「GROW 本当のブランド戦略について語ろう」は、P&GでCMOとして成功を収めたことで有名なジム・ステンゲル氏の書籍です。
昨年末に気になって買って読んでいたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
ジム・ステンゲル氏については、私自身はあまりよく知らなかったのが正直なところなのですが、米国Fortune誌の「Executive Dream Team」においてThe Dream CMOとして選出されたことがあるという背景があるように、文字通り理想的なCMOを絵に描いたような人物だと言えると思います。
日本においてはCMOという役職がそもそも存在しない企業が多いため、どうしてもCMOという役職の位置づけがイメージできていなかったのですが、この本を読んでいるとCMOの役割は日本においては社長が担っているケースが多いような気がしてきました。
ソーシャルメディア時代になり、本当の意味での「ブランド」というのが非常に重要になってきていると感じていますが、ブランドとは何なのか改めて俯瞰的に考えたい方には参考になる点が多々ある本だと思います。
ジム・ステンゲル氏については書籍が出版されたこともあり、複数のインタビュー記事が公開されていますので、そちらも是非ご覧下さい。
・真似したってブランドはつくれません
・カンヌライオンズでの新たな挑戦とCMOの役割(その1) | 世界を代表する”The CMO”が語る
【読書メモ】
■企業やブランドが競争に打ち勝って成長を遂げるためには、なにが必要なのか?
それは”人々の生活をよりよいものにする”ことを目標とし、ビジネスと人間の普遍的な性質に土台を置くビジネスの枠組みだ。
■経営陣はみずからにこう問いかけることをおこたっていた
「わが社独自の強みとはどういうものなのか?顧客の頭の中で、わが社はどういうイメージをもたれているのか?」
■優れたリーダーの5つの行動原則
発見・”人々の生活をよりよいものにする”ことに関わるブランド理念を発見する。
構築・ブランド理念を軸に、企業文化を構築する。
発信・ブランド理念を社内外に発信し、社員と顧客の両方とそれを共有する。
提供・ブランド理念に沿って、理想に近い顧客体験を提供する。
評価・ブランド理念に照らして、ビジネスの進歩の度合いと社員の仕事ぶりを評価する。
続きを読む GROW 本当のブランド戦略について語ろう(ジム・ステンゲル)を読むと、CMOという役職の重要性を改めて考えさせられると思います。