「ミニコミ2.0」は、ミニコミ誌周辺の論客のインタビューや議論をまとめた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、様々なメディア関係者のメディアの未来についての視点がまとめられていますので、ミニコミだけでなく、メディアの未来を考えている方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■僕らミニコミ誌の最大のアドバンテージが取り次ぎを通していない、直販にある(宇野常寛)
■雑誌って圧倒的に編集長ものなんです。
ミニコミ誌の場合、友達と一緒に作るからどうしても合議制を取らざるを得ない。(速水健朗)
■あるものが潤沢化したときにはサブセットで、その隣接領域に新しい希少が持ち上がってくる(クレイトン・クリステンセン)(小林弘人)
カテゴリー: 読書メモ
「経験経済(B・J パイン、J・H・ギルモア)」は、今だからこそ日本企業が考えるべきポイントを教えてくれる本だと思います。
「経験経済」は、現在の企業間競争の本質の変化について考察した書籍です。
昨年読んでいたのですが、先日海外の方との打合せに出てきて刺激を受けたのもあり、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、コモディティ、製品、サービス、そして経験へと、企業の差別化のポイントが時代とともにシフトしている点に焦点を当てています。
私が読んだのは2000年に出された書籍が、2005年に再出版されたものになりますが、今読んでも古く感じることはなく、ソーシャルメディアが話題になっている今こそ、あらためて注目しなければならない書籍のように感じます。
実際問題として現在の企業間競争においては、製品の機能はもちろん、サービスのレベルでも差別化が難しくなっているのが明らかな現状でしょう。
そんな中、ディズニーランドやアップルのように、一見競合他社と同じ事業を行っているようで、利用者側からは全く違う企業として受け止められる、そんな経験を提供できる企業になれるかどうかが、明らかに選ばれる企業になるための条件になってきています。
多くの日本企業は、どうしても高度経済成長期の成功体験から、価格競争や製品やサービスの機能競争に陥りがちな印象がありますが、中国や韓国など人件費の安い国の企業の台頭が目立つ中、もはやそのレベルでの競争に限界があるのは明白。
そう言う意味で、日本企業が目指すべきは、この「経験」そしてその上にある「変革」レベルの戦いになるはず。
今回の震災をきっかけに、世界に対して新たに「日本」というブランドをどのように位置づけていくかという話とセットで、今こそ改めて考え直すべきポイントのように思います。
【読書メモ】
■コモディティ化。この言葉が自社の製品やサービスに使われて喜ぶ企業はない。
■コモディティから製品、サービス、そして経験へと進化するのが経済価値の本質なのである。
■インターネットは、製品もサービスもコモディティ化する強力なパワーを持っている。昔ながらの商売に見られる人と人の関わりという要素の多くを取り除いてしまうからだ。
■経験ステージャー
製品やサービスそのものではなく、それをベースに顧客の心のなかに作られる感覚的にあざやかな経験を提供する。
これまでの経済価値はすべて買い手の外部に存在しているが、経験は本質的に個人に属している。
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経営戦略パーフェクトセオリー (手塚貞治)
「経営戦略パーフェクトセオリー」は、日本総合研究所の手塚貞治さんが出された経営戦略をまとめた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、著名な経営戦略の大家の戦略論を6つのグループに分けて、特徴やメリットデメリットを考察されていますので、経営戦略について1度引いた視点から考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■戦略論者は「戦略」をどう一言で説明しているか
「長期の基本目標を定めたうえで、その目標を実現するために行動を起こしたり、経営資源を配分したりすること」(チャンドラー、1962)
「自社の相対的な企業力を用いて顧客のニーズをより満足させ、競合相手との差を最大化すべく努めること」(大前研一、1982)
「無数の行動と意志決定の中に見いだされるパターン」(ミンツバーグ他、1985)
「組織の発展プロセスを指導する新しい意志決定ルールとガイドライン」(アンゾフ、1988)
「企業が複数の市場における活動を組み立て調整することによって、価値を創造する方法」(コリス=モンゴメリー、1998)
「企業が考えた競争に成功するためのセオリー」(バーニー、2002)
1日10分からのソーシャルネット入門 (内藤みか)
「1日10分からのソーシャルネット入門」は、「Twitter小説集」も手がけられた内藤みかさんが出された書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、内藤みかさんならではの視点で、各種ソーシャルメディアの使い方や位置づけが紹介されていますので、ソーシャルメディア初心者の方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■ソーシャルネットワークの書き込みには3つの種類がある
・多くの人が反応する書き込み。ニュース性、速報性のあるもの。
・多くの人が反応しない書き込み。個人的なもの。
・たとえ多くの人が反応してくれなくてもどうしても人に知らせたい書き込み
「新しいPRの教科書(ブライアン・ソリス他)」は、ソーシャルメディアによって変化するPRのあり方を考えるのに最適な本だと思います。
「新しいPRの教科書」は、米国でソーシャルメディア時代のPRの提唱者として非常に有名なブライアン・ソリス氏が書かれた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
副題に「ソーシャル時代に求められる「知」と「技」とあるように、この本では、ソーシャルメディアを活用したPR2.0の提唱者であるブライアン・ソリス氏ならではの視点から、これからのPR業界のあるべき姿や、手法について考察されています。
ブライアン・ソリス氏は、米国のデジタルPR業界における論客の一人です。個人的にも以前から注目していた人なのですが、いつのまにか「グランズウェル」の著者のシャーリーン・リー氏が設立したAltimeter Groupの仲間入りをしていたようですね。
自ら実践して、いわゆるPR業界ではない業界に身を投じたというところでしょうか。
この本の原題は「Putting the Public Back in Public Relations」
直訳するなら「パブリックをPR(Public Relationsに戻す」でしょうか。
日本語の題は「新しいPRの教科書」となっていますが、著者の本意は、マスメディアリレーションだけを対象としている現在のPRを、そもそもパブリックが対象であったはずのPRに戻す、という、ある意味「原点回帰」にあるように感じています。
個人的にも「カンバセーショナルマーケティング」のプレゼンをする際に、良く江戸時代の商売を考えればソーシャルメディア時代のマーケティングは簡単だという話をしていますが、同じことがPR業界にも言えます。
この本は、ソーシャルメディアによる変化で戸惑っている企業の広報担当や、PR業界の方々はもちろん、ソーシャルメディア時代のPRの変化について考えてみたい方には参考になる点が多々ある本だと思います。
この本が気に入った方は、先日紹介した「デジタル・リーダーシップ」も合わせてどうぞ。
※ちなみに、この書籍にもたびたび言及されている、ブライアン・ソリスも設立に携わった「Social Media Club」の日本支部立ち上げを私の方で担当することになりました。
ご興味のある方は、是非こちらのFacebookページにご登録下さい。
【読書メモ】
■PR業界に求められる姿勢は「今のPRのどこが悪いのか?」ではなく、「変化の激しいこの時代に、PRの効果を高めるためにできることはないか?」である。
■PRの効果が現われない理由(ジェレマイア・オーヤン)
・対話と独り言の違いがきちんと理解されていない
・マーケティングはストーリーを語るものであって、プレスリリースで味気ない事実を発信することではない
・招待する相手、メッセージを送る相手に一般消費者を含めていない
・社内でPRを担当する部署が複数ある(PRを正しく認識していない証拠)
■結局、PR会社の質が悪いということだ。PR会社に敵意を持つ人が多いのは、情報を操ろうとしたり、上辺だけきれいに見せようとするからだ。今日の消費者は、PR会社よりも近所の人やブロガーの言葉の方を信じる。(クリス・ハウアー)
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デジタル情報整理術 (いしたにまさき 松田ぱこむ)
「デジタル情報整理術」は、タイトル通り、デジタル情報の整理術について紹介されている書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、「クチコミの技術」や、「ネットで成功しているのは<やめない人たち>である」など、様々な書籍を書かれているいしたにさんならではの視点で、EvernoteやScanSnapなどを活用した新しいデジタル情報の整理術が紹介されていますので、情報整理術がどうも上手くいかないという方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■デジタル化のメリット
・いつでもどこでもアクセス可能
・作業効率の最大化
・情報ロストの回避
■ポイントは半自動化
・できるだけ時間をかけない&いきなり全部やろうとしない
・ひと手間かける