マーケティングにおいて最も重要なのは、最新テクノロジーの活用ではなく、顧客が驚き感動するストーリーがあるかどうか

 現在、昨年もブログで紹介させて頂いたiMediaブランドサミット2014に参加させて頂いてます。
 現在の所、2日目のキーノートスピーチが個人的に印象に残ったのでメモをしておきたいと思います。
 キーノートスピーカーはマスターカードのグローバルのデジタルマーケティング責任者であるAdam Broitmanさん。
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 米国におけるインターネットマーケティングリーダーのTOP25にも選ばれるような人なので、一件テクノロジーやデジタルの話をするのかなと思いきや、一貫して強調されていたのはタイトルにも書いた「重要なのはテクノロジーではなくストーリーだ」という話でした。
 もちろん、Adamさんはテクノロジーとマーケティグの融合が得意な方で、今後全てのマーケティングはデジタル抜きには語れないと話していた方なので、デジタルやテクノロジーを重視している人なのは間違いないのですが。
 だからこそ、Adamさんが最新テクノロジーに振り回されるのではなく、「ストーリー」が重要だと強調されるのは興味深いところです。

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世界の駅の乗降客数ランキングで日本が上位を独占するほどの人数を毎日安定してさばけているのは、鉄道会社だけの手柄では無いという視点

 昨日、「NHKの震災ビッグデータ特集で取材を受けて、ツイッターのログとしての価値を身をもって感じてしまった話。」という記事で、取材を受けた経緯の話を書きましたが、今日はついでにその取材の時に最も印象に残った話を書いておきたいと思います。
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 NHKの取材写真の後ろをよく見ていただくと銀座線が映っていることから分かるように、あの取材は溜池山王の地下鉄の駅のホームで実施されています。
 当然、地下鉄のホームの中での撮影と言うことで、当日は東京メトロの広報の方が同行されていました。
 NHKの番組中では、雪がふる中、私が駅に向かって歩いて行く様子が実際に放映されていましたが、あれ以外にも地下鉄に乗るシーンとか、地下鉄に乗ったまま駅を通り過ぎるシーンとか、地下鉄自体の撮影とか、多数のシーンを撮影してるんですよね。
 NHKさんの取材は本当に丁寧だなぁと毎回思います。
 
 という話は置いといて。
 個人的に、今回、東京メトロの広報の方と話していて興味深かったのが、ブログ記事のタイトルに書いた話。
 
 地下鉄の広報の方に話を聞く機会とか滅多にないので、撮影の合間とか移動時間に、いろいろ質問をさせていただいていたのですが。
 個人的に気になって聞いたのが、過去にネットで話題になっていた世界の駅の乗降客数ランキングの話。
列車の年間乗客数ランキングにほとんど日本がランクインしている
 かなり話題になっていたのでご存じの方も多いと思いますが、こちらのグラフを見る限り、世界の駅の乗降客数のランキングのトップ50って、ほとんど日本の駅が占めてるんですよね。
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 軽く25位までの駅名を転記させていただくとこんな感じ。
1新宿(東京)
2渋谷(東京)
3池袋(東京)
4梅田(大阪)
5横浜(神奈川県)
6北千住(東京)
7名古屋(愛知県)
8東京(東京)
9品川(東京)
10高田馬場(東京)
11難波(大阪)
12新橋(東京)
13天王寺(大阪)
14秋葉原(東京)
15京都(京都)
16三宮(神戸)
17大宮(埼玉県)
18有楽町・日比谷(東京)
19西船橋(千葉県)
20目黒(東京)
21大門・浜松町(東京)
22上野(東京)
23押上(東京)
24パリノール(パリ、フランス)
25台北駅(台北、台湾)
 1位から23位まで日本の駅が独占していて、24位にようやくフランスのパリ、25位に台湾の台北が入ってくるという、誰が見ても笑ってしまう状況です。

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有料メルマガと、無料のブログやソーシャルメディアの情報発信は、根本的に必要な才能が違うんじゃなかろうか

 ここしばらく、有料メルマガのブームが終わったというブログ記事を目にすることが多いので、昔から一度まとめようと思っていた自分の考えを書いておこうと思います。
 主な論点は下記の記事にまとまっているので、そちらを見ていただくとして。
「休刊・廃刊メルマガ特集」を自分で紹介する:渡辺文重の有料メルマガ批評
2014年メルマガ「ブーム衰退」を振り返る – 乱れなよ、そして召されなよ
 象徴的な出来事としてわかりやすいのは、グリーの有料メルマガサービスMagarlyが1年で終了した点でしょうか。
グリーの有料メルマガ「Magalry」終了 開始から1年余り
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 まぁ、この辺は本業のソーシャルゲームの動向との兼ね合いもあると思うので、一概に連動した出来事とはいえないかもしれませんが。
 何となく2012年頃のブームを考えると、一時期のセカンドライフほどではないものの、ピークと実態の乖離が非常に幅のある結果になってしまった印象はあります。
 有料メルマガ自体は、そもそもインターネットの黎明期から存在するビジネスモデルで、目新しいものではありません。
 それが2012年の頃にブーム的に注目されたのは、津田さんや堀江さん、やまもといちろうさんなどネット系の著名人による有料メルマガの成功事例が明確に見えてきたからだったと記憶しています。
 特に津田さんは、ツイッターのフォロワーが日本トップクラスで注目されていたものの、ブログのGoogle Adsenseのような書き手への収益還元の仕組みがツイッターには存在せず、「ツイッターだけで生きていければ良いのに」と飲み会かどこかでこぼしていたのをぼんやりと覚えています。
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家入さんが、ドクター中松を破って泡沫候補中の1位になった事実に、ビックリしているのは私だけでしょうか?

 なんか気がついたら急に始まっていた東京都知事選ですが、45年ぶりの大雪とかソチオリンピックとかにかまけていたら、気がついたら終わっていたという方も多いんじゃないでしょうか。
 個人的には神奈川県民なので、そもそも投票権無くて全く関係なかったりするわけですし、会社として選挙関連に関わらないのは前に宣言した通りですが、唯一ネット業界の人間として、また知人として若干の興味をもって横目で見守っていたのが、家入さんの動向でした。
 
 そもそもの私自身の家入さんに対するスタンスは、こちらの東さんの記事とほぼ同じ。
なにも書く気が起きない ポリタス 「東京都知事選2014」を考える
 「家入は昨年末に出馬を宣言したあと、いちどあっさりと取り下げているなど、信用できない行動が多い。記者会見で語った動機も「出馬をツイートしたらたくさんRTされて引っ込みがつかなくなった」というもの。つまりは、本気で政治家になる気があるのかどうか、さっぱりわからないのだ。」
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 個人的にスタディギフトの炎上騒動の記憶がまだ薄れていないのもありますが、家入さんってどこまで何が本気なのか良く分からないんですよね。
 それが家入さんの魅力でもあるわけですが。
 今回の家入さんの出馬の経緯を見るとネタにしか思えませんし、失礼な言い方ですが、とても本気で政治家とかやる気があるとは思えません。個人的には家入さんと面識がある立場ではありますが、もし仮に自分が東京都民だったとしても、今回の都知事選では家入さんには投票しなかっただろうと思います。
 そういう意味では、東さんが「家入の得票が、せめてドクター中松を超えることを心から祈っている。ドクター中松は2012年の都知事選では12万票を集めており、なかなか手強い。」と書かれているように、個人的な印象としては、家入さんがドクター中松に勝つのは難しいんじゃないか、というのが率直なイメージでした。
 何しろ知名度で考えたらドクター中松は全国区だと思いますし、泡沫候補の中でもテレビで安定して取り上げられる数少ない泡沫候補代表の印象が強くあります。
 でも、家入さん、ドクター中松に得票数で勝ったんですね。
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 正直ビックリです。
 凄いですよね。

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半日の間に3件もパネルディスカッションのモデレーターをどうやって一人で回しているんですか?という質問に対する5つの答え

 実はブロガーサミットの懇親会の時に、一番良く聞かれた質問がこれでしたので、この機会に私のパネルディスカッションへの姿勢を開示しておきたいと思います。
 ブロガーサミット自体の13時~19時の6時間の間に6つのパネルディスカッションという詰め込みすぎなスケジュールを見て頂ければバレバレだと思いますが、私はパネルディスカッションが大好きです。
 まぁ、要は大の議論好きなんですよね。
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 1月のアンバサダーサミットでも、ブロガーサミット同様モデレーターを半日3回させてもらいましたし、2011年のソーシャルメディアサミットでは4件連続でモデレーターをさせて頂いたこともあります。(さすがに4件連続は休憩無しできつかったので、もう一度やりたいとは思いませんが)
 ブロガーサミットが終わった直後に、ついツイッターに、もう一つセッションやりたかったと本音を書いてしまいましたが。


 あの規模でのイベントがもう一度やりたいかどうかは別として、自分が好きなトピックを議論するディスカッションであれば、個人的には一日中議論をし続けていても大丈夫なタイプです。
 
 ただ、もちろん、一日中やっていても大丈夫なのは自分がパネリストの場合であって、自分がモデレーターをやるときは事情が結構変わってきます。
 何しろパネリストであれば、聞かれた質問にアドリブで答えていれば良いので、基本的に全く準備無し、精神的負担無しで続けることができるんですが。
 「モデレーター」をやる場合には、そのセッション自体の進行概要や時間管理に責任を負うわけで、完全にフリーダムというわけにはいきません。
 そこで、今回のような一日に連続でパネルディスカッションをやるときに心がけていることが5つあります。
 せっかくブロガーサミットが終わってすっきりしているので、今日はこっそり公開してしまいましょう。

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低学歴か高学歴かは、ソーシャルメディア炎上の原因とは全く関係なくて、要は「カッコつけたがり」かどうかの問題だと思う。

 ブロガーサミットの準備が佳境に入ってきていて、関係ないブログ記事とか書いている場合ではない状況ではあるのですが、どうしても気になってしまったので勢いでブログ書きます。
 先日の「コンビニや飲食店の冷蔵庫バカ写真炎上騒動が連鎖し続ける背景にある8つの要因」という記事を書いたこともあり、なんとなくその周辺の記事を横目で追っていたんですが。
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 個人的に非常に残念だなぁと思っていたのが、一部の人たちのバカな行為の背景についての議論が、いつのまにか低学歴と高学歴の議論になって、低学歴な人はバカな行為をするのは仕方が無い的な流れになっている面があることです。
 多分、この議論のきっかけは、24時間残念営業さんの「うちら」の世界 の記事で、「低学歴の世界」という表現が使われたからだと思うんですが。
 24時間残念営業さんでも最初に「どうオブラートに包んでもうまく表現できないだろうから、あえて露骨な言葉を使う。」と断ってから使われていて、あくまで高学歴と低学歴の対比のために使ったというよりは、「彼ら」の世界を表現するために使ってると思いますが、やっぱりこういう対比の言葉って一人歩きしやすいんだなと改めて思います。
 24時間残念営業さんの記事の後に低学歴論が加速する背景になった記事としては、おそらく下記の二つの記事が連鎖したのが大きいんだと思います。
私のいる世界→追記の記事2つあります – ひきこもり女子いろいろえっち
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低学歴と高学歴の世界の溝
 二つの記事は本人の実体験に基づいている記事で、私自身も読んで非常に納得してしまったし、こういう事実はあるんだと思いますし。
 これはこれで、日本が抱えている問題に対する問題提起として、重要な議論だなと思います。
 
 とはいえ、今回の炎上事例の連鎖反応を、学歴と紐付けて語るのは違うと思いますし、この流れでそういう文脈ができてしまうのは良くないと思います。
 自分の書いた記事も勘違いされていると嫌なので、このブログごときで書いても伝わらないかもなぁとは思いつつも、書いておきます。
 とか長い前置き書かなくても、シンプルな話として分かりやすいのは、丁度タイムリーに出てきた昨日の下記の記事でしょう。
USJ迷惑行為で送検された大学生――”余罪”を次々に告白
 ここ最近は、飲食店冷蔵庫系の炎上事例が連鎖しているので、バカな行為の写真アップの象徴はローソンの炎上事例が象徴となっていますが、実はその2ヶ月以上前に大きな話題になっていたのがアトラクション系の迷惑行為です。
 で、この行為を行っていたのは神戸大生。低学歴か高学歴かの分類で言えば明らかに高学歴ですよね。
 実際5月にはこんな記事が掲載されています。
USJで集団迷惑行為の常習犯!神戸大のバカ学生
USJ迷惑騒動で分かった大学生の”低レベル”――次々と明らかに
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 「神戸大のバカ学生」とか「大学生の低レベル」ですからね。
 低学歴・高学歴の分類で言うと、高学歴側の人たちが実際には同様の「バカな行為」を存分にやってるわけです。
 どうしても他に表現する言葉が見つからなくて私も「バカな行為」とバカという単語を使っているので、バカ≒低学歴と脳内変換されやすいのも問題なのかもしれませんが、こういう社会的にバカな行為をするかどうか、というのは学歴とは何の関係も無いという良い証拠です。

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