ブログで書くとちょっと大げさに聞こえてしまうかもしれませんが、このたび政府広報アドバイザーをさせて頂くことになりましたので、こちらでも情報開示させて頂きます。
政府広報というと、一見政治的な話題に首を突っ込むのかと勘違いされてしまうかもしれませんが、あくまで今回ご依頼頂いた主語は政党や政治家ではなく「内閣府」。
政治ではなく行政側の依頼になります。
今回依頼を頂いた役割として依頼文に書いてある主な項目は以下の二つ
○政府広報アドバイザーとして、実施した政府広報について定期的にご意見をお伺いしたり、評価をいただきます。
○政府広報室や内閣広報室の職員を対象とした広報・宣伝に関する勉強会で、お話を頂きます。
なんだか、これだけ読むと本当に畏れ多い感じですよね・・・
当然、AMNの社長をやりながらのアドバイザー業務ですから、フルタイムでコミットするわけではなく、本当にたまにアドバイザー活動に参加させて頂く程度になってしまうわけで。
本業もまだまだの現段階で、政府広報のアドバイザーなんておそれ多いですし、お断りしようという気持ちにも何度もなったのですが。
月別: 2012年2月
書籍「ゲーミフィケーション(井上明人)」を読むと、ゲーミフィケーションという言葉はソーシャルゲームブームのことではなく、様々な企業活動や取り組みに活用できる「ゲーム化」というコンセプトであることが分かるはず。
「ゲーミフィケーション」は、タイトル通り最近話題のフレーズである「ゲーミフィケーション」について書かれた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、ゲーミフィケーションというフレーズを流行語としてではなく、一つの可能性として冷静に分析されています。
オバマが大統領選挙の時に構築したマイバラクオバマとハワードディーンのゲームの比較や、ディズニーの社内表彰制度とフェイスブックの類似の社内システムの比較など、実に幅広い視点でまとめられているのが大きな特徴と言えるでしょう。
日本においては、「ゲーム」という言葉はテレビゲームのことを指すとイメージしている方が多いため、ゲーミフィケーションというと、ソーシャルゲームが流行っているのと重なって、企業がソーシャルゲームを作ることと勘違いされている方も意外に多いようですが、実際にはゲーミフィケーションとは「ゲーム化」のことで、それ以上でもそれ以下でもありません。
一方で、実はこの「ゲーム化」ということには実に大きな可能性が秘められているというのが、最近のゲーミフィケーションの盛り上がりの背景にあると言うのは決して忘れてはいけないポイントでしょう。
退屈な作業や、モチベーションを保てない行為においても、ゲーミフィケーション的な要素が組み合わさることで、楽しくなる可能性があります。
個人的な象徴としてあげたいのは、インサイトやプリウスなどのハイブリッドカーのエコドライブランキング。
本来ドライブのランキングと言えば、目的地に着くまでの時間を競うのが当たり前で、ゆっくり走るのはかっこわるい行為だったと思いますが、燃費を競うという仕組みを作ったことで燃費を良くするために「ゆっくり」走ることがかっこよくなり、自慢できる行為になるわけです。
昨今のゲーミフィケーションブームを冷ややかにみている方には、是非この本を読んで頂くと、自分なりのゲーミフィケーションの活かし方が見つかるのではないかと思います。
個人的には「オバマのつくり方」も合わせて読むのをオススメします。
【読書メモ】
■流行語としての「ゲーミフィケーション」という言葉に踊らされる必要は無い。何なら、ゲーミフィケーションという言葉は使わなくてもいい。
■2015年までにイノベーションを司る組織の半数以上が、そのプロセスにゲーム的な要素を取り入れ、2014年までにグローバル企業2000社のうち70%以上がマーケティングと顧客の維持のため、少なくともひとつ以上のゲーム化されたアプリケーションを持つ事になるだろう。(ガートナー)
■マイバラクオバマ・ドットコム
まずは、登録。そして、個人情報の入力。そして、友達を誘う電子メールを送信する。
こうした誰でも簡単にできる事を少しずつ続けていくと、マイバラクオバマ・ドットコムのなかでのレベルが上昇していく。
世代論のワナ (山本直人)
「世代論のワナ」は、「「買う気」の法則」や、「電通とリクルート」などの著作を書かれている山本直人さんが書かれた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、深く考えずに使われがちな世代論について山本さんならではの視点で冷静に解説されています。
世代論というのは、いろんなところで議論の火種になっていますが、この本を読むと実は世代論を軸に議論していること自体が議論がかみ合わない原因なのではないかと思えてきたりします。
一歩引いた視点で世代論について考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■若者の変化を批判的に論じる人やジャーナリズムが、どうにも二面的で、身勝手に感じられてきた
そもそも、ゲームもケータイも大人が考え出して若者に売り込んだものだ。それで若者に負の変化が起きたとしても、その原因は大人にある。
■実を言うと、今までの日本の世代論のほとんどは若者論だったのだ。10代後半から20代後半の間に何らかのレッテルを貼られていたのである。そして、そのレッテルは、彼らが社会人になると段々と剥がれていった。
ところが、近年になって若者以外の世代が、論じられるようになってきた。
■世代論=若者論ではなくなってきた。それは、大人が大人らしくなくなってしまったからともいえる。
スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン (上野陽子)
「スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン」は、タイトル通りスティーブ・ジョブズのプレゼンから英語でのプレゼンのポイントについて考察された書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
スティーブジョブズのプレゼンと言えば、ベストセラーとなったカーマイン・ガロ氏の「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン」が有名ですが、この本はその本をベースに、実際に英語でプレゼンするためのポイントを教えてくれる本と言えます。
この本では、具体的な言い回しやフレーズを、スティーブ・ジョブズのプレゼンでのフレーズをもとに紹介してくれていますので、実際に英語でのプレゼンに挑戦してみたい方には参考になる点がある本だと思います。
個人的にも、いつかこの本を使って英語プレゼンに挑戦してみたいです。
【読書メモ】
■ジョブズのプレゼンのポイント
・冒頭で注意を引く
・経緯を報告
・ロードマップを描く
・3点ルール
・ヘッドラインと骨格
・敵役の登場
・敵は何か(従来の問題点)
・疑問の提示
・ヒーローの登場
・デモ
・多角的にアピールする
・共感できるたとえ話
・シンプルかつ効果の高い表現を使う
・視覚に訴える
・機転を利かせる
・目標と数字の提示
・プレゼンを効果的に締めくくる
ステルスマーケティングで短期的に儲かったところで、結局長い目で見ると自らの首を絞めているダイナマイト漁みたいなものだという話。
今朝、日テレさんのZIPで、Facebookについてコメントさせて頂いた興奮冷めやらぬ今日この頃ですが、実は今週テレ東さんのワールドビジネスサテライトでも取材をして頂きました。
こちらのお題は、うってかわって食べログの「やらせ」や「ステルスマーケティング」の問題。
あくまで主役はやらせ投稿の舞台となった食べログを運営するカカクコムさんなので、今日の放映で私のコメントが実際に使って頂けるかどうか分かりませんが、一部の発言だけで誤解を生むのも怖いので、こちらに私の言いたかった事を書いておきたいと思います。
「ステルスマーケティング」や「やらせ」に対する私のスタンスは、先日ブログに長々と書いたとおり、深刻な問題だと思うし根絶するべきだけど、実際にはかなり根深い問題で簡単には解決できないだろう、というスタンスです。
・「ステルスマーケティング」や「やらせ」行為は、やらせが判明した場合のリスクが実は非常に大きい事が理解されないと変わらないのではないだろうか
じゃあ、だからといってステルスマーケティングをやって良いと思っているかというと、当然そんなことは一切ありません。
そもそも、AMNは2006年頃に大量発生したペイパーポスト型のステルスマーケティング手法のアンチテーゼとして発足した会社。そういう意味では、ステルスは絶対にやらないというのが会社設立における一つの不文律で、この5年間、愚直にそれを続けてきた自負があります。
AMNのブログマーケティングポリシーをみて頂くと分かると思いますが、WOMマーケティング協議会のガイドラインができる2年前となる会社設立直後の2007年から関係性の明示をポリシーに明記してきました。
正直なところを言うと、このポリシーのおかげで断る事になった案件は数知れませんし、まだ事業が成り立たず会社の経営が厳しかった初期の頃に、関係性の明示をするポリシーを下ろして、ステルスマーケティングに近い手法に手を出せば楽に受注できるんだろうなと、羨ましく思った事が無いと言ったら嘘になります。
ただ、AMNパートナーブロガーの方々の厳しい指導もあり、何とか私自身、信念を曲げずに今日までステルスマーケティングのダークサイドに落ちずにやってくることができたと思っています。
じゃあ、私が金儲けが嫌いな清廉潔白な人間か?と言ったら、もちろん企業の経営者ですから全くそんなことはありません。
ただ、ステルスマーケティングに手を出すのは、実は自爆行為なんじゃ無いか、というのが私の率直な意見です。
実は、私の中で忘れられない経験になっているのが、NTTを退職する直前に有休消化でいったOperation Wallaceaというプロジェクトでのインドネシアでの体験です。
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Facebookが、なんでトヨタやドコモと匹敵するような7兆円もの時価総額の評価を受けるのか意味不明という方に。
昨日、たまたま日テレさんの朝の情報番組ZIP!の取材を受ける機会がありました。
そのテーマは「Facebook上場」
私も、株価に関しては専門家ではありませんから、そもそも評価額についてコメントできるものではないのですが、さすがにテレビの短い時間では言いたかった事は伝わらないと思うので、こちらにも簡単にメモしておきたいと思います。
(実際自分で放送みたら、知らない人には分かりづらいコメントだろうなと痛感してしまい(苦笑))
米国のメディアやブログは、この数日完全にこの話題で持ちきりな印象です。
なにしろ現在の評価額でフェイスブックが上場すると時価総額は1千億ドル。
日本円に換算すると7兆円を超える超大型上場ということができます。
これも今円高だから7兆円と、ドルベースでみるより印象が桁一つ減ってますけど、1ドル=100円だったら10兆円ですからね。
日本企業トップのトヨタの時価総額が約10兆円で、2位のドコモが約6兆円だという事を踏まえると、設立10年もたってない会社が一気に名実ともに世界のトップ企業に急成長したわけで、まぁすさまじい話です。
ただ一方で、現時点で公開されたFacebookの決算情報を見ると、2011年の売上が37億ドルで純利益10億ドル。日本円に直すと売上が2800億円で利益が760億円。
今期のグリーの業績予想が売上高は1600億~1700億円で最終利益は440億~500億円とのことですから、せいぜいグリーの2倍弱でしかないんですよね。
もちろんグリーの売上と利益がスゴイという話ではあるんですが、そのグリーの時価総額は現時点で5000億円ぐらいなのに、Facebookがその10倍以上あると言うのは、普通に業績から株価を算出する人にはありえない金額に見えてしまうのは非常に良くわかります。
そういう意味で、まず考えるべきは、フェイスブックの現在のポジション。
個人的に考える、フェイスブックの確実に評価すべきポイントは三つあります。
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