「マーケティングとPRの実践ネット戦略」は、News2uの取締役をされており、先日のWiredのiPhone記事騒動でも話題になった平田大治さんが翻訳を担当されたネットPRについての書籍です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
「ブログスフィア」のロバート・スコーブルが序文を書いていることでも分かるように、この本の著者は米国のブログ環境を非常に理解している人物です。
本人自身が自ら体験したことをまとめ、そのまとめた内容の電子ブックをブログで公開し、その反響も含めて改善している内容ですから、1つ1つの発言やアドバイスが非常に具体的で示唆に富んでいます。
インターネットを活用したマーケティングやPRに携わる方にとっては、必読書の一つと言えるのではないでしょうか。
「グランズウェル」や「戦略PR」と合わせて読むのもオススメです。
【読書メモ】
■多くの人がウェブという新しいメディアに対し、古ぼけた広告手法やメディアの考え方を当てはめようとして、目も当てられない結果に終わっている
■ウェブ以前は、「高額な広告を購入する」「メディアに取り上げてもらう」という2つの選択肢しかなかった。しかし、このルールは変わった。
■マーケティングやPRで成功するためには、大きなメディアの記事で取り上げられることは忘れた方が良い(ジェフリー・アイゼンバーグ)
これは農業のようなもので、一攫千金を夢見るのではなく、こつこつと耕し続けてこそ大きな収穫につながるのであり、「ごくふつうの人間に働きかけてこそ、でっかいヒットにつながる」
■ブログを読んでいない人はしばしばブログを誤解する。ジャーナリストやマーケティングとPRの専門家は、ブログを自分たちになじみのある雑誌や新聞と比べて否定しようとする。
■ブログの使い方の3ステップ
1.自社や、商品、市場などについて、大勢のブロガーがどのようなことをいっているのかを観察する
2.他人のブログにコメントし、そこで交わされる会話に参加する
3.自分のブログを立ち上げ、会話を始め、他の人に場を提供する
■企業の広報部というものは、自社のことについてばかり書いてくれるブログに関心を向けがちだ。だが、ブログを観察すると、自分のマーケットに影響力のあるブロガーが十人ぐらいいることがわかる。
■コーポレートガバナンスのガイドライン
ブログに焦点を当ててガイドラインを作るよりも、人々の行動に焦点を当てた方がいい
カテゴリー: 読書メモ
一流の人脈術 (島田 昭彦)
「一流の人脈術」は、株式会社クリップの代表をされている島田 昭彦さんが書かれた書籍です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
著者の実体験に基づいた話がいろいろ出てきますので、人脈の作り方の基礎が分かっていないという方には、ヒントがある本だと思います。
【読書メモ】
■「偶然の出会い」と「置かれた環境の中で信頼関係を作る」
■島田流人脈 3つのポイント
・人間への好奇心
・フットワーク良く動く
・現場主義、現場100回(徹底的に人に逢う)
■重要な点は、その人が何に興味を持っていて、どんな生き方を目指していて、理想はあるのかという部分を知ること
■興味を持っている人に「ナゼ?」という言葉を言ってみると、意外とその人のことが、より深く知ることができるのです。
■人脈は、細くても長く続けるもの
■「縁以外は八百長」(藤巻幸夫)
情報力 (橋本 大也)
「情報力」は、情報考学 Passion For The Futureでもお馴染みの橋本大也さんが書かれた書籍です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
ハンドブック的な感覚で、情報収集のプロである大也さんのワザが体系的にまとめられているので、情報収集や分析がどうも苦手という人は、手元に置いてちょこちょこ参考にするのが良いのではないかと思います。
【読書メモ】
■私が資料として使うデータはネットにある物が9割。つまり、それは潜在的には誰でもアクセス可能な情報だったのだ。
だが、そうしたデータを見つけて整理してやると経済的な価値が出てくる。
■頭の中で考えただけなのとメモや文書にまで仕上げたことでは、その結果に天地の差がでてくる
■面白い本というのは次の3条件を満たす本のこと
・読み手の読者の動機づけが充分で
・未知の内容が書かれており
・難易度や趣味が今の自分に適合する
■同じ事実でも、立ち位置が違えば異なる解釈が生まれるものだ
この視差こそ情報を立体的に分析するのに最高の材料なのである
■私設顧問団の第一印象をデータベース化する
詳しそうな人たちに雑談的に意見を聞いて、直感の一覧表をつくる
ゾウの時間ネズミの時間 (本川 達雄)
「ゾウの時間ネズミの時間」は、生物のサイズから動物のデザインについて考察している本です。
「ヒトデはクモよりなぜ強い」について小飼さんが書かれていた書評の中で勧めていたので、購入して読んでいたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本で考察されているのは、あくまで生物学であり、「ヒトデはクモよりなぜ強い」とか「ウィキノミクス」のような経営学の話ではありません。
ただ、生物のサイズと時間の関係や、人間の常識の話だとか、目から鱗の指摘が満載ですので、前述の本とか「経営の未来」のような経営学の本が好きな方も、楽しく読める本ではないかと思います。
【読書メモ】
■体重が増えると時間は長くなる
(体重の増え方に比べれば時間の長くなり方はずっとゆるやか)
■心拍数一定の法則
哺乳類ではどの動物でも、一生の間に心臓は20億回打つ
一生の間に約5億回、息をスーハーとくりかえす
■島の規則
島に隔離されると、サイズの大きい動物は小さくなり、サイズの小さい動物は大きくなる
■人間の島の規則
島国という環境では、エリートのサイズは小さくなり、ずばぬけた巨人と呼び得る人物は出てきにくい。逆に小さい方、つまり庶民のスケールは大きくなり、知的レベルはきわめて高い
■技術というものは、次の3つの点から、評価されねばならない。
・使い手の生活を豊かにすること
・使い手と相性がいいこと
・使い手の住んでいる環境と相性がいいこと
夜と霧 (ヴィクトール・E・フランクル)
「夜と霧」は、ユダヤ人精神分析学者であるヴィクトール・E・フランクルがみずからのナチス強制収容所体験をつづった書籍です。
先日紹介した「ハイ・コンセプト」で紹介されていたので買って読んでみました。
書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
ナチス強制収容所というと、さまざまな映画でも取り上げられている題材だけに、なんとなく理解したような気になっている世界なのですが、まぁ正直言ってこの本に書かれている世界はそんなもんじゃありません。
正直、数あるナチス強制収容所を描いた映画が、かえって強制収容所生活を美化する結果になってしまっているのではないかと思えてくるほど。
テーマ的には「世界でひとつだけの幸せ」と同様、ポジティブに考えることがいかに重要かという本なのですが、正直前半を読んでいる間は人間が人間にできることの惨さに、すっかり暗い気分になるはずです。
でも、そこで支えになるのがそんな状況でもポジティブに生き抜いた著者の「わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ」というメッセージ。
自分の置かれた環境への不満が爆発しそうだったり、自分が不幸になる運命だと思いこんでいるような人は、是非読むべき本だと思います。
【読書メモ】
■人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。
人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。
■匿名で公表されたものは価値が劣る、名乗る勇気は認識の価値を高める、と自分に言い聞かせ、名前を出すことにした。
■わたしは事実のために、名前を消すことを断念した。そして自分をさらけ出す恥をのりこえ、勇気をふるって告白した。いわばわたし自身を売り渡したのだ。
■収容所生活が被収容者にもたらす精神病理学的症状に心理療法や精神衛生の立場から対処するには、強制収容所にいる人間に、そこが強制収容所であってもなお、なんとか未来に、未来の目的にふたたび目を向けさせることに意を用い、精神的に励ますことが有力な手立てとなる。
■わたしたちが生きることからなにを期待するかではなく、むしろひたすら、生きることがわたしたちからなにを期待しているかが問題なのだ、ということを学び、絶望している人間に伝えねばならない。
■「あなたが経験したことは、この世のどんな力も奪えない」
理系アタマのつくり方 (四ツ柳 茂樹)
「理系アタマのつくり方」は、株式会社OCLの代表取締役をされている四ツ柳 茂樹が書かれた書籍です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
論理的に考えるのが苦手という方には、参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■LACEの法則
・論理力(Logic)
・抽象力(Abstraction)
・計算力(Calculation)
・実験力(Experimentation)
■おおおよその数値から比較・判断する方法
数値を「キリのいい数」に変換することで、簡単に考えられる
■目安を計算して、データを活かす方法
どのようなデータを組み合わせれば計算できるか、自分で考えた上で「想定」する
■数値を知るために、計算式を分解する
細かい要素に分解して、概算を予測する
■SMARTの法則 (仮説のたて方)
Specific (具体的)
Measurable (計測可能)
Agreed upon (同意)
Realistic (現実的)
Timely (期限)