという未来が来てもおかしくない感じもしますから、以前書いたようなmixi会員3000万人という未来があっても不思議ではなくなってきた気がします。
もし、mixiに死角があるとしたら、クローズドなパソコン通信のニフティのフォーラムが、オープンなインターネットの登場によって勢いを失ったように、クローズドなままのmixiがオープンなおしゃべりサービスによって勢いを失うかも、というぐらいの感じでしょうか・・・?
なんにしても、今後のmixiの動向からやっぱり目が離せそうにありません。
(甲斐先生、こんな感じで良いでしょうか?)
鳥越俊太郎は日本に市民記者文化を作れるか
livedoor ニュース – 鳥越俊太郎氏、初代編集長にを読んで。
あの鳥越俊太郎氏がオーマイニュース日本版の編集長に就任するようです。
オーマイニュースについては、ソフトバンクの資本参加が決まってから編集長が誰になるか注目していたのですが、結構驚きのニュースですね。
人によっては鳥越さんにネットのことなんて分かるのかといぶかる向きもあるかもしれませんが、韓国のオーマイニュース自体が自称ネット音痴だった呉連鎬代表によってスタートしていますから、そこはあまり呉連鎬代表も気にしていないようです。
特に個人的にはオーマイニュースはとかく「韓国の」という枕詞がつくのが一つの課題だと思っていましたから、知名度の高い鳥越さんを持ってくることで「鳥越俊太郎の」ニュースサイトというイメージを作ることができれば最初の関門はクリアというところでしょうか。
オーマイニュース日本版のチャレンジは、日本でも市民記者という文化なり盛り上がりを作ることができるかでしょうが、鳥越俊太郎編集長であれば、話題性はありそうですから、ある程度の市民記者を集めることはできそうな感じもします。
ただ、やはり気になるのは記事の質の問題。
FPNを運営していても思いますが、JANJANにしろ、ライブドアPJニュースにしろ、投稿型ニュースサイトというのはどうしても読者の期待に対して、記事の質を揃えるというのが難しい課題になります。
オーマイニュースやJANJANのような投稿型ニュースサイトは、市民参加型ニュースサイトと呼ばれることも多いため、そのイメージは比較的素人ニュースサイトに近いイメージで、読者もそういうものだと思って読んでいるところはあるのかもしれませんが。
うがってみれば、オーマイニュース日本版が鳥越さんを看板にしたことによって、読者がニュースサイトに鳥越品質を期待して読みに来るようだと、著名ジャーナリストを看板にしたことがかえって逆効果になるというシナリオも考えられなくもないような気もします。
まぁ、そもそも2ちゃんねるのひろゆき氏なんかは、そもそも「市民メディアは構造的にマスメディアに勝てない。ならばやらないほうがいいと思う」なんてばっさり切っていたりしますから、もっと根本的な部分の議論が先かもしれませんが。
なんにしろ、ソフトバンクがバックについてることですし、まだまだ隠し玉があるかもしれませんから、8月のスタートを楽しみにしたいと思います。
ちなみに、意外に各ニュースサイトで、このニュースの取り扱いが薄いように思えるのは私の気のせいでしょうか?
各メディアがオーマイニュース日本版を注目しつつもあえて流しているのか、ただ単に気にしていないだけなのかも気になるところです。
アメリカではいよいよ電話サービスも無料化が始まるらしい
スカイプ、米国とカナダで「SkypeOut」の無料キャンペーンを実施 – CNET Japanを読んで。
先日、スカイプが米国でスカイプアウトを無料にするというニュースが話題になっていました。
日本の利用者からすると、アメリカ限定じゃなくて日本でも無料にしてほしいと思うところだと思いますが、どうやらアメリカ限定というのが味噌のようです。
あきらかにこの無料サービスのきっかけとなっているニュースがこれ。
AOL『AIM』ユーザーに無料の電話番号を提供する新サービス
日本ではほとんど話題になりませんでしたが、これは大きいニュースです。
AOLというとどうしても日本では認知度が低いのでネット界での影響力も軽視されがちな印象があるんですが、アメリカのメッセンジャーに占めるシェアはいまだにAOLメッセンジャーが4000万人でシェアトップ。
それに対してスカイプは600万人。
そんなAOLがスカイプインにあたる電話番号取得サービスAIM Phonelineを、利用者に無料で提供し始めたわけですからインパクトは大きいです。
しかもこの電話番号取得サービスは、ボイスメールも無料でセット。
つまり、スカイプが、スカイプアウトと並ぶメインの収益源にしているスカイプインとボイスメールという有料サービスを無料で提供してしまうわけです。
(以前、スカイプカンファレンスで講演させていただいたときには、Googleが無料でやるんじゃないかと予想してたんですが、残念ながら外れですね。まぁでもGoogleもAOLに10億ドル投資して、Google TalkとAIMの相互乗り入れもあるのではという話なので当たらずとも遠からずということで。)
スカイプインもボイスメールも無料というとすごい話に思えますが、実際にはスカイプインを一年契約しても支払いは5000円程度ですから、IMの利用者を一人獲得するのにかかる広告費を考えると、この規模の事業者にとっては実は安い経費なのかもしれません。
まぁ、こうなってくるとまさに体力勝負ですね。
スカイプもeBayがバックについていますから、当然黙っているわけも無く、今回の対抗策となったようです。
この戦いがどこまで飛び火するのかは良く分かりませんが、何しろAOLグループとeBayグループというトップクラスのネット企業の戦いですから、いよいよ電話サービスも、Hotmailやインスタントメッセンジャー同様、利用者獲得のための無料サービスという扱いになってくる可能性も十分ありそうな感じです。
そう考えると気になるのは、日本でこの手法を取ってくるのは一体誰かということでしょうか。
順当に考えるとソフトバンクグループのYahooメッセンジャーというところですが、どうなることか・・・