火曜日の「日本のウェブは遅れているのではなく、急速に進みすぎたのではないかという仮説」には、久しぶりに多くの皆さんに、メールやブックマーク、コメント等、いろんなリアクションを頂きました。
ありがとうございました。
最近の私のブログは読書メモばかりを投稿しているのもあり、記事に対するリアクションをもらえる喜びをすっかり忘れていましたが、久しぶりにいろいろと脳みそを揺さぶられる一日でした。
(本題と関係ないですが、七つの大罪のイメージ)
普段、私のブログはそんなに大勢の方が来られるブログではないのですが、それが一本の記事がピックアップされて多くの人に見てもらえ、反応をもらえるというのが、やはり、はてなブックマークのようなミドルメディアの価値だなーと再確認しましたし、様々なブログでの議論の伝播といい、今回の「日本のウェブは残念」論争で、改めて日本におけるバーチャル・アテネの学堂の可能性みたいなものを垣間見たような気がします。
私自身、2006年頃からAMNというブログをプラットフォームにしたビジネスをする会社に移り、日本のネットやブログをもっと面白くすべき立場の仕事をしているわけですが、今回の議論で、過去にやろうと思っていたことを全然やれていないことを改めて痛感しています。
ちょっと物議をかもしそうな気もしますが、自分がやろうとしていたことを忘れないように、日本のウェブにバーチャル・アテネの学堂的な場所を作るために、私たちが貢献できるのではないかと思っていることを書き出してみます。
カテゴリー: ネットコミュニケーションの視点
日本のウェブは遅れているのではなく、急速に進みすぎたのではないかという仮説
ITmediaの岡田さんによる梅田さんのインタビューに端を発した、「日本のWebは残念」論争ですが、梅田さんの人物考察が一段落するのに併行して、いろいろと日本のウェブの特徴についての考察が始まっているようです。
せっかくの機会なので自分の考えも、まとめておきたいと思います。
(海部さんのエントリに刺激を受けて、アテネの学堂のイメージ)
今回の議論に目を通していて、個人的に気になったのは下記のあたり。
・nobilog2: Web日本語文化圏、私なりの考察
・梅田氏と「アテネの学堂」 – Tech Mom from Silicon Valley
・日本のネットが「残念」なのは、ハイブロウな人たちの頑張りが足りないからかも知れない(追記あり):小鳥ピヨピヨ
・無名が主役になれる日本は世界のパラダイス(たとえばラーメン) – [ f ]ふらっとどらいぶログ
いずれも米国のネットに対して、日本のネットが梅田さんに残念と評されるようになった背景等を考察していて興味深いです。
私自身、アルファブロガー投票企画とかをやっていたように、海部さんがいうところのバーチャル・アテネの学堂的な、梅田さんやいちるさんがいうところのハイブロウな人たち(定義を良く理解してないので、あまりこの言葉は使いたくないのですが)による日本のネットが広がることを期待していた人間です。
ただ、最近いろんな議論を、メディアの方やウェブサービス系の方々とする過程で、個人的に生まれてきている仮説が、タイトルに書いた「日本のネットは遅れているのではなく、急速に進みすぎたのではないか」という話です。
そのポイントは、下記の3つ。
■1.日本はやっぱりブログ(日記)を書いている人が明らかに多い?
■2.芸能人によるネット活用は、日本の方が進んでいる?
■3.英語圏も、衆愚化が進み始めているらしい?
梅田さんのインタビューを読んで思う、日本のネットの探すべき道
何だか、Twitterとかそこら中で「残念」とかが盛り上がっていたのを、何事かなと横目で見ていたのですが、梅田さんのインタビューだったんですね。
・日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編)
・Web、はてな、将棋への思い 梅田望夫さんに聞く(後編)
ITmediaの名物インタビューといえば、当然聞き手は岡田有花さん。
久しぶりに岡田有花さんらしい力作ですね。
個人的には、梅田さんも岡田さんも、自分がブログやネットコミュニティにどっぷりつかるきっかけをくれた人なので、なんだかインタビューを読みながら懐かしい気分に浸ってしまいました。
私が、梅田さんのブログに影響され、岡田さんのインタビュー記事に影響されて、ブログをはじめたり、イベントに参加したりし始めたのが、2004年の春頃ですから、もうあれから5年も経つんですよね。
2004~2005年頃は、梅田さんが問題提起したPC世代、ネット世代論とか、ブログ論とか、私自身、梅田さんの発言に日々刺激を受けながら、必死に議論について行こうとしていたことを良く覚えていますし。
岡田さんが手がけたまだGREEが会社になる前の田中さんの2004年7月のインタビュー記事や、百式の田口さんのインタビュー記事は、僕にとって未だにバイブル的な記事だったりします。
そんな二人の長文インタビュー記事ということで、この記事には自分の振り替えりのためにも言及しておいた方が良い気がするので、ブログ上の議論には周回遅れながら、個人的な感想をメモしておきたいと思います。
インタビューの詳細はITmediaの記事を読んで頂くとして。
今回、このインタビューを読んで改めて感じたのは、日米インターネットの根本的な違い。
今回のインタビューは、全体を通して梅田さんと岡田さんの対立姿勢が見て取れて面白いわけですが。
その背景には梅田さんと岡田さんの、根本的な立ち位置の違いがあるように思います。
梅田さんはもともと、「ウェブ進化論」に代表されるように、米国にいながらグーグルを中心としたシリコンバレー文化を、日本人の視点から日本に伝えていた人。
一方で岡田さんは、「ネットで人生、変わりましたか?」にまとめられているように、日本にいながら日本の代表的なネットベンチャーの経営者やキーマンの活躍や成長を伝えていた人。
私からすると、二人とも自分に大きな影響を与えてくれたネットコミュニティの大先輩であることは変わらないのですが、このスタンスの違いは読む人の期待に対して、大きな違いを生むんですよね。
シルクドソレイユが教えてくれる、本当に全てが一流ということの意味
先日書いたUNIQLO MEETS CORTEOの記事ですが、ユニクロの話ばかり書いてしまったので、肝心のコルテオとシルクドソレイユ(シルク・ドゥ・ソレイユとちゃんと書くのが面倒になったので日本語読みでご容赦を)についても触れておきたいと思います。
ドラリオンの時にもブルー・オーシャン戦略の話を書きましたが、シルクドソレイユというのは、コマーシャルなどで見るといわゆるサーカスと同じように見えてしまうのに、実際に見ると全く違う印象を受ける非常に新しいパフォーマンス。
こればっかりは実際に見て頂かないと、感動やすごさが伝わらないと思うので、無理に文字で説明するのは避けたいと思いますが、パフォーマーの一人一人が、元オリンピックのメダリストであったり、その道のトッププレイヤーという逸話だけでも、普通のサーカスとは趣が違うのが伝わるのではないかと思います。
今回のコルテオでは、ドラリオンに続いて二回目の鑑賞ということで、比較的冷静に鑑賞することができたのですが、今回改めて感動したのが、そのシルクドソレイユを作り上げている人たちの一流ぶりの徹底さ。
今のやつが最後の大技かな?と思うような大技の後に、さらにそれに一工夫、二工夫加えた大技が飛び出してくる1つ1つの演目のすごさというのは言うまでもないのですが。
今回、特に印象に残ったのは、いわゆるシルクドソレイユらしさを表現している典型的なアスリートたち「以外」のパフォーマーたち。
UNIQLO MEETS CORTEOで体験した、企業とファンが共に作るコンテンツの価値
先月2月17日に、原宿新ビッグトップで開催された「UNIQLO MEETS CORTEO」のイベント「THE COLOR SHOW TOKYO」にご招待頂きました。
完全に周回遅れのレポートになってしまいますが、感想を書いておきたいと思います。
(プレス受付の写真利用の契約書に、2月17日なのに間違えて3月17日と書いてしまい、写真を使うに使えなくなってしまっていたというのは言い訳です。)
UNIQLO MEETS CORTEOというのは、ユニクロがシルク・ドゥ・ソレイユとコラボレーションすることで実現した、オンライン上のコンテンツ。
「UNIQLOCK」をはじめ、「UNIQLO JUMP」や「UNIQLO TODAY」など、Webを活用した様々なキャンペーンに挑戦しているユニクロの新しいチャレンジの一つです。
個人的にも、「「UNIQLOCK」がロングヒットを続ける理由とは」というコラムを書いているようにユニクロさんのキャンペーンに非常に興味がありますし、以前にシルク・ドゥ・ソレイユのドラリオンを見させて頂いてすっかり虜になった人間なので、この二つのコラボというのは非常に印象深いものがあります。
当日の雰囲気や、コルテオの演目の写真については、既に多くのブログで書かれているので、下手っぴな私の写真よりも、そちらを是非ご覧いただければと思いますが。
個人的に非常に印象に残ったのは、なんといっても当日の会場の一体感。
メディアの恣意的な取材に対する最大の防御策は、自分のブログを持つと言うこと?
「日本人がiPhone嫌いな理由」米誌報道に日本人有識者が訂正要求 : Gizmodo Japanを読んで。
完全に二週ぐらい周回遅れのニュースですが、今日日経メディアラボさんにお邪魔してマスメディアとブログの関係について議論したこともあり、思い出してしまったのでメモを兼ねてご紹介しておきたいと思います。
ざっくり話をまとめてしまうと、2月末にWiredのブログで書かれた記事で、林さんと平田さんの昔の記事のコメントが改ざんして引用され、それに対して二人が反論し、最終的にWiredが炎上したという話。
まぁ、こうやって書くと、よくあるメディアの取材がらみの話なわけですが。
今回は日本から英語のメディアに反論しているというのが実に印象的な出来事です。
詳細は、こちらの林さんの振返り記事をご覧いただければと思いますが、簡単に流れをご紹介すると。
2/26 まずWiredのブログで記事が書かれ
・Why the Japanese Hate the iPhone | Gadget Lab from Wired.com
(yebo blogさんによる翻訳記事はこちら)
2/27 その後Twitter等で状況を把握した林さんが自身の英語ブログで反論
・nobilog returns: My view of how iPhone is doing in Japan by Nobi
2/28 平田さんも反論のために特別に英語ページを作成して反論
・About "Why the Japanese Hate the iPhone." : Daiji Hirata
併行してこれらの反論を受けてApple Insider等でも騒動についての総括記事が掲載
・AppleInsider | Japanese "hate" for iPhone all a big mistake
そんなこんなでWiredは上記の記事に見られるように異例の謝罪コメントを追記する羽目になり、その謝罪自体がGizmodo等で取り上げられてさらに認知が広がるという流れのようです。