「つぶやき進化論」は、タイトルでわかるようにツイッターのような新しいソーシャルメディアによって変化する社会について考察している書籍です。
かなり前に読んでいたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この「つぶやき進化論」の現代は「Socialnomics(ソーシャルノミクス)」。書籍の中では普通の人が主役の経済と訳されています。
実際に、ツイッターやFacebookのようなソーシャルメディアの登場により、経済の考え方が変わり始めているのは事実だと思いますが、果たしてそれがどういう方向に変わっていくのかわからずに混乱している方は多いはず。
この本はそんな方にとっての、未来を考えるのにヒントがある本だと思います。
【読書メモ】
■「重要なのは普通の人が主役の経済”みんなの経済”(ソーシャルノミクス)なんだよ」
■「ソーシャルメディアのすばらしい点のひとつは”受動性”でしょう。返事を催促する電子メールとは違って、ただ見ていればいいだけですから」(トリップアドバイザー スティーブ・カウファーCEO)
■優れた企業はウェブ上に投稿された批判的な内容に対して冷静に対応しているということだ。
カテゴリー: 読書メモ
R3コミュニケーション (恩蔵直人+ADK)
「R3コミュニケーション」は、現代におけるコミュニケーションプランニングについて書かれた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この書籍では、早稲田大学の恩藏直人教授とADKの共同プロジェクトとして書かれた書籍です。
広告会社ならではの視点で、新しいコミュニケーションのあり方について考察されていますので、これからの新しい広告やコミュニケーションのあり方について考察したい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■IMCの三つの変化
・IMC1.0 説得する ワンボイス・ワンルック型コミュニケーション
・IMC2.0 誘導する クロスメディア型コミュニケーション
・IMC3.0 協働する トリプルメディア型コミュニケーション
■商品カテゴリーマップ
・合理的購買 (高関与・論理的)
・情緒的購買 (高関与・感情的)
・習慣的購買 (低関与・論理的)
・衝動的購買 (低関与・感情的)
明日のコミュニケーション (佐藤尚之) を読むと、ソーシャルメディアとマスメディアのベストな組み合わせを考える上でのヒントが見つかると思います。
「明日のコミュニケーション」は、「明日の広告」の著者としても知られる「さとなお」こと佐藤尚之さんが書かれた書籍です。
かなり前に読んでいたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
さとなおさんは、私にとっては電通のなかでのソーシャルメディアの理解者の代表というイメージの方です。過去にAMNで主催したソーシャルメディアサミットのパネルディスカッションに登壇頂いたこともあり、さとなおさんのソーシャルメディアへの期待度の高さは理解していたつもりではあったのですが。
正直、この本を最初「明日の広告」の続編ということで、その延長と思って読み始めたところ、テーマの軸足がほぼソーシャルメディア中心になっていてビックリしました。
とはいえ、当然、いわゆるソーシャルメディア側の人間によるソーシャルメディア啓蒙本ではなく、広告業界出身である、さとなおさんならではのソーシャルメディア論になっているのがポイントです。
個人的には、ブログ時代とソーシャルメディア時代の違いなど、ソーシャルメディア側の人間である自分にとっても、さとなおさんの視点からソーシャルメディアの可能性や限界について言及されると、改めて気づかされる点が多数ありました。
特に終盤にある、マスメディアとソーシャルメディアの組み合わせの可能性の提案については、広告業界ならではの視点がいくつもありますので、冷静な視点でソーシャルメディアの可能性と限界について把握したい方にとっては、この本は参考になる点が多々ある本だと思います。
【読書メモ】
■ソーシャルメディアは、社会や文化、流行、購買などに大きく影響を与える「関与する生活者」をつなげ、強く結びつけ、その行動を加速させるプラットフォームなのだ。
■「レノンの歌で一番嫌いなのはイマジン。こうなるといいな、と頭で考えているだけではダメだ」(U2のボノ)
■ソーシャルメディアは、元からいた「実際に動く人々」をつなげ、共感で強く結びつけ、その行動を加速させる「場」なんだ。ようやく「歌う」から「動く」へ世の中が舵を切ったんだ。
■ブログ時代、影響力ある個人はバラバラに点在していた。
バラバラに動いていた影響力ある個人がソーシャルメデイアというプラットフォームでつながったのが「ソーシャルメディア時代」なのである。
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フェイスブック時代のオープン企業戦略 (シャーリーン・リー) にはソーシャルメディア時代の企業のあり方を考えるべき上司や経営者にプレゼントするのに良い本だと思います。
「フェイスブック時代のオープン企業戦略」は、ソーシャルメディアによる企業の変化を描いた書籍である「グランズウェル」の共著者でもあるシャーリーン・リー氏が書いた書籍です。
かなり以前に買って読んでいたのですが、書評抜き読書メモを公開していなかったので、公開させて頂きます。
以前ご紹介した「エンパワード」も「グランズウェル」の続編にあたるのですが、エンパワードを書いたのは今もフォレスター・リサーチに在籍するジョシュ・バーノフ。
こちらのオープン企業戦略を書いたのは、グランズウェルを書いてからフォレスター・リサーチを退職して独立。ALTIMETERというリサーチ会社を立ち上げたシャーリーン・リー氏。
どちらも近いスタンスで書かれた本なのですが視点が異なるのが興味深いところです。
「エンパワード」はどちらかというと「ソーシャルメディア担当者」に近い視点で書かれており、日本の企業担当者にとっても今すぐ参考になる視点が多い印象がありますが、こちらのオープン企業戦略で対象になっているのは、文字通り企業の戦略。
英語の原題は「OPEN LEADERSHIP」となっていますが、要はこれからの自体はオープンを前提とした企業戦略に変えていかなければいけないという問題提起です。
何と言っても米国は既にFacebook利用率が7割とか、アカウント保有率に至っては96%みたいな調査結果もありますから、もはやメール並みの利用率。
当然、企業もそれにあわせて経営戦略や事業方針を変更する必要性に直面しているのは間違いないでしょう。
ただ、そう言う意味ではこの本を日本の経営者の方々が今読んでしまうと、ちょっと現実との乖離を感じてしまうかもしれません。
そう言う意味では個人的には、まず「グランズウェルエンパワード」を読んで、その先を見据えたい方にこの「オープン企業戦略」を読んで頂く、という順序が良いのかなと思ったりもしますが。
上司や経営者に考え方を変えてほしいと悩んでいる方は、この本を年末の課題図書としてプレゼントしてみるのも面白いかもしれません。
もちろん、米国におけるソーシャルメディア活用の最新事業を理解したい方には非常に参考になるポイントがたくさん入っている一冊ですので、是非今すぐ読むことをお勧めします。
私の読書メモも膨大な量になってますが、ご参考まで。
【読書メモ】
■「さあオープンにしましょう」という勇ましいかけ声をよく耳にするが、現実的な成果を手にするためには、しっかりした戦略やリーダーシップに基づくアプローチが必要である。
■ソーシャルテクノロジーの導入に当たっては、企業はもはやコントロールできるのは自分ではないということをまず認めなければならない。
■コントロールを手放すよう私が勧めるのは、そうすれば結果的にはいくらかコントロールを取り戻すことができるからだ。
相手の言葉に耳を傾け、そのパワーを尊重するのは、敵対的な行動に対抗できる立ち位置につくことなのである。
■オープン・リーダーシップの5つのルール
・顧客や社員が持つパワーを尊重する
・絶えず情報を共有して信頼関係を築く
・好奇心を持ち、謙虚になる
・オープンであることに責任を持たせる
・失敗を許す
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人生を変える80対20の法則 (リチャード・コッチ)を読むと、ニッパチの法則の何が本当にスゴイのかが理解できます。
「人生を変える80対20の法則」は、タイトル通り80対20の法則、一般的にパレートの法則や2:8の法則(ニッパチの法則)と言われる事象について考察されている書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
ニッパチの法則については、ビジネスの世界でも良く目にすることはあると思うのですが、これだけ知られていてもこれほどスルーされている法則も無い気もしています。
2割の顧客が8割の利益を生み出していたり、2割の製品が8割の売上を生み出していたり。
データとして分析してみれば、こういうロジックが見えてくるのに、ついつい2割の優良顧客をないがしろにして、8割の新規顧客獲得のために、新規顧客のみが有利になる極端な割引きプランを作ってしまったり、大規模な移行推進キャンペーンを展開したり。
実は2割の有料顧客の離脱を防ぐ方がコストも手間も低いのに、8割の新規顧客を獲得するのにひとり当たり膨大なコストをかけていたり。
個人的には、ソーシャルメディアというのはこのニッパチの法則における2割の優良顧客とのコミュニケーションを低コストで実現し、この2割の優良顧客を中心にした新しいファン獲得サイクルを作ることができるのではないか、という仮説をずっと持っているのですが、この本を読んで改めてその思いを強くしているところです。
自分の会社のビジネスのやり方について、疑問や悩みを感じている方にも参考になる点が多々ある本だと思います。
【読書メモ】
■ビジネスの世界で、80対20の法則がはたらいている例は枚挙にいとまがない。
通常、売上の80%を占めているのは、20%の製品、20%の顧客である。利益を取ってみても、この比率に変わりはない。
■80対20の法則が重要なのは、それがなかなか実感として湧かないからだ。
普通、努力と報酬はだいたい釣り合っていて、どの消費者も、どの従業員も、どのビジネスも、どの製品も、等しく重要だと考えられている。
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ソーシャルメディア炎上事件簿 (小林直樹) を読むと、ソーシャルメディアの炎上のどこが怖くなくて、どこが本当に怖いのか分かるはず
「ソーシャルメディア炎上事件簿」は、タイトル通りソーシャルメディア関連の炎上事例をまとめた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
私自身、「ソーシャルメディアで炎上したらどうしたら良いですか?」と何度これまでに企業の方から聞かれたことか分かりません。
炎上という言葉が醸し出す雰囲気から、実際の炎上事例を知らない方にとっては、ほっておくと勝手に利用者が炎上させにくるというイメージを持ってしまうようです。
ただ、この本を読むと実はソーシャルメディアの炎上のケースというのは明確に炎上する原因があるケースがほとんどで、炎上を避けるためのポイントというのはそれほど複雑ではないと言うことが分かるはずです。
しかも炎上で最もダメージを受けるケースというのは、九州電力のやらせメールに見られるように、ネットで炎上が始まっているのに長い期間気づかないケースです。
本気でソーシャルメディア上の炎上が怖いのであれば、唯一の解決策はソーシャルメディア上の利用者の声に普段から耳を傾けていくことでしょう。
この本には日本でおこったソーシャルメディア上の炎上事例がほとんど丁寧にまとめられていますので、炎上に不安を感じているソーシャルメディア担当者の方には参考になる点が多々ある本だと思います。
海外の炎上事例については、合わせて「グランズウェル」や「エンパワード」、「ビジネスツイッター」などを読まれることをお勧めします。
【読書メモ】
■きっかけは、有名人を見たことをちょっと自慢したい、面白がってもらいたいといった「サービス精神」からくる反響狙いの投稿・ツイート。それが実名アカウントではなくても、書き込み内容や状況から、個人が特定された。「匿名だから大丈夫」と思い込んでいる人が多いだけに、問題の根は深い。
■典型的炎上パターン6分類
・やらせ・捏造・自作自演
・なりすまし
・悪ノリ
・不良品、疑惑、不透明な対応
・コミュニティ慣習・規則の軽視
・放言・暴言・逆ギレ
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