最近ちょっと、はまっていることがあります。
正確に言うと、特にアクティブに「はまっている」というわけではないのですが、はや100日以上習慣として続けていること。
それが、ニンテンドーDSの万歩計ソフト「生活リズムDS」です。
ニンテンドーDSのソフトというと端末で遊ぶゲームを連想される方は多いと思いますが、このソフトが特徴的なのは、端末だけでできるというのが、正直全くないところ。
同梱されている万歩計を使って歩いて、初めていろんな機能が使えるようになる仕組みで、買ったばかりの段階ではほとんど何もできないという、実に不思議なソフトです。
で、付属の万歩計も、特に表示画面があるわけでもなく、赤と緑のランプがつくだけのあまりにシンプルすぎる構造。
要はただの万歩計と、その結果を表示するだけのソフトウェアの組み合わせな訳です。
ただし、もちろんそこは任天堂。
ただの万歩計ソフトではなくWii SportsやWii Fit同様の工夫が満載。
まず特徴的なのが、分単位で刻まれる歩数グラフ。
自分が何時ぐらいにどれぐらい歩いたのかというのが可視化され、一日をなんとなく振り返れてしまいます。
カテゴリー: ネットコミュニケーションの視点
クチコミと広告の境界が問題なのではなく、利用者を騙そうとしているかどうかが問題だと思う
先月、いろいろとあまりに長文のエントリーを書いて、すっかりヒンシュクをかってしまった、マーケティングの倫理とか境界線についての議論ですが。
正直、もう飽きた人も多いと思うので、書くのをやめようかと思っていたところ、CNETさんでお題を出されてしまっているのを見つけてしまい、引くに引けなくなってしまったので、ちょっと個人的な考えを書いておきたいと思います。
・口コミと広告の差はどこにある?:CNET Japan オンラインパネルディスカッション
まず、このお題の元となっている、WOMマーケティング協議会設立準備会(以下WOMJ)でも研究会の参加前のアンケートとして実施していた「クチコミと広告の境界線はどこにあると思いますか?」という質問についてですが。
実は個人的には、この質問の正解を考えること自体には、あまり意味がないと思っています。
以前「ペイパーポストかどうかが問題ではなく、読者にどう受け止められるかが問題だと思う」というエントリーで書いたように。
クチコミマーケティングだろうが、広告だろうが、PRだろうが、最終的には利用者がどう受け止めるかが問題であって、元々の手法が何かというのは関係ないと思っているからで。
どちらかというと、今回の問題設定をきっかけに、そういう根本の議論を参加者の皆さんとしたかった、というのが正直なところです。
過去のエントリーでも、何度か下記のマーケティング手法の分類の図を紹介していますが
個人的には、全ての手法は、企業が何らかの仕掛けで発生させようとしている限り、企業の「宣伝行為」であり、広い意味での「広告」と見なされる行為だと思っています。
金銭的対価が発生する記事広告はもともと広告ですが、サンプル配布やモニターにしても書き手にメリットを提供しているという意味で、「バーター広告」とでも呼ぶべき状況にあると考えていますし、「イベント」にしても参加者が企業から厚遇されていると読者に思われれば、その記事は企業の「広告」と捉えられることはありえます。
ある意味「紹介」と分類している部分についても、例えばある企業が取引先に勤めているブロガーに「書いてくれ」と暗に圧力をかけたとしたら、その事実が発覚したときに、その記事は実は提灯記事だったということが判明することになるわけで。
広い意味で読者にとっては「広告」だったと言われることになりえます。
まぁ、さすがに紹介レベルでそこまで言い出すと、あまりに細かすぎる気がするので、あえて表でカバーしたリスクのある範囲としては外していますが、海外のブログで良く書かれているように、via ○○という記載で情報を知ったルートを紹介するというのも、一つの情報開示としては重要なのではないかと思ったりもします。
いずれにしても、企業側がクチコミと意識して実施している手法であっても、利用者に企業の宣伝として実施していると受け取られてしまったら、結局それは宣伝であり、広告なんだと感じています。
ACフォーラムのスタッフをさせて頂くことになりました。
来月、3月14日の土曜日に開催されるACフォーラムのスタッフをさせて頂くことになりました。
ACフォーラムというのはAll Communicators’ Forumの略で、広告宣伝、販促、広報、マーケティング等、コミュニケーションに携わる人たちを対象に2005年から年1回のペースで開催されているイベント。
今年は、日経トレンディ編集長の渡辺 敦美さんや、「オバマ現象のカラクリ」を書かれたフライシュマンヒラード・ジャパンの田中 愼一さんが講師をされるなど、「現状打破のマーケティング」を軸に、幅広いテーマの講演が予定されています。
土曜日丸一日の勉強会という感じなので、参加するには覚悟がいりますが、興味がある方は是非参加してみて下さい。2月中に申し込めば参加費の割引があるそうです。
ちなみに、一見、どこかの会社が運営をしていそうな大規模なイベントなんですが、実はこれ「メデコミ会」を主催しているビーンスターの鶴野さんや、ブルーカレント・ジャパンの本田さんなど、有志のメンバーによる運営なんです。
スタッフの一人でもあるNECの水野さんと、グロービスで同級生だったのがそもそものご縁だったりするのですが、そんなこんなで、このたびスタッフとしてお誘い頂きました。
実は、これまでも参加したかったのになかなか日程が合わずに参加できなかったという歴史があり、スタッフになれば家族の手前も参加しやすいというのが実際のところだったりします。
ので、今回に限っては一応スタッフではあるのですが、開催2週間前と言うこともありたいしてお手伝いもできそうにないので、自腹参加です。
当日、参加される方は、是非よろしくお願いします。
私が考える、お金をもらった「クチコミ」と、製品をもらった「クチコミ」の境界線
先日の複数の連載で、個人的なペイパーポストに対するスタンスを書かせて頂きましたが、ではそれ以外のサンプルマーケティングとかモニターとかイベントとかの手法はどうなんだ?という議論も当然あると思うので、それについての個人的な境界線の話をついでに書いておきたいと思います。
なお、先日「ペイパーポストかどうかが問題ではなく、読者にどう受け止められるかが問題だと思う」という記事で紹介した図をアップデートしてみたので、あわせて振返ってみると。
まず、ざっくりとブログを活用するマーケティングを分類するとこちら。
WOMJのメーリングリストの議論も踏まえて、先日の表に対して、記事執筆へのインセンティブがあるかどうかの分類を加えて見ました。(なお、WOMJ用の項目はさらに細分化されていますが、とりあえずブログ用は前回のものをベースにしています。)
で、これに対して、私自身が企業がマーケティングをする上でリスクがあるから避けた方が良いと考えているのがこちら。
要はステルスマーケティングと捉えられてしまうと、無駄なトラブルや炎上を招くので、避けるべき、というのが基本的な境界線だと思っています。
ただ、話が難しくなってくるのが、手法によってはいわゆる単純なマーケティングの倫理的な話以外の境界線が必要になってくるという点です。
ブログ記事大賞にご協力頂いた皆さん、ありがとうございました。
先週末に、無事アルファブロガー・アワード2008 ブログ記事大賞の結果発表イベントをさせて頂きました。
参加頂いた皆さん、運営にご協力頂いた皆さん、ありがとうございました。
結果の詳細については、既にサイトの方に公開されていますので、そちらをご覧いただければと思いますが。
あらためて振返ると、今回は本当に難産企画でした。
以前にも書きましたが、実は記事単位の投票企画というのは、アルファブロガー・アワードの前身である「アルファブロガーを探せ」の第一回の際に試みた企画です。
その際には、ただでも無名企画だったと言うこともあり、ブログ単位での投稿と併行して実施したブログ記事単位での投票は、ほとんど数が集まらず、結果すら公開できなかったという苦い記憶があります。
そう言う意味では、今回も投票数が少ないのは最初から覚悟していたのですが、企画開始当初は想像以上に投票がばらつき、このまま結果発表ができないのではないかと焦りったのが正直なところ。
ただ、おかげさまで、最終的には4000を超える投票が集まり、幅広い記事が選ばれる結果になりました。
これも、アルファブロガー・アワード2008について、ブログやサイトで紹介して頂いた皆さんのおかげです。
ご協力頂いた皆さん、本当にありがとうございました。
投票企画という企画の形式上、どうしてもブログで投票を呼びかけた方に投票がしがちで、そうでない方の記事が埋もれ勝ちになってしまうという課題はあるのですが、そういう課題がある中でも今回選ばれた記事の中には、昨年話題になった出来事に関わった人々の本音が見える記事や、テレビでも話題になった記事など、興味深い記事が多く選ばれたと感じています。
特に個人的に今回の結果で印象に残ったのは、「わさお」という犬の記事。
正直、恥ずかしながら今回のアワードで知るまで全くその存在を知らなかったのですが、個人で運営されていたブログ上の旅行記で紹介された犬の記事が話題になり、その後テレビで取り上げられるようになった、というのは非常に印象的な話でした。
※Markezineでもインタビューが取り上げられていたようです。
テレビの人たちも、ネット上の話題をしっかりウォッチしているという証拠のような出来事ですよね。
それ以外の記事も、テレビで話題になっていた出来事の裏側を、その出来事の当事者の方々や関係者の方々が綴っていたりするようなものが多く。
やっぱり、ネットもリアルも、ブログもマスメディアも、境界線がどんどんあいまいになってきているんだなーと痛感させられる結果でした。
結局、出来事を話題にしている私たちが同じ日本人なのですから、当然と言えば当然の結果なのかもしれませんが。
あらためて、こうやって見るとなかなか興味深く感じています。
こういった状況を踏まえて来年の企画はどうするべきか、というのはまだ全く考えていないのですが。
今回のブログ記事大賞への課題とか、来年へのアドバイスとかご提案がありましたら、遠慮無くご連絡いただければ幸いです。
安易にペイパーポストには手を出しちゃダメだと思う 11の理由
さて、予想外に先週から継続されることになっている、ペイパーポスト関連の重い記事シリーズですが。
私が過去の記事で、できるだけ中立に記述しようとしていたために、私をペイパーポスト推進派と勘違いしている人もおられるようなので、ここで明確に私が、一ブロガーとして、いわゆる不特定多数を対象にしたペイパーポストは「ナシ」だと思っている理由を書いておきたいと思います。
長文で読みづらいという苦情も頂いているので(汗)、今回は箇条書きを試みてみます。
(でも、お察しの通り以下長文注意です)
【非開示ペイパーポストの場合】
まず、先日の「GoogleのPayPerPost騒動の議論に思うこと」にも書いたように、個人的にそもそもNGだと思っているのは、ブログの記事中で報酬の開示を義務づけていない非開示ペイパーポスト。
再掲になりますが、整理するとNGだと思う理由は以下の4つです。
■報酬の有無を隠すことは、やらせ記事ととらえられる
そもそも記事を書くこと自体に、金銭報酬があるのであれば雑誌やニュースサイトの記事広告同様、その記事がメディア側の興味からではなく、企業の報酬をきっかけに書いていることを開示する義務があるはずです。
企業からお金をもらっているにもかかわらず、それを隠して他の人に製品を推奨することは、極端に言うと企業から買収されているのに近く、読者から見るとあきらかにやらせ記事になってしまうと思います。
■利用者にやらせ行為を推奨することは、より深刻な問題である
記事広告を記事広告と明記するという倫理の問題は、実際には、一部の雑誌やニュースサイトではなし崩しになっているという話もあり、それと比較してマスメディアと同じという人がいます。(実際米国のPayPerPostの人も言っていました。)
ただ、上記の例は主体となるメディアが「企業」であり、自らの知識の元にリスクを取っているといえますが、ペイパーポストの場合は「不特定多数の個人」にやらせ行為を推奨するという意味で、単純な非開示の記事広告より、更に問題だと考えています。一部の事業者は「利用者に開示の判断を任せる」というポリシーを取っているようですが、個人的にはプロの企業が素人に責任を押しつけているように見えてしまいます。
(米国のFTCでも「プロダクトの口コミによるプロモーションを行い、口コミを行った人が口コミ料を報酬として受け取る方式の マーケティングを行う企業は、その旨を明らかにしなければならない」という意見書を発表しています。)
■企業側に炎上リスクがある
さらに、仮に上記の倫理上の問題がもし無視できたとしても、マーケティング上も炎上のリスクがあります。
企業が、ブロガーに金銭的報酬を支払い記事を書かせ、そのことを隠していた場合、当然利用者がそのことを良く思うわけはありません。
今回のGoogle Japanの騒動は、開示型のペイパーポストですし、Googleの自社ルールに抵触していたという話ではありますが、非開示のペイパーポストの利用が悪い形で判明した場合には、他の企業でも同様かもっと悪いトラブルになるケースも否定できません。
■書き手側にも炎上リスクがある
金銭的報酬があることを隠して、ブログに記事を書いた場合、炎上の対象になりうるのは企業だけではなく、ブログの書き手も同様です。
テレビのように電波というチャネルを持っている媒体であれば、あるある大辞典のようなやらせ騒動があっても、視聴者がそのチャンネルを二度と見なくなると言うことはほとんどありませんが、ブログの場合読者と書き手をつないでいるのは「信頼」だけです。その信頼を失ってしまったら読者を失う可能性は高いでしょう。
日本でも、NHKに取り上げられた 女子大生のブログが炎上したケースがありました。
上記のように、非開示ペイパーポストについては、そもそも倫理的にNGだし、マーケティング的にもリスクが大きすぎるのではないか、というのが私の考えです。