「成熟日本への進路」は、波頭亮さんが日本の将来について考察されている書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、成熟国家となった日本が、今後どのような方向を向いて進むべきなのかという問題提起がされています。
個人的には「今の日本は金融資産の三分の二以上を五十五歳以上の年配者が寡占しており、お金持ち=高齢者という構図になっている」というあたりや、日本の官僚機構の構造的な問題の指摘のあたりに、なんともやりきれない思いを感じてしまいましたが、選挙の際の表面的な議論だけでなく、日本の構造的な問題を見つめ直してみたい人には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■「自分は幸せだ」と思う人の比率が世界一のデンマーク(税金が所得の7割以上)
「自分で生活できない人を国が助けてあげる必要はない」と思う人の比率が世界一の日本。
■今の日本は金融資産の三分の二以上を五十五歳以上の年配者が寡占しており、お金持ち=高齢者という構図になっている
■増税によって恒常的な歳入が得られていれば、その収入を原資にして社会保障を手厚くすることもできたのに、歳入欠損を(本来、非定常的な歳入を得るための)国債の発行で賄って来たためにそのお金を恒常的支出である社会保障に使うことができず、景気対策的な項目にばかり当ててきた
カテゴリー: 読書メモ
日本人がコンピュータを作った!(遠藤諭)
「日本人がコンピュータを作った!」は、アスキーの遠藤諭さんが日本のコンピュータの歴史を支えた人々にされたインタビューをまとめた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
正直、私はこの本を読むまで、日本にこれだけ様々な形でコンピュータの歴史に貢献した人たちがいるとは全く知らなかったのですが、改めて日本が何故これだけ世界において存在感を持つ企業を多数持っているのか納得させられる本です。
国や産業全体としての優勝劣敗がある一方で、実は産業の進化の先頭を支えているのは一人の人間であるということを改めて考えさせられますので、今、ネット業界やソーシャルメディア業界の第一線で凌ぎを削っている若い起業家の方々や、経営陣の方も刺激を受ける点がある本だと思います。
【読書メモ】
■渡邊和也 マイコン技術を日本中に広めた立役者
■76年9月に秋葉原のラジオ会館内にBit-innというマイコンサービルームを開設
それまでの大メーカーは、NECの電話交換機や衛星通信のように高級なものをつくることに誇りを持っていた。そんなわけで「NECは秋葉原にオモチャがらみのものを作って、素人を一杯集めて何かやっている」といった声が聞こえてきたという。
■TK-80をやれた四つのポイント
・革新的な市場が登場してくるときは、関係者の8割の人が反対しているくらいのときが、それに携わる絶好のタイミングである。
・既成概念にとらわれてはいけない。とらわれていると新しいものにはつながらない。
・いつもユーザーを見てすぐに実現する。競合の動きばかり見ているのはダメである。
・世界で起こっている情報を10日以内に仕入れる。とくにインフォーマルな情報に価値がある。
できるポケット+ Evernote 活用編 (コグレマサト・いしたにまさき・堀正岳)
「できるポケット+ Evernote 活用編」は、タイトル通りEvernoteの活用についてまとめられている書籍です。
先日ブロガーイベントをお手伝いした関係もあって、インプレスさんから献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本は、同名の書籍の続編に当たる上位版ともいえる書籍ですが、コグレさん、いしたにさん、堀さんという、長くEvernoteを活用している三人ならではのテクニックが多数紹介されていますので、Evernoteの奥深い魅力をもっと知りたいという方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■名刺と一緒に写真を撮らせてもらい、顔と名前を覚える
■忘れるより先にメモを取る「ユビキタスキャプチャー」の習慣
「覚える」努力をせずともEvernoteがすべてを記憶していて、なにかが気になったときにはすぐに取り出せる状態が作れます。
■Google AnalyticsのレポートをEmailノートで蓄積し、分析する
・レポートメールの送付先をEmailノート用アドレスにする
・専用のタグを付けて整理しコメント等を適宜書き足す
「思考軸」をつくれ (出口治明)
「「思考軸」をつくれ」は、ライフネット生命の社長として有名な出口治明さんの書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
出口さんとはブロガーミーティングでご一緒させていただいたり、インタビューをしていただいたりと、何度かお話させていただいたことがあるのですが、非常に熱い思いをお持ちの経営者です。
この本ではそんな出口さんならではの思考法が紹介されていますので、若い人だけでなく大企業の中間管理職の立場にいるような方にも参考になる視点があると思います。
個人的には特に中国の躍進やアジアの時代に関するくだりが、先日の上海ツアーでうけた印象の影響もあり、非常に腹に落ちました。
【読書メモ】
■直感というのは、その計算のプロセスを自分でも意識できないほどのスピードで「脳をフル回転させて得たアウトプット」であり、言語化はできなくても、単に直情的に行動するのとはまったく違う性格のものなのです。
■絶対自由
死ぬまで何事にも縛られず何事にも囚われない生き方
■閉じられた共同体
共同体の内部で快適に暮らそうと思ったら、あらかじめそこにある価値観や常識を受け入れ、同化・適応するのがもっとも容易で確実な方法です。
たとえ多少の理不尽さを感じていようとも、周囲の人がそうしているのと同じように、自分も何食わぬ顔でそれに倣うのが賢明だ身の処し方だ、誰しもがそう思っています。
グローバル・イノベーション (藤井清孝)
「グローバル・イノベーション」は、SAPやルイ・ヴィトンなど、名だたるグローバル企業の日本法人トップを歴任していることでも有名な藤井清孝さんの書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、さまざまなグローバル企業の日本法人トップを経験している藤井清孝さんならではの視点で、日本の課題や、日本ならではの可能性が分析されています。
個人的にも先日のコカ・コーラさんの上海ツアーで似たような問題意識を感じ始めていたところでしたので、この本は非常にタイミングよい本でした。
日本の将来に不安を感じながらも、日本ならではの可能性を信じている方には、刺激になる点が多々ある本だと思います。
【読書メモ】
■日本は世界でも珍しい「秩序を壊さない自己変革」をお家芸とする国である。
■構造変革を起こすための、三つのイノベーションの必要性
・ビジネスモデル・イノベーション
・ガバナンス・イノベーション
・リーダーシップ・イノベーション
■昨今のグローバル企業の日本子会社は、アジア地域の一国の組織に格下げされ、日本法人社長も、その多くがシンガポールにいるアジア地域本部のトップにレポートしている。(中略)
結果として、日本法人社長には、良くて「営業部長」、へたをすると日本の「大家さん」のような役割しか期待されなくなっている。
知的生産ワークアウト (奥野宣之)
「知的生産ワークアウト」は、「情報は1冊のノートにまとめなさい」の著者としてもしられる奥野宣之さんの書籍です。
出版社から献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、奥野宣之さんならではの視点で、知的生産に対する姿勢やポイントがまとめられていますので、自分の普段の仕事の仕方を見直したいと言う方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■「起き抜け」という特別な時間には、新聞を無理に能動的に読もうとするより、全面的に信頼している「感化されてもいい本」を受動的に読む方がいいのです。
■ビジネスパーソンには行きつけの古本屋が必要だ
・あまりお金をかけず、いろんな本に触れられる
・昔の本に触れられる
■本屋ごもり
頭にきっかけとしての刺激を与えて、レスポンスとしての発想を引き出す方法
手頃な大きさの書店に行って、すべての店の隅から隅まで目を通す。