「多様な意見」はなぜ正しいのか は、いわゆる群衆の叡智の可能性について考察している本です。
先日の「未来を洞察する」同様、「群衆の叡智サミット」の主催者の岡田さんが紹介されていたので、購入して読んでいたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
「みんなの意見は案外正しい」で注目されていたような、多様な集団による可能性について、非常に詳細に分析をされています。
特に「一様な集団はたった一人の人を含んでいるのと変わらないのである」という点を論理的に分析しているくだりは、なかなか考えさせられます。
「ウィキノミクス」や、「クラウドソーシング」など、群衆の叡智的なアプローチを模索している方には、ヒントになる点がいろいろとある本だと思います。
【読書メモ】
■問題解決において、多様性は強力な要素である・
いつでも能力に勝るわけではないが、予想よりはるかに多くの場合で勝るのだ。
■多様性の分析
・多様な観点:状況や問題を表現する方法
・多様な解釈:観点を分類したり分割したりする方法
・多様なヒューリスティック:問題に対する解を生み出す方法
・多様な予測モデル:原因と結果を推測する方法
■「愚かな一貫性は、狭量な心の化け物だ」ラルフ・ワルド・エマーソン
■天才存在定理:どんな問題に対しても、富士山の地形をつくり出す観点が多数存在する
■サッカーママのようなカテゴリーが情報として価値を持つのは、そのタイプの人々の振る舞いや行動が他の人たちと違う場合だけである。
■多様性が能力に勝る
最高のソルバーたちは似たような振る舞いをしがちで、そのため集団になっても個人の時とさほど変わらない出来を示す。
一方、ランダムだが賢いソルバーの集団は多様になる傾向がある。この多様性が、集団としてより良い結果を生むのだ。
■一様な集団はたった一人の人を含んでいるのと変わらないのである。
カテゴリー: 読書メモ
宣伝費をネット広報にまわせ (濱田逸郎ほか)
「宣伝費をネット広報にまわせ」は、「次世代マーケティングプラットフォーム」の執筆をされた湯川鶴章さんや江戸川大学の濱田さんを始め、News2u社長の神原さん、ネットイヤー社長の石黒さんなど、そうそうたるメンバーの共著で書かれたPRについての書籍です。
最近、ネットを活用したPRにますます興味が湧いているのもあり、この本も購入して読んでいたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
「戦略PR」や「マーケティングとPRの実践ネット戦略」などに比べると、比較的基本的な内容が中心になりますが、著者毎に立ち位置の異なる視点で広報をめぐるポイントについて書かれているので、ネット広報の可能性が良くわからないと言う方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■「コミュニケーションというものは、宣伝部長や広報部長に任せるにはあまりに重要すぎる仕事だ」
■情報爆発
・国民の「消費情報量」は10年間で64倍に
・情報を送り届けるためのコンテンツを作る「原発信情報量」は118倍に
・われわれがアクセスできる「選択可能情報量」は532倍に
(平成18年版情報流通センサス調査(総務省))
■真のワン・ツー・ワン・マーケティング
何より大事なのは、企業側こそ「ワン」となり、企業全体で顧客に対応すること
「広報」「広告」「マーケティング」と、部署や役割を分断させている場合ではない。
■検索結果ブランディング(検索結果によるブランドの構築)
広告とニュースリリースの両方の利点を活かして、検索結果の「面」の戦略をつくっていく。
■開発から宣伝、営業、販売、サポートとあらゆる段階に一般の消費者が参加する時代
企業はファンサイトを積極的に支援していくべき
使う人、買う人が、つくること、売ることに大いにものを言い始めた。
■ソーシャルメディアに関する3つの根源的欲求
「表現したい」
「評価されたい」
「つながりたい」
デジタル一眼らくらく撮影入門 (瀬川陣市)
「デジタル一眼らくらく撮影入門」は、先日紹介した「プロ直伝のデジカメワザ」を書かれた瀬川 陣市さんの新刊です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
今回の書籍はデジタル一眼に特化した本になっていますので、デジタル一眼を持ってないけど気になるという方や、デジタル一眼を買ってみたけど、どうも上手く使いこなせていないという方には、参考になる点が多い書籍だと思います。
【読書メモ】
■視野率
「視野率100%」とは、見たままと同じ比率でファインダー上でも見えると言うこと。しかし、エントリーモデルでは、視聴率が100%になっているものはなく、実際よりも小さくファインダー内では見えます。
■画素数は必要なものを
・L判 1050×1500=158万画素(普通画質)
1400×2000=280万画素(高画質)
・A4 2490×3510=874万画素(普通画質)
3320×4680=1554万画素(高画質)
■被写体ブレを作るには、1/60秒以下になるシャッタースピードを目安に使うと良いでしょう。
未来を洞察する (鷲田 祐一)
「未来を洞察する」は、博報堂フォーサイトの鷲田さんが「未来洞察=フォーサイト」の手法について紹介している本です。
昨年パネリストとして参加させて頂いた「群衆の叡智サミット」の主催者の岡田さんが紹介されていたので、購入して読んでいたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
最近「インサイト」というキーワードは良く聞くようになりましたが、その対となる概念としての「フォーサイト」というキーワードはなかなか興味深いです。
未来について考えることが好きな方には、ヒントになる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■「欧米に追いつけ追い越せ」の時代を卒業しつつある日本の企業が、まさに卒業試験として、最後に手に入れるべき知恵は、自分たちで自分の未来を考え、つくり出す能力の習得、ということではないだろうか。
■変化の要因
・少子高齢化の進展
・女性の社会進出
・グローバル化
■フォーサイトとインサイト
・インサイト 深く中へ中へと洞察する
・フォーサイト 広く前へ前へと洞察する
■フォーサイトの活動で必要不可欠なもの
・何人もの人がグループで行動可能になるための共通ルール作り
・「収束」と「拡散」のプロセスを半ば強制的に繰り返し実施するためのメソッド
ストレスフリーの整理術 (デビッド アレン(著),田口 元 (翻訳))
「ストレスフリーの整理術」は、「ストレスフリーの仕事術」でもお馴染みのデビッド・アレンさん執筆、田口さん翻訳で書かれた、GTDのバイブルとでも言うべき書籍です。
出版社の方から献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
実際にはストレスフリーの仕事術よりも、ストレスフリーの整理術の方が先に出ている本なのですが、もともとの本の翻訳がちょっと読みづらかったのもあり、翻訳の権利が切れたタイミングで、改めて出版社を変えて再出版されるに至ったとのこと。
実際、私も前のバージョンは読んでいたのですが、今度の翻訳は田口さんが監修されていることもあり、とても読みやすくなっています。
まだGTDを良くわかっていないという方はもちろん、GTDには影響されたものの、なかなか続けることができていないという方にもお勧めの一冊だと思います。
【読書メモ】
■「知識労働においては作業は与えられるものではなく、自ら定義すべきものだ。」(ピーター・ドラッカー)
■GTDの基礎となる五つのステップ
・「気になること」すべてを1カ所に「収集」する
・それぞれの意味と何をすべきかを明らかにする「処理」を行う
・その「処理」の結果を「整理」する
・それらの行動の選択肢を「レビュー」する
・選んだ行動を「実行」する
■ナチュラル・プランニングモデル
・目的と価値観を見極める
・結果をイメージする
・ブレーンストーミングする
・思考を整理する
・次に取るべき行動を判断する
■リアクション型プランニングモデル
このモデルでは組織のエネルギーがムダに消費される
オバマ現象のカラクリ (田中愼一、本田哲也)
「オバマ現象のカラクリ」は、フライシュマン・ヒラード・ジャパンの代表をされている田中愼一さんと、「戦略PR」を書かれたブルーカレントの本田さんの共著です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
先日のACフォーラムでも田中さんの講演を聴いて改めて感じたのですが、日本で見ていると、オバマが従来の大統領候補と何が違うのか結構見えづらい気がします。
特に単純に「Change」というメッセージの部分だけ見ていると、ある意味「改革」を旗印にかかげた小泉さんと同じように見えるのですが、その裏側にはインターネットを活用した組織づくりや集金システムなど、本質的に異なる部分があるようです。
オバマ現象が気になる方だけでなく、ネットを活用したマーケティングやPRに興味がある方にはお勧めの本です。
【読書メモ】
■コミュニケーションは人を動かす力である
■オバマのコミュニケーションは、一言で表現すれば「共感のコミュニケーション」
■選挙戦を通して、オバマ陣営が制作したCMは400本にも上る
そのうち実際に使われたのは180本に過ぎない。できあがったCMは、毎晩フォーカス・グループ・セッションによって、一般視聴者の印象を探り、それにパスしたCMだけを流していたためである。
■オバマの戦略コミュニケーションを支える三つの仕掛け
1 弱みを強みに変える土俵設定
2 参画意識の醸成と支持者の囲い込み
3 コミュニケーション・レバレッジを効かせる
■メッセージングには二つの方法がある
・恐怖を見せる
・希望を見せる
■「トップダウンよりもボトムアップ」が、彼の政治哲学のひとつでもあった