リーダーの使命とは何か(フランシス・ヘッセルバイン)

4903212386 「リーダーの使命とは何か」は、タイトル通りリーダーのあり方について考察されている書籍です。
 献本を頂いたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 どうしても日本においては、リーダーとマネージャー、経営者や管理者など、言葉の定義が曖昧になっている印象がありますが、この本で主に語られているのは企業におけるリーダーシップです。
 著者のフランシス・ヘッセルバイン氏は、ドラッカー財団の初代プレジデント兼CEOを10年間務め、「米国最高のマネジャー」としてビジネスウィーク誌の表紙を飾るなど、世界で最も著名な女性リーダーの一人なんだそうで、そんな経歴を感じさせるシンプルだけど重みのあるメッセージがある本です。
 テクニック論では無く、リーダーのあり方について、一歩引いた視点から考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■CEOは、リーダーシップ、従業員、そして人間同士の関係の三点を向上させることに注力しなければなりません。
■私のカゴは4つある。
・「イノベーション」
・「融合」
・「機会」
・「価値観」
 私はこの四つのカゴをいっぱいにしては家へ持ち帰る。あとはミッションに専念するだけだ。

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中国を変えた最強メディア ウェイボーの衝撃(李小牧)

4484122324 「中国を変えた最強メディア ウェイボーの衝撃」は、タイトル通り中国版ツイッターと呼ばれることの多いウェイボーについて考察されている書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 日本にいるとウェイボーの話というのは滅多に話題になることがありませんが、中国では知らない人はいないソーシャルメディアです。
 非常に興味深いのは、一見政府の規制が厳しくて利用者が困ってそうな中国のウェイボー方が、日本のソーシャルメディアよりも社会的インパクトが大きいという点。
 本書の中では、日本の人は世論はマスメディアに出てると考えるから中国の人民日報の社説に注目するが、中国の人はメディアは政府の影響がありすぎるのでネットの方を信じており、日本の2ちゃんねるの発言を日本の世論だと思っているというくだりが出てきますが、日本と中国のネットやソーシャルメディアの位置づけが対極にあることを感じます。
 中国進出を考えている企業の方だけでなく、国毎のソーシャルメディアの位置づけを俯瞰して考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■世界がウェイボーを知った日
 2011年7月23日午後8時34分 中国浙江省の温州市郊外での列車衝突事故
■中国のテレビやニュースサイトが事故についての速報を出したのは、2時間以上経ってからのこと。しかし、このときすでにウェイボー上には、事故に関する詳細な情報や現場写真までが数多く掲載されていた。
■ウェイボー(微博)とは、ブログを意味する中国語の「ボーカー(博客)」マイクロの意味を持つ「ウェイ(微)」をあわせて作られた言葉であり、つまりはマイクロブログのことである。
■ウェイボーは「中国版ツイッター」ではない
 自分のアカウントページに音楽や動画、写真などをアップロードでき、それらを共有することができる。そのため、写真や動画、音楽の投稿から写真キャプションや音楽レビューの書き込みまで、すべてほかのサイトに飛ぶこと無くウェイボー上で完結する仕組みとなっている。

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「キーパーソンに訊く」企画で日経BPコンサルティングさんにインタビューしていただきました。

 日経BPコンサルティングさんがFacebookページ上で展開されているインタビュー企画「キーパーソンに訊く」でインタビューしていただきました。
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 インタビュー記事をFacebookページのコンテンツとして投稿されている変わり種企画になります。
 私の回は年末年始バージョンということで、2013年を占う的な内容になっており、Facebookやツイッターだけでなく、LINEやブログの話も含めて全体論をお話しさせて頂きました。
 前四回で掲載されていますので、ご興味のある方は是非ご覧下さい。
(1)ここ数年のブームに惑わされてはいけない
(2)顧客自らに語ってもらうことが何よりも大事
(3)ソーシャル移行にも複数の選択肢がある
(4)ユーザーを軸に企業マーケティングの幅を広げる

USP ユニーク・セリング・ポジション 売上に直結させる絶対不変の法則(ロッサー・リーブス)

490321236X 「USP ユニーク・セリング・ポジション」は、タイトル通りUSPの概念について考察されている書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 「USP(ユニーク・セリング・ポジション)」という概念は50年以上前から使われ続けている概念だそうですが、実はこの書籍がその教科書にあたる本だそうです。
 実際、この本に推薦者として名を連ねているのは、『ある広告人の告白』で有名なデイヴィッド・オグルヴィなど、そうそうたる面々ですから、広告業界勃興時の中核にあった本と言えるのだと思います。
 実際、この本を読んでみると50年以上前の本とは思えないほど、現在の広告においても同じことが当てはめられるのに驚きます。
 本質というのは実はインターネットの普及とかメディアの変化にはあまり影響されないんだな、というのが正直な感想です。
 広告のあるべき役割を根本から見つめ直したい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■私はなにも、広告が大きな要因ではない、と言いたいわけではない。広告キャンペーンの善し悪しをつねに売上で判断しようとすれば、大きな過ちを犯しかねないことをはっきりさせておきたいだけだ。
■広告における真実の三大基本原則
・ストーリーの頻繁な変更は、浸透度に関するかぎり、広告自体をやめるのと同じ結果しか生まない。
・毎年見事なキャンペーンを実施しても、それが毎年変わっていれば、さほど見事でないキャンペーンを継続して展開する競争相手に追い抜かれる可能性がある。
・商品が流行遅れにならないかぎり、素晴らしいキャンペーンが古びることはない。
■何百ものキャンペーンの特性を長期にわたって調べていると、アメリカできわめて評価の高い広告キャンペーンの多くは、単なるショーウインドウだと分かる。
■USPの三つの定義
・広告はすべて、消費者に対して提案をしなければならない。
 「この製品を買えば、この便益が手に入ります。」と。
・その提案は、競争相手が示せない、もしくは示さないものでなければならない。
 それは独自でなければならない。
・その提案は、数百万人の人々を動かせるほど強力でなければならない。
 すなわち、製品に新規顧客を引き寄せられるものでなければならない。
■実際に商品が比較的画一化している場合に広告会社が進むことのできる道
・商品のUSPを見つけること
・クライアントに商品を変えるよう、つまり商品を改善するよう誘導すること
・商品を変えることができず、特徴がないままだとしても、その商品について以前は明かされていなかった情報を世間に伝えること
■商品とキャンペーンの原則(アルフレッド・ポリッツ)
・広告はよい商品の売り上げ向上を促し、悪い商品の駆逐を加速する
 商品にない要素をあると主張すれば、その不在に消費者が気づく頻度を増すだけだ
・消費者にはわからないような些細な違いを強調するキャンペーンもまた、実際にはその商品の駆逐を加速する。 
 そのようなキャンペーンも、主張した要素の不在に消費者が気づく頻度を増す。
■USPとは広告に埋め込むものではない
 それは、消費者が広告から受け取るものだ
■バンパイア的映像
 バンパイア的映像は、テレビCMを台無しにする。USPをほとんど消し去り、隠し、曖昧にする。芸術的には輝かしくとも、売上の役には立たない。
■広告とは商品についてのニュースではなく、印刷された販売術です。
■広告とは、USPを、最大多数の人々の頭に、可能な限り低コストで届ける技術である。
■もし商品が消費者のもっている欲望やニーズを満たさないなら、その広告は結局、失敗する
 広告は欲望を作り出さない。
 欲望が広告を作り出すのだ。
■広告の真の役割とは、新商品を売り出すべく企業に雇われた最初のセールスマンの役割にほかならない。その目的は競争相手から仕事を奪うことだ。

490321236X USP ユニーク・セリング・プロポジション 売上に直結させる絶対不変の法則
ロッサー・リーブス Rosser Reeves 近藤隆文
海と月社 2012-06-26

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選挙とソーシャルメディア、解禁なら企業にも好影響 を日経MJに寄稿しました。

 ご紹介が年またぎになってしまいましたが、昨年末に日経MJ「ECの波頭」に寄稿しているコラムが掲載されましたのでお知らせします。
 今回は、ブログでも何度か言及している、選挙におけるソーシャルメディア利用について書いてみました。
 かなり希望的観測も入ってますが、ネット薬規制も違法認定されましたし、今年はいろいろと変化がありそうなのを期待しています。


 第46回衆院選は自民党の圧勝で幕を閉じた。結果は別として今回の選挙で大きな物議を醸したのが、日本維新の会代表代行である大阪市の橋下徹市長による選挙期間中のツイッター活用だ。日本の公職選挙法ではインターネットが普及した今でも、ネットの書き込みは選挙運動のために使用するビラなどと同じ「文書図画」と規定している。選挙期間中のネットやソーシャルメディアの利用は禁止となる。
 この法律には大きな盲点がある。対象となるのが選挙の立候補者だけでなく、候補者を応援する一般人も含まれるという点だ。今回のケースで、橋下氏自身は衆院選の候補者ではなかった。候補者を応援するためにツイッターを活用していたのだ。ある意味グレーゾーンともいえ、法律の解釈は人によって異なってくる。
《ポイント》
(1)衆院選の選挙期間中、橋下氏がツイッターを積極活用し物議に
(2)公職選挙法では選挙期間中、ツイッターでの候補者応援は違法となる
(3)次回の選挙に向け公職選挙法が改正されると、様々な変化が起こる
 続きは日経新聞のサイトでご覧ください。
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1月21日(月)開催のソーシャルメディアサミット2013の申込締め切りは、本日12時までです。抽選になりますが、ご興味のある方はお早めにお申し込み下さい。

 告知が締め切り直前で申し訳ありませんが、今年もAMNでは1月21日(月)にソーシャルメディアサミットを開催します。
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 既に、一般募集の倍率が明らかに高くなってしまったため、あまり積極的に告知してこなかったのですが、本日12時(あと1時間ぐらいです、すいません)に申込フォームを締め切らせて頂きますので、お知らせです。
 実は今年は開催日が1月なので、年始に一般募集を開始すると申込が集まらないのではないかと不安になってしまい、昨年12月に参加者の方や日頃お世話になっている方に事前招待のご連絡をさせて頂いたところ、予想外に大量のお申し込みを頂いてしまったため、一般募集の席数が少なくなってしまったため、抽選にせざるを得なかったいうお恥ずかしい事情はあるのですが(汗)
 その分、昨年は有料だった一般募集を今年は無料とさせて頂いていますので、抽選に当たったら参加してみようかなと思う方は下記のフォームから急いでお申し込み頂ければ幸いです。
 
 今年のソーシャルメディアサミットでは、2013年をポストソーシャルメディアマーケティングバブルの年と位置づけて、クチコミをしてくれるファンを「アンバサダー」と定義し、「ソーシャルメディアユーザーは、企業ブランドのアンバサダーになるか」というテーマで、冷静な定義と議論を行う事を予定しています。
 今年も、お陰様で非常に多様なパネリストの方々にご参加頂くことができましたので、面白い議論が聴けるのではないかと個人的にも楽しみにしております。
ソーシャルメディアサミットお申し込みページ
 ということで、あいかわらずバタバタしていてお恥ずかしい限りですが、今年もよろしくお願い致します。