「電通とリクルート」は、「マーケターを笑うな」など、多数の著書で知られる山本直人さんが書かれた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、電通とリクルートという、日本の広告やメディアビジネスを語る上で、必ずといって良いほど話題に出てくる二つの巨人の生い立ちや文化を深掘りすることで、日本の広告業界・メディア業界についての考察を行っています。
電通によるFacebookの広告枠の買い切りや、リクルートのポンパレによるグルーポンジャパンとの熾烈な市場獲得競争など、ネット業界にも大きな影響を与えている両社ですが、この本を読むと実は二社の文化は対極にあり、この両社が象徴とするビジネスの形態の変化と日本の業界の変化が密接に結びついていることが見えてきます。
最近の日本では、何でもかんでも海外と日本が違うことを「ガラパゴス」と表現することが多いような気がしますが、ある意味広告業界やメディア業界も、そう言う意味では典型的なガラパゴス状態です。
ただ、その国の産業の形態が過去の歴史によって形作られるというのは、ある意味当たり前の話。
そう言う意味では、今を生きる私たちは、こうやって日本の過去の歴史や生い立ちを理解することで、世界における常識が日本においてどのように吸収されていくのか、変化していくのかを、全く別の視点から考える必要があるのかなぁと改めて感じます。
電通とリクルートという会社が気にはなるけど、どういう会社なのかあまり知らないという方には、参考になる点が多々ある本だと思います。
ちなみに、さらに過去に遡りたい方は「正力松太郎 「巨怪伝」」や、「この人 吉田秀雄」、「欲望のメディア (猪瀬 直樹)」あたりもお勧めです。
【読書メモ】
■電通は、いわゆる新聞やテレビなどのマス・メディアを通じた広告ビジネスの象徴である。一方、リクルートは企業からの情報を編集して人々に伝えるために、新たなメディアを自ら開発した。
■発散志向広告と収束志向広告
前者の発散志向広告の仕組みを築きリードしてきた企業が電通であり、後者の収束志向広告のパイオニアがリクルートなのである。そして人々は「発散」された情報に反応する一方、情報の「収束」を求めていった。
月別: 2011年4月
ソーシャルメディア・ダイナミクス (斉藤 徹)
「ソーシャルメディア・ダイナミクス」は、いまやFacebookエバンジェリストとしても有名な斉藤徹さんが書かれた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本では、海外と日本のソーシャルメディアを俯瞰的に分析している斉藤さんならではの視点で、ソーシャルメディアの活用方法が紹介されています。
書籍の後半には、無印さんやIBMさんの担当者インタビュー、そして電通(現在では元電通)のさとなおさんと博報堂の須田さんの対談も収録されており、一冊で複数の要素がまとめて読むことができるムック的な作りになっていますので、ソーシャルメディアの概論から担当者や現場の生の声まで一冊でまとめて把握したいという方には、参考になる本だと思います。
【読書メモ】
■ソーシャルメディアの利用方法
・モニタリング
・対話エンゲージメント(ブランディング)
・商品企画・開発
・商品販売・プロモーション
・顧客サポート
■運用開始までのマスタープラン
・実態調査
・モニタリング
・アンケート
・組織化と運用ルール
・リスク管理
・効果測定
iPad仕事術(鶴野充茂、西村正宏)
「iPad仕事術」は、複数の著書を書かれているビーンスター株式会社の鶴野さんが、キバンインターナショナルの西村さんと書かれた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
タイトル通り、この本ではiPadを仕事に活用するためのテクニックやコンセプトが紹介されています。
どこかの調査でiPadは圧倒的に家でエンターテイメント利用に使われているという調査結果も見ましたが、一方でタブレット端末には仕事のやり方にも影響を変えてくれそうな可能性も感じています。
そう言う意味で、本格的に仕事で使ってみたいという方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■ミーティングが飛躍的に活性化する
・商談はみんなで画面を見ながらする
・話をしながらスマートにアウトプットを見せる
・その場で次のアクションを起こせる
・写真もきれい動画もサクサク
・少人数ならプロジェクターの手配が不要に
ダイヤモンド・オンラインの「デジタル時代のマーケティング入門」特集でインタビューして頂きました。
ダイヤモンド・オンラインの「デジタル時代のマーケティング入門」特集に関連して、「つぶやき」からリッチコンテンツへというテーマでインタビューして頂きました。
サブタイトルに「五感に訴える表現が顧客をつかむ」と入っているように、いわゆるツイッターの「つぶやき」だけでなく、写真や動画を活用したコミュニケーションの可能性についてご紹介しています。
Facebookページの登場で改めて明らかになったのは、TwitterやFacebookで企業が発信すべきなのは、なにも「面白い140文字のつぶやき」だけでなく、様々な企業が発信する情報へのフィードだと思っています。
文才が無いから、つぶやきだけではフォロワーやファンの人を楽しませられる自信が無いという方は、写真や動画を上手く活用してみると良いのでは無いかと思っております。
という、あくまで基本的な話が中心ですが、ご興味がある方は是非ご覧下さい。
・「つぶやき」からリッチコンテンツへ。 五感に訴える表現が顧客をつかむ デジタルコンテンツ「維新」
なお、特集のトップページはこちらです。
・特集 デジタル時代のマーケティング入門|ダイヤモンド・オンライン
TwitterやFacebookのプロフィール写真がジャージに見えると言われてしまったので、ジャケットのものに変えました。
すでに、気づかれた方もおられるかもしれませんが、先週末にTwitterやFacebookのプロフィール写真を差し替えました。
実は、前から大学の同級生や、会社の同期に「あの写真若いときに撮ってないか?」とか「社長のわりにカジュアルだよな」とかいろいろ言われていて、写真を変えようかどうか気になってたんですが、決定打になったのがこのヒトコト。
「なんであの写真ジャージなの?」
え?ジャージ?
いや、あの服は嫁さんが誕生日か何かに買ってくれたセーターで、結構気に入っている服なんですけど。
じ、ジャージですか?
そんな馬鹿な、良く見てくれよ・・・
・・・・・って、これ・・・
ジャージか?
ジャージなのか?
ジャージだったのか?
うーむ、確かに言われてみるとジャージにしか見えませんね。
続きを読む TwitterやFacebookのプロフィール写真がジャージに見えると言われてしまったので、ジャケットのものに変えました。
「フェイスブックインパクト」は、日本でのFacebookのマーケティング利用の可能性を真剣に考えたい方にとっては、必読書と言える本だと思います。
「フェイスブックインパクト」は、その名の通り、Facebookは世界に、日本にどのような影響をあたえようとしているのか、複数の著者によって考察されている書籍です。
共著者の高広さんから発売前に献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
今年に入ってからのFacebookブームで、それこそFacebook本もたくさん出てきているために、正直どれを買えば良いのか分らなくなっている方も多いのではないかと思いますが、明らかにこの本はその他の本とは一線を画しています。
何しろ執筆陣が、Twitter上での論客としても有名なスケダチの高広さん、「キズナのマーケティング」の著者の池田さん、マイクロソフトのソーシャルメディアリードとして名をはせた熊村さん、数々の日本の大企業のFacebookページを手がけている原さん、米国在住で米国のFacebook事情に詳しい松本さんと、豪華なだけで無く、それぞれ明確に異なる自分の専門分野で各パートを担当されていて、共著の設計としてもなかなか見事です。
一冊で、フェイスブックの基本から可能性、アメリカの事情、日本の活用事例、そしてそもそもフェイスブックは何が今までと「違う」のか、という考察まで、まとめて読むことができますから、こと日本におけるFacebookのビジネス利用を真剣に考えているのであれば、この本は是非読むべき本だと言えます。
個人的には、「フェイスブック 若き天才の野望」とあわせて読むことをお勧めします。
もちろん「グランズウェル」や「ビジネス・ツイッターを読んでない方は、この機会にこちらもあわせてどうぞ。
【読書メモ】
■フェイスブックが持つ3つのリアル
・リアルグラフ
・リアルタイム
・リアルワールド
■フェイスブックでできるマーケティングコミュニケーション施策
・話す:情報発信ツールとしての活用
・聴く:傾聴の窓口としての活用
・見る:ヒトとナリ、そしてつながりが見えるということ
■2007年ごろのアメリカ
フェイスブックを始めたい中学生が急増しており、親がいっしょにフェイスブックのアカウントを開設する家庭が多かった。こうして40~50代のユーザーが増えていった。
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