記憶する道具 (美崎 薫)

4757103050 「記憶する道具」は、ライフログの第一人者と言うべき美崎 薫さんの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 ライフログというキーワードは、最近よく使われることが増えているように思いますが、一方でその定義は曖昧なまま明確なイメージを持っている人は少ないように思います。
 この書籍では、自らの生活を淡々とライフログし続けている美崎さんならではの視点で、ライフログや記憶ということについて深く考察されていますので、ライフログの可能性を深く考えてみたい方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■なぜ「ライフログは○×です」といわないかといえば、ライフログにはいまのところ確たる定義はないし、定義によって限定されるものでもないからだ
■わたしは、コンピュータのストレージは、過去数百年にわたって紙が占めていた位置を超えて、より人間の記憶に近いツールになっていくだろうと考えている。

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パパ料理のススメ (滝村雅春)

4870140640 「パパ料理のススメ」は、パパ料理研究家として知られる滝村雅春さんの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 タイトルだけ見ると料理本に見えるかもしれませんが、この本はどちらかというと滝村さんがパパ料理研究家としてのキャラを立てるまでの経緯やコンセプトをまとめた本です。
 他の人とは違う、自分ならではのパーソナルブランディングを考えたい方には参考になる点があると思います。
【読書メモ】
■「男の料理は、自分のつくりたいものを、自分の都合でつくる男の趣味料理」
 「パパの料理は、自分の腹がへっていなくても家族のためにつくる、お父さんの家庭料理」
■ブログを書くことでついた力
・書く力:毎日書くことで「書く」ことに慣れる。そして書くことが楽しいと言うことに気づく
・情報収集の力:毎日情報をアウトプットするからこそ、自然と、情報を集める習慣がつく
・伝える力:ワンフレーズでどうシンプルに伝えるのか。
・継続する力

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次世代マーケティングリサーチ(萩原雅之) を読むと、ソーシャルメディアの普及によってリサーチの定義も大きな変化を求められているのが分ります。

4797361913 「次世代マーケティングリサーチ」は、SurveyMLの管理人としても知られるマーケティングリサーチャーの萩原雅之さんの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、マーケティングリサーチを長らく見つめてこられた萩原さんならではの視点で、副題にあるように「Asking(質問する)」から「Listening(傾聴する)」に大きく変わろうとしているリサーチのあり方について考察されています。
 Listen(傾聴)というフレーズは、「グランズウェル (シャーリーン・リー)」の登場と共に日本でも徐々に注目されるようになってきましたが、実はこのキーワードにこそソーシャルメディアならではの最大の可能性が眠っているように感じます。
 
 当然、広告やマーケティングもサポートもソーシャルメディアのListen(傾聴)によって変化するわけですが、その中でも、リサーチという業界は、まさにListenが可能になったことによって直接的に変化を求められている業界と言っても良いのかもしれません。
 リサーチという行為が、特殊なリサーチ業界の人ためだけの仕事だと思っている方には、ヒントになる点があると思うので、是非読んで欲しい一冊です。
【読書メモ】
■戦争型競争から恋愛型競争へ
 マーケット全体における「市場シェア」よりも消費者個人個人の「心理シェア」を高めることが必要
■消費者インサイトの定義(P&Gジャパン桐山氏)
・データでは見えてこない真実
・心の奥深くに存在する感情やニーズ
・ビジネスを成長させる可能性を秘めているもの

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アップルとシリコンバレーで学んだ賢者の起業術 (ガイ・カワサキ)

490321222X 「アップルとシリコンバレーで学んだ賢者の起業術」は、以前にも「神のごとく創造し、奴隷のごとく働け!」で紹介した、米国で有名なマーケッターとして知られるガイ・カワサキの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、アップルのエバンジェリストやシリコンバレーでの投資経験豊かなガイ・カワサキならではの歯に衣着せぬ視点で、起業についてのノウハウやコンセプトが紹介されています。
 普通の起業のアドバイスではどうもピンとこないと言う人には、参考になる点が多々ある本だと思います。
【読書メモ】
■どんな起業家に投資したいか
 「自分自身が使いたい製品を使っている30歳前の若者」(セコイア・キャピタル マイケル・モリッツ)
■広告よりも広報の方がすぐれている。
 なぜなら、広告はあなたが自分の良さを語り、広報は別の人たちがあなたのよさを語るから

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ライフハッカー[日本版] (小山龍介)

4023308587 「ライフハッカー」は、タイトル通りライフハックブログ「ライフハッカー」の書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、ライフハッカーならではの幅広いライフハックが紹介されていますので、ライフハッカーのエッセンスを書籍でのんびり読みたい人には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■起床前16時間食べないと睡眠サイクルがリセットできるらしい
 動物の活動サイクルは、気候・体温・日照時間によって決まる基本的な体内時計だけでなく、食べ物にありつけるタイミングに応じたサイクルでもコントロールされているのだとか。

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電通とリクルート (山本直人) を読むと、日本の広告やメディアビジネスの今後を考えるヒントが見つかるかも。

4106103982 「電通とリクルート」は、「マーケターを笑うな」など、多数の著書で知られる山本直人さんが書かれた書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、電通とリクルートという、日本の広告やメディアビジネスを語る上で、必ずといって良いほど話題に出てくる二つの巨人の生い立ちや文化を深掘りすることで、日本の広告業界・メディア業界についての考察を行っています。
 電通によるFacebookの広告枠の買い切りや、リクルートのポンパレによるグルーポンジャパンとの熾烈な市場獲得競争など、ネット業界にも大きな影響を与えている両社ですが、この本を読むと実は二社の文化は対極にあり、この両社が象徴とするビジネスの形態の変化と日本の業界の変化が密接に結びついていることが見えてきます。
 最近の日本では、何でもかんでも海外と日本が違うことを「ガラパゴス」と表現することが多いような気がしますが、ある意味広告業界やメディア業界も、そう言う意味では典型的なガラパゴス状態です。
 ただ、その国の産業の形態が過去の歴史によって形作られるというのは、ある意味当たり前の話。
 そう言う意味では、今を生きる私たちは、こうやって日本の過去の歴史や生い立ちを理解することで、世界における常識が日本においてどのように吸収されていくのか、変化していくのかを、全く別の視点から考える必要があるのかなぁと改めて感じます。
 電通とリクルートという会社が気にはなるけど、どういう会社なのかあまり知らないという方には、参考になる点が多々ある本だと思います。
 ちなみに、さらに過去に遡りたい方は「正力松太郎 「巨怪伝」」や、「この人 吉田秀雄」、「欲望のメディア (猪瀬 直樹)」あたりもお勧めです。
【読書メモ】
■電通は、いわゆる新聞やテレビなどのマス・メディアを通じた広告ビジネスの象徴である。一方、リクルートは企業からの情報を編集して人々に伝えるために、新たなメディアを自ら開発した。
■発散志向広告と収束志向広告
前者の発散志向広告の仕組みを築きリードしてきた企業が電通であり、後者の収束志向広告のパイオニアがリクルートなのである。そして人々は「発散」された情報に反応する一方、情報の「収束」を求めていった。

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