スマートフォン新時代 (松村太郎)

4757102895 「スマートフォン新時代」は、先日紹介した「タブレット革命」を書かれた松村太郎がスマートフォンの未来を考察している書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では長らく日本の携帯業界を見てきた松村さんならではの視点で、現在のスマートフォンのトレンドを分析していますので、スマートフォンによって携帯業界がどう変わるか気になる方には、参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■(日本の携帯電話市場は)2005年頃には端末、カルチャーともに、世界に対して5年のアドバンテージをもっていたのではないか、と考えられます。
■スマートフォンは、アメリカの定義では「インターネットに接続できる携帯電話である」
 日本では売られているほぼすべての携帯電話端末がインターネット接続機能を備えているため、スマートフォンといわれてもあまりピンときません。
■現在のスマートフォンは「パソコンの補助的な」という位置づけが適当ではなくなってきました。
 むしろポケットの中にあるスマートフォンがメインのインターネットアクセス端末であり、コミュニケーション端末になり始めたのです。

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リアルタイムウェブ (小林啓倫) は、今の新しいウェブを表現する重要なキーワードの一つになりそうです。

4839936358 「リアルタイムウェブ」は、ウPOLAR BEAR BLOGの小林啓倫さんが昨今のウェブのトレンドについて考察した書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、小林さんならではの視点で現在のリアルタイムウェブと呼ばれる新しいウェブの世界のトレンドを考察していますので、現在の変化を俯瞰して把握したい人には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■「なう」だけで検索してみると、わずか20秒間で10人の人が「なう」という表現を使っていることが確認できた。
■ウェブ2.0は何に進化したのだろうか?
 本書では直接の後継者として「クラウドコンピューティング」と「ソーシャルメディア」を挙げておきたい。
■ツイッターに流れ込むトラフィックのうち、およそ75%が外部クライアントからのものである。
 新規利用者の16%はモバイル環境からツイッターデビューを果たしている

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GIGAZINE 未来への暴言 (山崎恵人氏)

4023308714 「GIGAZINE 未来への暴言」は、タイトルで分かるようにGIGAZINEの山崎さんが書かれた書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本ではGIGAZINEの運営方針が垣間見えるコメントが多数出てきますので、日頃からGIGAZINEの方向性やコンセプトが気になっている方は参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■専門バカになるな、オタクになれ」
 自分の世界に引きこもるような「オタク」ではなく、そのさらに先に存在するオタク気質な人たちになってほしい
■ファンがパトロンになる「パトロンモデル」
■デジタルネイティブな世代、生まれた時から携帯電話があり、インターネットが存在している世界に生まれた世代であればあるほど、皮肉なことに情報リテラシーに意識も低く、インターネットをツールとしてまともに使いこなせていない
■入試の時にパソコン持ち込み可・インターネット可であれば大学の教授はどういう問題を作るのか?

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成熟期のウェブ戦略 (野尻哲也)

453249091X 「成熟期のウェブ戦略」は、ウェブサービスの戦略について考察した書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では欧米圏と日本の違いや、Yahoo JapanとGoogleの違いなど、日本人の著者ならではの視点でウェブ産業の戦略について考察されていますので、ウェブサービスを運営されている方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■市場のライフサイクル(マイケル・ポーター「競争の戦略」)
・導入期 感度の高い顧客を巻き込め
・甘く、儚い成長期
・成熟期は熟れた果実
・衰退期のイノベーションとM&A
■成熟期の競争上の3つの課題
・まず、競合他社に対して差別化すること
・次にフォロワー戦略への対策を練ること
・そして固定化するシェアをひっくり返す一手を打つこと
■欧米サイトと日本語サイトの違い
・英語はSVOCを基本として論理的・構造的に文法が構成される
・日本語は主語が欠けても文章が通じるなど、より感性的な文法
 日本では割とごちゃごちゃとしたデザインのサイトが好まれる

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マーケティング3.0 (フィリップ・コトラー) は、ソーシャルメディアによる表面上の変化だけが現在のパラダイムシフトを起こしているのではないことを教えてくれる必読書。

4023308390 「マーケティング3.0」は、文字通りマーケティングの第一人者と言えるフィリップ・コトラーが最近のマーケティングをめぐる変化について書いた書籍です。
 個人的にもコトラーには非常に大きな影響を受けた人間ですので、当然昨年この本が出た直後にすぐ買って読んでいたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
(ちなみに英語版の原著も買っていたものの、英語で読むのがつらく放置してあったのは公然の秘密です) 
 
 このマーケティング3.0は日本語版では副題に「ソーシャル・メディア時代の新法則」と入っているため、ソーシャルメディア活用が話題の中心のように勘違いされる方も少なくないようですが、この本が取り上げているのはマーケティングにおける本質的な変化です。
 日本においては「マーケティング」というといわゆる広告宣伝であったり、もっとするとリサーチであったりというイメージを持たれる方も少なくないのですが、実際にはマーケティングというのはあのピーター・ドラッカーも企業が持つべき機能としてマーケティングとイノベーションの2つをあげているように、企業の経営において非常に中心的な役割を果たす概念です。
 何しろ「Market +ing」ですから「市場+ing」なんですよね。
 そんなマーケティングの基本概念を導いていたコトラーが、今回のマーケティング3.0では本質的な環境の変化が起こっていることを大きく強調しており、個人的には非常に刺激になりました。 
 特にネット業界の人間は、ついつい昨今の変化がインターネットだけによって引き起こされていると錯覚しがちですが、この本で3つの変化があげられているように、実はネットによる表面上の変化だけでなく、様々な根本的なパラダイムシフトが現在起こっているというのは忘れていけないポイントのように思います。
 
 マーケティングのあるべき姿について、基本から考え直すためにも、必読書だと言えると思いますし、ソーシャルメディアによる表面上の変化に一喜一憂すべきではないということを教えてくれる本だと思います。
 マーケティングや広告に携わる人だけでなく、ネットやソーシャルメディアに関わる全ての人に是非読んで欲しい一冊です。
【読書メモ】
■マーケティングの変遷
・マーケティング1.0 製品中心のマーケティング:1対多数の取引
・マーケティング2.0 消費者志向のマーケティング:1対1の関係
・マーケティング3.0 価値主導のマーケティング:多数対多数の協働
■ソーシャルメディアの二つのカテゴリー
・表現型ソーシャルメディア (ブログ、Twitter、YouTube、Facebook、Flickr等)
・協働型ソーシャルメディア (Wikipedia、ロトン・トマト、クレイグズリスト等)
■インターネット利用者の74%がブログを読む日本とは異なり、アメリカのブログ読者は27%前後しかブログを読まない。だが、読者の割合こそ低いが、アメリカのブログ読者は34%がインフルエンサーだ。
■マーケティングの進化
・第一期:取引志向で、どのようにして販売するかに焦点を当てていた。
・第二期:関係志向になり、どのようにして顧客に継続購入させるかに主眼を置く
・第三期:企業の製品開発やコミュニケーションに消費者を参加させる方向に移行

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ストレスフリーの整理術 実践編 (デビッド・アレン)

4576101714 「ストレスフリーの整理術 実践編」は、「ストレスフリーの仕事術」「ストレスフリーの整理術」でもお馴染みのデビッド・アレンさん執筆、田口さん翻訳で書かれた書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 デビッド・アレンさんと田口さんといえば、日本でもGTDやライフハックブームを引き起こした火付け人と言えると思いますが、この本ではそんな二人からGTDを実践し続けるためのヒントやアドバイスが満載です。
 GTDに一度チャレンジしたけれども、なかなか長続きしていないという方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■GTDが広まった3つの要因
・GTDが、誰にでも理解できる論理的なプロセスとして機能している。
・GTDは、誰もが持っている日常的な道具を用いて、誰もが思い立ったときに気軽に導入できる。
・GTDが解決しようとしている問題が世界的な規模で広まりつつある。
■ワークライフバランスという発想には根本的な間違いがある
 「仕事」と「プライベート」がきっかり区別されるべきだという前提がそもそも間違いなのだ。

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