メディアコンバージェンス2007は、NTTグループの情報通信総合研究所が編集したICT産業に関するデータやグラフ満載の書籍です。
ネットワークによって全てがつながることにより、産業構造に大きな変化が生じるというのはよく言葉では言われる話ですが、この本ではその変化を具体的なデータを並べて詳細に解説してくれます。
個人的には、日米広告費の構成比のくだりは非常に参考になりました。
米国のインターネット広告費は日本よりはるかに大きいイメージがあったのですが、比率にすると実は日本より少ないんですね。
やはり、こういう具体的な情報というのは、データを見ずに感覚で眺めていると間違えるというのを痛感させられます。
カテゴリー: 読書メモ
ユーザー中心ウェブサイト戦略 (株式会社ビービット)
ユーザー中心ウェブサイト戦略は、ユーザビリティテストを活用したウェブサイト構築で有名なビービットの武井さんと遠藤さんが書いた書籍です。
以前PRボードのイベントで頂きました。
実は私は今の会社で働き始めた頃に遠藤さんとお会いする機会があり、話を聞いて感動してユーザビリティテストをお願いしようとしたのですが、予算が取れずに断念したことがあります。
机上の仮説でウェブサイトを構築するのではなく、実際の利用者の行動を確認しながらサイトを構築していくというのは、実は当然のように思えて実際にはなかなか難しいのが現状だと思いますが、まさに百聞は一見に如かず。
目の前でユーザーの迷いを見せられるほどわかりやすいことはありません。
ちなみに個人的にユーザビリティテストのデモを見たときに印象に残っているのは、人がウェブサイトでほとんど文章を読んでいないこと。
社内ブログ革命 (シックス・アパート株式会社)
社内ブログ革命は、ブログ・オン・ビジネスとブログ・オン・マーケティングに続くシックス・アパート株式会社編集のブログ本第三弾です。
前の二つがどちらかというと社外向けにマーケティングや企業宣伝用にブログを活用するための内容が中心でしたが、今回はタイトルから分かるようにイントラブログとしてのブログ活用について。
個人的には、日本企業にはこの使い方の方が向いているのではないかと思ったりします。
IBMやMicrosoftのような海外の企業では数千人の社員が、社外向けにブログを書いていたりするケースもあるようですが、やはり日本ではなかなか難しい気がします。
実際、IBMやMicrosoftの日本法人では、全くと言って良いほど公認ブロガーの話を聞きませんし、日本企業ではさらに稀でしょう。
こんな僕でも社長になれた (家入 一真)
paperboy&coの家入社長が書いた「こんな僕でも社長になれた」をいただきました。
実は、paperboy&coは個人的にも以前から注目していた会社。
今でこそブログはMovable Typeを使っていますが、実はJUGEMがccドメインだった頃からのユーザー。その後ロリポに移ってロリポブログを使ったりと、paperboy&coにはいろいろお世話になってます。
最近は、すっかり自分の執筆活動が遅れてて、いただいた献本が机に山積みになっていたりするんですが(送っていただいた皆さんごめんなさい)、どうしてもこの本だけは気になったので、ONEDARI BOYSで献本の話を聞いたときに飛びつかせてもらいました。
なお、この本をよくあるIT社長のサクセスストーリー本だと思っているなら、実は大間違いです。
テレビCM崩壊 (Joseph Jaffe)
テレビCM崩壊は、Ad Innovatorの織田さんが監修した書籍です。
ブログでもいろいろ話題になっているので今更ですが、遅ればせながらネット広告の未来が気になってきたので読んでみました。
テレビCM崩壊の原題は「Life After the 30-Second Spot」30秒広告の後の世界という感じでしょうか。
米国における具体的な事例と共に、著者のテレビ業界・広告業界に対する刺激的な指摘が印象に残る本です。
テレビCM崩壊というタイトルも非常にインパクトが強いですが、書籍ではテレビCM崩壊後の広告のバリエーションについて幅広く紹介されています。
邦書も既に5刷を超えるベストセラーになっているようで、織田さんもインタビューにセミナーにとそこら中で大活躍です。
米国に比べると日本ではまだまだテレビ広告が強いので、一部上場企業がテレビからネットに広告の中心をシフトするという事例は出てきていないように思いますが、アメリカの事例が日本にも展開される日が来るのか気になるところです。
Release2.0 未来地球からのメール (エスター・ダイソン)
未来地球からのメールは、PC Forum等で有名なエスター・ダイソンの書籍です。
「PC Forum」、30年の歴史に幕というニュースがあったこともあり、あらためて読んでみました。
この未来地球からのメール、原題はRelease2.0。
今のWeb2.0にはじまる2.0ブーム(?)に疲れた人からすると、またかよと思うタイトルかもしれませんが、この書籍が出版されたのは実は1998年。
もはやインターネットの世界では古典の部類に属する書籍です。
いまさらながらに1998年の本を読んでも、大筋の部分で実はそれほど大きなブレがないのには、あらためて感銘を受けます。
特に個人的に印象に残ったのは「人々がインターネット上の機密性に関してより安心感を抱くようになるにつれ、自分の発言が記録され、再生されることにも慣れてくる」というくだり。
「30年前、海辺以外で女性がおヘソを露出するのは、とんでもないことだった。」という例を出していたのには笑ってしまいましたが、冷静に考えると確かにそうです。