MTVイベントに見る映像の価値、リアルの価値

 木曜日に、AMNの関係でMTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPAN2008 略してVMAJ2008のキックオフパーティーに参加させて頂いてきました。
 VMAJとは何かというと、音楽チャンネルのMTVが年間のミュージック・ビデオの最優秀賞を決めるイベント。
 視聴者の投票によって最終的に受賞者が選ばれるのが一つの特徴で、今回のキックオフパーティーはそのノミネートや司会者の発表を行うプレイベントです。
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 ↑こんな感じのイベント前のステージが、イベントが始まるとこんな感じに超満員↓
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 実は私は、正直音楽自体よりもミュージック・ビデオが好きという人間で。
 昔からミュージック・ビデオのランキングを録画してバックミュージックというか背景動画的に流していたり、携帯電話で動画撮影できるようになったタイミングで、わざわざテレビから録画ができるケーブルを購入して、ミュージック・ビデオを携帯電話に取り込んで電車で聞いて(見て)いたりという変わったタイプです。
 
 そんな中、いつも感じているのが音楽と映像の組み合わせの価値。
 良い音楽って、それだけ耳から聞いていてももちろん良いんですけど、映像と組み合わさるとまた違う良さが出てくるんですよね。
 自分の場合には音楽を耳で聞いていると言うよりは視覚も含めて「観る」感覚で味わってしまうタイプなんだなーとつくづく思います。

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ブログパーツ作るなら、ブロガーに貼りたくなるかどうか聞いてみれば?

ブロガーが貼り付けたくなるコンテンツとは何か?『脳内会議レポート』 | IDEA*IDEAを読んで。
 昨日、脳内会議に参加してきましたので、感想をメモしておきたいと思います。
 今回のイベントは、NTTレゾナントが運営するgooがうそこメーカーさんとタイアップして企画した脳検メーカーをテーマにしたイベント。
 NTT出身者の自分が言うのも何ですが、組織として堅い印象のあるNTTグループが、脳内メーカーのうそこメーカーさんとタイアップしてキャンペーンを展開するというのも、なかなか驚き。
 ちょっと遅れてしまったので、前半の山場を見逃してしまったのですが、こういう個人の開発したサービスと大企業とのコラボレーション的組み合わせというのは、もっといろいろあっても良いのかなーと思わされたイベントでした。
 ちなみに、徳力 基彦をキーワードにした脳内検索メーカーの結果はこれ。

 なんだ、ジェンナーって・・・?

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一つのリサーチ結果をどう受け止めるかは、自分次第。

写真共有サイト、6割は「利用したくない」–マイボイスコムが調査:マーケティング – CNET Japanを読んで。
 先週末のニュースですが、CNETで、リサーチ会社が「写真共有サイト」に関する調査を実施したところ、利用したくないと答えた人が6割を超えていたという記事がありました。
 まぁ、このリサーチ内容自体には別にたいして興味はないのですが、この記事を見て思い出したのが、昔書いた「SNSを利用したくない人が8割という結果」という記事。
 2005年2月当時、mixiは利用者数30万人を突破し、ネット界隈では注目のサービスでしたが、まだまだ今のように一般に認知されていない状態。
 そんな中実施されたリサーチで、SNSを利用したくない人が8割という結果が出たわけですが、その後の経過は皆さんご存じのとおり。
 今やmixiの利用者数は1300万人を突破しており、勢いはさすがに落ちているとはいえ、おそらく上記のネットリサーチに回答するような人たちはほとんどの人が知っているサービスになったと思われます。
 
 当時、私は利用したくない人が8割という記事を見て、「当面のSNSの普及の天井と言うのは低いところにあるのかもしれない」と思ってしまったわけですが、実際にはmixiの加入者数増の勢いはその後たいして衰えずに今に至っているわけで。
 当時の私が記事から受けた印象は間違っていたことになります。
 きっと、今回の写真共有サイトのリサーチの話も同じことが言えるのかもしれないなーと思います。
 (もちろん、リサーチの実施の仕方とか、質問の仕方でそもそもリサーチ結果自体も相当ぶれるのが現実だとは思いますが)
 
 
 マーケティングを学ぶときに良くでる逸話で。
 靴屋が誰も靴を履いていない国に行ったときに
 「誰も靴を履いてないから、靴が売れるわけない」 と思うか
 「誰も靴を履いてないのだから、靴を売り放題だ!」 と思うか という話がありますが。
 リサーチ結果を、額面通り受け取ってはいけないのだなーというのを改めて感じてしまいました。
 なんだか当たり前のつまらない話で恐縮ですが、自分の戒めのメモとして。

私たちは、インターネットに恩返しをする責任があるということ。

 「突き抜けろ!限界論 OBIIミーティング」を開催しますを読んで。
 今日開催されるOBIIのイベントでパネラーをさせていただくことになったのですが、おそらくメンツ的にそんなに話す時間はないと思うので、個人的な思いをブログに書いておこうと思います。
(本当は前回の記事のすぐ後に書く予定だったのが、ノロウィルスあけでインフルエンザにかかってしまい、ダメダメな12月を過ごしてしまったというのが実際のところですが)
 先日のRTCカンファレンスでパネラーをさせていただいた時にも、ちょろっと話しましたが、私が今の仕事に携わるようになった上で、忘れられない言葉があります。
「私たちはインターネットからたくさんの物を得ているんだから、
 インターネットに何かを還元する責任があると思うんですよ。」
 日本技芸の御手洗さんに言われた言葉です。
 RTCカンファレンスでもつい喋ってしまって、kwmrさんにもブログに書かれてしまったし、もう時効だと思われるのでこのブログにも書いてしまいますが、その言葉を言われた当時、私はAMNに入ることを断り続けていました。
 5年近く務めているアリエルに対して強い恩義を感じているのもありましたし。
 自分がAMNで何ができるのか自信がないというのもありました。
 もっと適任な人がほかにいると思っていましたし。
 とにかく自分以外にいい人を見つけてくれればと思っていました。
 
 ただ、御手洗さんにその言葉を言われる前後の議論で身にしみたのが。
 実は、私はそういったことを言い訳にして、単に逃げていただけだったのではないかということ。

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私がアルファブロガー投票企画を継続することにした理由

alphabloggers_logo.png 運営委員会に聞く「アルファブロガー・アワード」が目指すものとはを読んで。
 アルファブロガー・アワードについてBroadBand Watchの甲斐さんにインタビューして頂きました。
 とりとめのない話を、非常に分かりやすくまとめていただいていますので、詳細は上記記事をご覧頂ければと思いますが。 
 よく考えると、こちらのブログでアルファブロガー・アワードの告知を全くできていなかったので、記事の補足をかねて、今回なぜアルファブロガー投票企画を継続することにしたのかを、まとめておきたいと思います。
 記事の中でもはっきり書かれていますが、実は個人的にはアルファブロガー投票企画は昨年を最後に終わろうと思っていました。
 正確に言うと、2年目以降は毎年やるかどうか悩みながら、何となく継続してしまったというのが正直なところなのですが、昨年のアルファブロガー投票企画発表時にトップ40というランキング形式にしたのは、はっきりと投票企画の終了を意識してのものでした。
 やめようと思った理由は簡単で。
 アルファブロガー投票企画自体の存在意義がもう無いと感じていたからです。
 私がアルファブロガーを探せの第一回を企画した2003年12月の頃には、まだ日本で影響力の強いブログというとどこかというのはよく分からない状況だったように記憶しています。
 あれから4年の年月がたち、明らかに状況は変わっています。
 人気のあるブログを探したいのであれば、Technoratiや、feedmeter、livedoor Readerなど様々なブログのランキングがありますし、そもそもブログの数が増えすぎて、新しいブログを探したいというニーズは薄れ、個人個人が本当に必要と思うブログだけを読んでいれば良いのでは、という状況になっている気もします。
 そのあたりの話は、切込隊長や中島さんも書かれていましたが、この辺の指摘はそのとおりだと感じています。
切込隊長BLOG(ブログ): 私は「アルファブロガー」という考え方は終わっていると思います
Life is beautiful: 「ウミウシの生殖活動ブログ」とアルファブロガーの話
 今年に入り、NHKでアルファブロガーを取り上げてもらったり、そこここのプレゼン資料やプレスリリースでアルファブロガーの文字を見るようになり、もはや私ごときがどうこうするキーワードではなくなったと感じていたのも事実。
 アルファブロガー的なものが、旧来の権威者と同種に扱われることに対する違和感もありましたし、そういった権威付けに対する批判もあることは強く感じていました。
 そう言う意味では、アルファブロガー投票企画で選ばれることが必ずしも全ての方にとって良いことかどうか分からなくなってきたというのもあり、かといって、今更私個人のレベルでどうにかできる話ではない感じもあって。
 個人的にはすっかり卒業させていただく予定でした。
 昨年の企画が終わった後に書いた「アルファブロガー投票企画を終えて : tokuriki.com」という記事は、個人的には終了宣言のつもりだったりしたのです。
 そんな中、なんで継続することになったのかという話ですが。
 なんといっても大きかったのは、清田さんによる説得です。
 記事にも書かれていますが「ブロガーが主体となって良いブログを評価していこうという趣旨のコンテスト自体が珍しく、それが3年間も続いているということは非常に価値があることで、これはぜひ続けるべきだ」という話をとうとうと説かれていたのが非常に印象に残っています。
 個人的にも、アルファブロガー投票企画をやめる上で、一つ心に引っかかっていたのが、昨年のサイバーエージェントさん主催の「BLOG of the year 2006」。
 BLOG of the yearという名称だったので結果を楽しみにしていたら、選ばれたのは芸能人ブログのみ。で、唯一特別賞に選ばれた一般人ブログもドラマ化が決まっていたブログ。 
 しかも受賞者のタレントの一人が「ブログをはじめて間もない」とか「あまり更新しないのですが、これをきっかけにどんどん更新しようかなと思っています」と、とてもBLOG of the year受賞者とは思えない驚きの発言をしているという、正直私からすると悲しいものでした。
 まぁ、こういうベストジーニスト的アプローチの企画も、それはそれでアリだとは思うのですが、日本のブログがそっちだけの流れになってしまわないように、一般ブロガーによる一般ブロガーのための企画が継続されるべきでないかという話は、とくに考えさせられました。
 そこで、当初の目標が想定以上に達成されて、手に負えなくなったからやめるという後ろ向きな理由でやめるのではなく、前向きな形で継続する方向を検討してみようという風に考えを切り替えることになったわけです。
 そう言う意味で、今回のアルファブロガー・アワードでは、メインコンセプトを投票で人気ブログを探すというものから、普通の人には見つけづらい各分野の注目ブログにスポットライトを当て、ブログのお祭り的なイベントとして継続しようという形で大きく方針転換をしています。
 コンセプトが変わったという意味では、記事中に甲斐さんに指摘されたようにアルファブロガーというキーワードも捨てて、新しいイメージに切り替える手もあったのかもしれませんが。
 
 個人的には、芸能人ブログや社長ブログのような、すでに有名な人がブログを書いているという「人気ブロガー」とか「カリスマブロガー」という文脈ではなく、無名に近い個人がブログを始めたことによって、多くの人に読んでもらえるようになる可能性があるということを、「アルファブロガー」という言葉が表現してくれればと思っています。
 その結果、昔梅田さんがBlog論2005年バージョンで書いていた「大組織に属する超一流の技術者や経営者が本気でBlogを書くということも、どうも日本では起こりそうもない。」という状況が少しでも良い方向に変わってくれればな、と妄想しています。
 ちなみに、そう言う意味では、投票企画で選ばれたらアルファブロガーとか、選ばれなかったらアルファブロガーじゃないとかいうのはもう忘れていい話なのではないかとも思ったりします。
 昨年までは「アルファブロガー」を探す投票企画でしたが、今年からのはアルファブロガー・アワード。
 アルファブロガー的なブログという視点からブログが表彰されるという企画であって、お祭り的な位置づけがより強くなっている企画だと思っていただければ幸いです。
 
 アワードで選ばれた方々のブログについては、初めてブログを情報収集の対象として読んでみようと思った人が、参考にするためのリストとしてサイトにまとめていければと思っています。
 小飼さんにはブログの入れ替えをするべきだとご指摘いただきましたが、ABAのサイトでは更新が停止したブログはカテゴリから外すという形で対応していきたいと考えています。(現状は年度ごとのカテゴリには殿堂入り的に残していますが)
 
 もちろん、今回のアルファブロガー・アワードの形式がベストかどうかは分かりませんし、あくまでこれも一つのコンテストでしか無く、もっといろいろな方法があると思います。
 ただ、個人的に今回企画を継続してみて改めて意味があるのかなと思ったのは、こういった投票企画とかコンテストの過程で、普段なかなか見えてこないブログの読者による書き手に対する感謝の言葉であったり、尊敬の思いみたいなものが浮き出てくることかなーと思います。
 今回、清田さんが投票者の方々のコメントをノミネートページに反映してくれていますが、どのコメントも非常にあたたかいのが本当に印象的。
 そう言う意味では、「俺が好きなブログバトン」とか、私たちが普段読んでいるブログにたいして感謝を表明する方法は他にもいろいろあると思いますので、そういったアプローチがもっと増えると良いのかなーと思ったりします。
 
 なんだかまたしても、とりとめのないエントリーになってしまいましたが、アルファブロガー・アワードの投票は12月2日締め切りです
 この機会に、ぜひ皆さんのお薦めブログを自分のブログで紹介して、日頃の感謝の気持ちを表現しつつ、アワードの盛り上げにご協力いただければ幸いです。
 もちろん、アワードへの苦言・提言も大歓迎ですので、よろしくお願いいたします。

「今」のブログが面白いかつまらないかより、どうすればもっと面白くなるかを考えたい

 RTC Vol.28の告知 | 近江商人JINBLOGを読んで。
 先週、次回のRTCカンファレンス『ブログ限界論』の告知文が大いに議論を呼んでいました。
 すっかりタイミングを逃してしまいましたが、個人的なお詫びも含めてブログを書いておきたいと思います。
 まずは、議論の経緯をまとめるとこんな感じ。
 最初にRTCカンファレンスの告知文がアップされたのが11月5日。
RTCカンファレンス – イベント案内
 で、その日の夜から翌日にかけて、早速多くのブログが反応しています。
11月5日
日本のブログは「なんだかつまらない」ものに成り下がったんですか?:[mi]みたいもん!
ブログは本当におもしろい [dh memoranda]
インターネットは何でできているんだろ:小鳥ピヨピヨ(a cheeping little bird)
 
11月6日
POLAR BEAR BLOG: なんだかつまらない。
日本のブログは、もっともっと面白くなります。 – webdog 
ブログが面白いのは「当たり前」-Parsleyの「添え物は添え物らしく」
ブログ限界論とアタリショックをつなげてみる – 一人シリコンバレー男 [ITmedia オルタナティブ・ブログ]
|M|E|T|A|M|i|X| 「ブログはつまらない」発言で大騒動!?
 上原さんも、これらの大きなレスポンスに敏感に反応してブログを書き
RTC Vol.28の告知 | 近江商人JINBLOG
 見事なフォローをモダシンさんが入れて
「つまんない」って記事がおもしろかったりするブログ – [モ]Modern Syntax
 上原さんの涙を誘っていたりもします。
不祥事のお詫びと、ブログ発言自粛の撤回について | 近江商人JINBLOG
 さらに、知り合いのブログ以外にも、検索してみたらいろいろ関連記事が出てきました。
 今回の議論は、多くの人が自分がブログをなぜ書いているのかを振り返るきっかけにもなっているようですね、
RTCカンファレンスがヤバイ (されど空の青さを知る)
したらば掲示板限定シリーズ三部作雑記:納得できる面もある『ブログ限界論』に敢えて反論してみた – livedoor Blog(ブログ)
私をインターネットに繋いでくれたのはブログ (yumiking Diary:ピヨピヨ)
CONCORDE: 「つまらなくないですか?」って現役さんへ問いかけたら、そりゃ怒られるでしょうけど。
ブログ考:ブログは面白い。書くのも、読むのも。 ::: creazy photograph
ブログを面白く感じているわけ – 北の大地から送る物欲日記
おいらブログ: 楽しめてない人にはつまらないだろうなぁ・・・
newsingの上原さん、そろそろ限界論 – [U]UnderLine
T-BLOG 「つまんない」って記事がおもしろかったりするブログ
blog面白いのか面白くないのか問題 – 幸せの鐘が鳴(r
小沢一郎と上原仁 – キャピタリストの視点 [ITmedia オルタナティブ・ブログ]
[beat] Bite’n Eat All the Thing. | blogosphereが諸々騒がしいけど、これが胎動だと信じたい。
ブログがおもしろくないらしい.(ネタ)
INTO THE WORLD :: re:RTCカンファレンスについて
非モテ限界論
いい感じ: つまらない、という議論、で感じたこと
RTCカンファレンスVol.28『ブログはなぜつまらなくなったのか』 – Overlasting::Hatena
秋元 » 愛の無いブログはつまらない
 こんな感じで、一つの話題が、様々なブログをまたいで議論になったのは、なんだか久しぶりな気がしてしまいます。
 という感慨にふける前に、お詫びです。
 今回の企画にはAMNも絡んでいますし、イベントのパネラーと言うこともあり、私は、事前にRTCの告知文を見せてもらっていました。
 テーマの設定についても事前に相談をもらっていましたし、そういう意味では今回の件は、私にも責任があると感じています。
 告知文を見たときに極端な文章だと感じはしましたが、上原さん主催のイベントの告知文だし、多くの参加者は上原さんがブログを愛しているのをよく知っているから、まぁ問題ないだろうな、と全くコメントもアドバイスもできませんでした。
 それが結果的に、一部の方の感情を害することになってしまったことは、お詫びしたいと思います。
 配慮が足りず申し訳ありませんでした。
 ただ、一部の方のブログでの告知文への反発には、大きな誤解があると思いますので、ここでフォローさせてください。
 個人的には。今回のイベントの告知文がここまでネガティブなトーンになっているのは、上原さんの自己規制が強かったからだと感じています。
 ブログが好きな人が主催しているRTCカンファレンスで、ブログが好きなパネラーが集い、自分がブログがいかに好きで、ブログがいかに面白いかを議論する。
 そんな過去にRTCでやったことがある普通な議論を、また今更やるのもつまんないよね。
 その問題意識が今回のRTCカンファレンスのテーマ設定につながっています。 
 告知文に反応した多くの人が書いていたように、ブログというツールは、その魅力が分かっている人にとっては、今もとても面白いツールなのは誰も否定しないでしょう。
 まぁ、そもそもひとりひとりがブログを面白いと思うかどうかは個人の問題だったりしますが。
 今回の議論が明らかにしてくれたように、ブログを通じた議論やコミュニケーションは今も面白いですし、私自身ブログのおかげで大きく人生が変わった人間にとっては、今もブログはいろんなことを教えてくれるとても面白いツールです。
 ただ、一方で、ブログを通じて感じた未来の変化に大いに期待をしていた(しすぎていたという方が正しいかも)、自分のような人間からすると、これまでのところブログが思ったほど大きな変化を引き起こしてくれていないように感じてしまうのも事実です。
 例えば、ネットベンチャー以外の企業ではブログを書いている人があまり増えていないように思えたり(アルファブロガー・アワードなんかを見ていると勘違いだったかもと最近思えてきてますが)、米国ではブログが選挙においても大きな影響を与えているようのに、日本では未だに選挙期間中のネット活用が禁止されていたり、Blog of the Yearを名乗る企画でもともと有名な芸能人ばかりが選ばれてしまって、受賞者の一人があまりブログを書いていないのに受賞できて光栄みたいな発言をしていたり。
 なんだか、結局ブログ以前と変わらない光景が続いているように感じてしまいます。
 (もちろん、着実に変化は水面下で起きつづけているとは思うのですが)
 
 その一方で、スパムトラックバックやスパムコメントは増え続ける一方で、昔ほどトラックバックを通じたコミュニケーションの魅力は少なくなっているように思いますし、雑誌記事でブログをコピーして無意味なコピーブログを量産するツールがお金儲けの手段として堂々と宣伝されていたり、米国ではFTCが違法認定しているようなやらせ記事量産手法でブログ検索が埋め尽くされてしまっていたり。
 なんだか、結局そういう勢力の方が、世の中強いのかもとくじけてしまいそうになったりします。
 
 もちろん、リテラシーの高い個人レベルであれば、上記の問題はどれも取るに足らない解決可能な課題なのかもしれませんが、まだブログの魅力を理解できていない人、ブログを知らない人が、上記のような出来事に遭遇し、どういう印象をブログにたいして持つのだろうか、と思うと、正直悲しくなるときがあります。
 
 そこで、あえて一度冷静すぎるほど冷静に、現状のブログの課題や問題点を見つめ直して、議論をしてみよう。
 それが今回のRTCカンファレンスのテーマだと思っています。
 そういう意味で、上原さんが自分のブログへの愛のトーンを消そうとしすぎるあまり、告知文が極端になりすぎてしまったというのが、正直なところだと思います。
 今回のブログ上での議論でもよく分かりましたが、ブログが面白い人にとって、ブログが面白いのは間違いありません。
 でも、そのブログの面白さがもっと多くの人に伝われば、ブログってもっともっと面白くなるはずです。
 ブログの面白さを伝えるのを阻んでいるのは何なのか。
 ブログをもっと面白くするために、私たちは何ができるのか。
 11月23日の当日は、参加者の皆さんと、そんな議論ができればいいなーと思っています。
 
 まぁ、正直なところ、私がパネルディスカッションで言おうと思っていたことは、ほとんど上述の皆さんの記事で書かれてしまったので、当日しゃべることが無くなってしまっている気もしますが・・・
追伸 上原さんへ
 下書きのようなものという記事を見る限り、すっかり自分の文章力に自信を失っているような印象もありますが、コミュニケーションを続けていけばきっと伝わる人には伝わっていくと思いますので、自分と、インターネットと、インターネットでつながっている仲間の力を信じて今後もがんばりましょう。
 ということで、上原さん、お誕生日おめでとうございます。