「独自性の発見」は、「マーケティング22の法則」や「リ・ポジショニング戦略 」の著者でもあるジャック・トラウト氏が差別化について考察している書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本の原題は「Differentiate or Die」、直訳するなら「差別化か死か」とでもいうところでしょうか。
この本では、商品やサービスをコモディティ化するのではなく、いかに差別化すべきかという点を深く考察されていますので、差別化の基本を学ぶための教科書的な本と言えると思います。
先日ご紹介した「経験経済」もあわせて読むのをオススメします。
【読書メモ】
■「選択肢がありすぎて、おまけにすぐに何でも手に入れて楽しむことができるので、子どもたちは---おとなもですが---いつまでも幼児のままです。」
■差別化の程度、あるいは消費者にとっての意味
・コモディティ
・場所取り商品
・ブランド
・人物のブランド化
■マーケティング担当者がブランド力を構築するよりも希薄化する方向で動いている
・販促プログラムに頼りすぎている
・マーケティング担当者は広告会社の困った本能を抑えることができない
・チャネル変更の呪い
・クリオ賞の呪い
・経営コンサルタントは山ほどいるが、この問題に正しく切り込む者はめったにいない。
投稿者: 徳力 基彦
ミニコミ2.0 (KAI-YOU編)
「ミニコミ2.0」は、ミニコミ誌周辺の論客のインタビューや議論をまとめた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、様々なメディア関係者のメディアの未来についての視点がまとめられていますので、ミニコミだけでなく、メディアの未来を考えている方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■僕らミニコミ誌の最大のアドバンテージが取り次ぎを通していない、直販にある(宇野常寛)
■雑誌って圧倒的に編集長ものなんです。
ミニコミ誌の場合、友達と一緒に作るからどうしても合議制を取らざるを得ない。(速水健朗)
■あるものが潤沢化したときにはサブセットで、その隣接領域に新しい希少が持ち上がってくる(クレイトン・クリステンセン)(小林弘人)
「経験経済(B・J パイン、J・H・ギルモア)」は、今だからこそ日本企業が考えるべきポイントを教えてくれる本だと思います。
「経験経済」は、現在の企業間競争の本質の変化について考察した書籍です。
昨年読んでいたのですが、先日海外の方との打合せに出てきて刺激を受けたのもあり、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、コモディティ、製品、サービス、そして経験へと、企業の差別化のポイントが時代とともにシフトしている点に焦点を当てています。
私が読んだのは2000年に出された書籍が、2005年に再出版されたものになりますが、今読んでも古く感じることはなく、ソーシャルメディアが話題になっている今こそ、あらためて注目しなければならない書籍のように感じます。
実際問題として現在の企業間競争においては、製品の機能はもちろん、サービスのレベルでも差別化が難しくなっているのが明らかな現状でしょう。
そんな中、ディズニーランドやアップルのように、一見競合他社と同じ事業を行っているようで、利用者側からは全く違う企業として受け止められる、そんな経験を提供できる企業になれるかどうかが、明らかに選ばれる企業になるための条件になってきています。
多くの日本企業は、どうしても高度経済成長期の成功体験から、価格競争や製品やサービスの機能競争に陥りがちな印象がありますが、中国や韓国など人件費の安い国の企業の台頭が目立つ中、もはやそのレベルでの競争に限界があるのは明白。
そう言う意味で、日本企業が目指すべきは、この「経験」そしてその上にある「変革」レベルの戦いになるはず。
今回の震災をきっかけに、世界に対して新たに「日本」というブランドをどのように位置づけていくかという話とセットで、今こそ改めて考え直すべきポイントのように思います。
【読書メモ】
■コモディティ化。この言葉が自社の製品やサービスに使われて喜ぶ企業はない。
■コモディティから製品、サービス、そして経験へと進化するのが経済価値の本質なのである。
■インターネットは、製品もサービスもコモディティ化する強力なパワーを持っている。昔ながらの商売に見られる人と人の関わりという要素の多くを取り除いてしまうからだ。
■経験ステージャー
製品やサービスそのものではなく、それをベースに顧客の心のなかに作られる感覚的にあざやかな経験を提供する。
これまでの経済価値はすべて買い手の外部に存在しているが、経験は本質的に個人に属している。
続きを読む 「経験経済(B・J パイン、J・H・ギルモア)」は、今だからこそ日本企業が考えるべきポイントを教えてくれる本だと思います。
経営戦略パーフェクトセオリー (手塚貞治)
「経営戦略パーフェクトセオリー」は、日本総合研究所の手塚貞治さんが出された経営戦略をまとめた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、著名な経営戦略の大家の戦略論を6つのグループに分けて、特徴やメリットデメリットを考察されていますので、経営戦略について1度引いた視点から考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■戦略論者は「戦略」をどう一言で説明しているか
「長期の基本目標を定めたうえで、その目標を実現するために行動を起こしたり、経営資源を配分したりすること」(チャンドラー、1962)
「自社の相対的な企業力を用いて顧客のニーズをより満足させ、競合相手との差を最大化すべく努めること」(大前研一、1982)
「無数の行動と意志決定の中に見いだされるパターン」(ミンツバーグ他、1985)
「組織の発展プロセスを指導する新しい意志決定ルールとガイドライン」(アンゾフ、1988)
「企業が複数の市場における活動を組み立て調整することによって、価値を創造する方法」(コリス=モンゴメリー、1998)
「企業が考えた競争に成功するためのセオリー」(バーニー、2002)
1日10分からのソーシャルネット入門 (内藤みか)
「1日10分からのソーシャルネット入門」は、「Twitter小説集」も手がけられた内藤みかさんが出された書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、内藤みかさんならではの視点で、各種ソーシャルメディアの使い方や位置づけが紹介されていますので、ソーシャルメディア初心者の方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■ソーシャルネットワークの書き込みには3つの種類がある
・多くの人が反応する書き込み。ニュース性、速報性のあるもの。
・多くの人が反応しない書き込み。個人的なもの。
・たとえ多くの人が反応してくれなくてもどうしても人に知らせたい書き込み
広告の未来を語るための7つのキーワード を日経ビジネスオンラインに投稿しました。
日経ビジネスオンラインで連載を行っているコラム「企業と顧客を結ぶソーシャルメディア」に新しいコラムを書きました。
今回は、先日参加してきたiMediaブランドサミットから、基調講演の内容をご紹介してみました。
不明点や不足点等ありましたら、記事の方でもこちらのブログでも遠慮無くご指摘下さい。
■広告の未来を語るための7つのキーワード
「デジタル時代における、新しいマーケティングとは?マーケティングパートナーに求められる資質とは?
次世代のマーケティングのあるべき姿について、200人近い参加者が3日間にわたり議論を交わすイベント「iMEDIAブランドサミット」に参加してきました。
マーケティングに携わる各業界のキーマンが一同に介するグローバルイベントで、今回の沖縄が日本初開催となります。」
※このコラムでは、カンバセーショナルマーケティングの講演資料でまとめている話の掘り下げだとか、実際にソーシャルメディアを活用したマーケティングの事例を分析する形で書いていければと思っています。