意外すぎた「あまちゃん」視聴率 梅ちゃん以下の謎 を日経MJに寄稿しました。

 本日、日経MJ「ECの波頭」に寄稿しているコラムが掲載されましたのでお知らせします。
 今回は、ソーシャルテレビ絡みの話の延長で、あまちゃんの視聴率についての話題に触れてみました。
 元ネタになっているのはこちらの記事です。
「あまちゃん」最終回視聴率は23.5%「梅ちゃん先生」より低かった? 全話平均は20.6%
 今月からは録画視聴率も公開されると聞いているので、この辺の推測があたっているのか外れているのかが見えてくるのが楽しみです。
 ちなみに、このインパクトがあるタイトルをつけたのはもちろん私ではありません(苦笑)


 2013年9月は、平均視聴率が20.6%で国民的話題となったNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」と、最終回の視聴率が42.2%と平成の民放ドラマのトップを記録した「半沢直樹」により、久しぶりにテレビドラマが話題の中心に返り咲いた月だったと記憶されるだろう。
《ポイント》
(1)話題となった「あまちゃん」の平均視聴率は意外にも高くない。
(2)テレビ視聴はソーシャルと録画の影響が大きくなりつつある。
(3)テレビ番組の評価が生の視聴率だけで測れない時代に突入している。
 その余韻はその後のドラマにも好影響を与えているという分析結果も出ている。ただあまちゃんの平均視聴率は12年4~9月に放送された「梅ちゃん先生」の20.7%を超えることはできなかったという興味深いデータがある。梅ちゃん先生も話題のドラマだった。だが明らかにあまちゃんの盛り上がりの方が上回っているのに、この視聴率を意外と受け止める人は多いのではないだろうか。
 続きは日経新聞のサイトでご覧ください。
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先進企業はアンバサダーで売り上げを伸ばす を日経ビジネスオンラインに寄稿しました。

 台風のバタバタですっかり失念していましたが、昨日から日経ビジネスオンラインで書籍「アンバサダー・マーケティング」の紹介をかねたコラム連載が開始されましたのでお知らせします。
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 初回の今回は、アンバサダ-・マーケティングに掲載されている事例をいくつかご紹介してみています。
 シンボリックな事例よりは、根本にあるユーザーからの自発的なクチコミをどう生むかというのがアンバサダー施策の本質だとは思っていますが、まずは日経ビジネスオンラインの幅広い読者の方向けとして書いてみました。
 なにかの参考になれば幸いです。


 前回のコラムでは、書籍『アンバサダー・マーケティング』で紹介されている米国の事例をもとに、広告にお金をかける代わりに「アンバサダー」と呼ばれるような熱烈なファンのクチコミの力に注目して成功している企業の事例を紹介した。こういったアンバサダーによるクチコミの力の話をすると必ず出てくるのが、「アンバサダーってどうやって見つければいいのか?」という質問だ。今回は、企業やブランドの強い味方、アンバサダーを見つけだす方法を紹介しよう。
 『アンバサダー・マーケティング』では、アンバサダーを発掘する方法として、次の三つが紹介されている。
・直接聞く――つ目の方法は顧客ロイヤリティ(忠誠度)を測る「究極の質問」をすることだ。(中略)
・傾聴する――ツイッターなどのソーシャル・メディアでの発言をモニタリングすることで、アンバサダーを発掘できる。(中略)
・観察する――顧客の行動を観察するのも、アンバサダーの発掘につながる。(中略)
――『アンバサダー・マーケティング』第16章より
 ここでは、特に詳しく紹介されている「1 直接聞く」方法についてご紹介しよう。
■続きは日経ビジネスオンラインのサイトでご覧下さい。
先進企業はアンバサダーで売り上げを伸ばす
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データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」(ディミトリ・マークス他)は、データが苦手な文系人間こそ今のうちに読んでおくべき一冊だと思います。

4822249476 「データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」」は、最近のデータサイエンティストブームの火付け役ともいえる書籍です。
 献本を頂いていたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 「データサイエンティスト」というキーワードは、ここしばらくマーケティング業界では頻繁に聞くようになってきましたが、これからのマーケティングにおいては必須の職種になってくると感じています。
 個人的には自分の会社の会社名が「アジャイルメディア・ネットワーク」ということもあり、最後に出てくるデータを活用することで実現できる「アジャイルマーケティング」というキーワードも非常に気になりましたが、様々なデータを取得することが可能になったことにより、マーケティングの現場の考え方が根本的に変化し始めているのを感じます。
 実際、「アンバサダーマーケティング」のようなコンセプトも、こうしたデータ分析が組み合わさることで間違いなく急速に進化していく手応えがあります。
 データという単語を聞くと食わず嫌いで逃げてしまいたくなる、文系人間な私のような人こそ、読むべき一冊といえると思います。
 「グランズウェル」や「エフェクト」と合わせて読むのもお勧めです。
 
【読書メモ】
■手元にあるのに気づいていないデータを活用すれば、売上とROIを同時にかつ劇的に上昇させることができる
■改善が可能になった理由
・最近のめざましい技術革新によって、顧客の行動に関するあらゆるデータが分析可能になり、そこから彼らの購買パターンを把握・予測できる
・いまやあらゆる行動からデータが生み出されるようになったことで、ビジネスに関係する人々の姿を完璧に捉えることが可能になった
■バリュースペクトラム・モデル
 価値と愛着度の二軸で顧客を分類

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アンバサダー・マーケティング(ロブ・フュジェッタ)を読むと、釣った魚にエサをやらない従来のマーケティング手法は、すごいモッタイナイと感じられると思います。

4822249778 このたび、こちらの「アンバサダー・マーケティング」という書籍で、解説を担当させていただきました。
 本日10月3日、発売となりますので、書評抜き読書メモの前半を公開させて頂きます。
 今日の夕方開催するインバウンドマーケティングとアンバサダーマーケティングのダブル出版記念セミナーでも紹介させていただきますが、この「アンバサダー・マーケティング」は、AMNのクリエイティブディレクターである藤崎さんが監修を担当し、私が解説を書くという形で、AMNが全面的に出版をお手伝いする形で取り組んだプロジェクトになります。
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 表紙にも書いてあるように原題は「Brand Advocates」。本来はそのまま翻訳するなら「ブランド・アドボケーツ」や「アドボケーツ・マーケティング」とするべきだったんでしょうが、それでは米国のマーケティング事情に詳しい一部の方にしか伝わらないだろうと出版社の方々にもアドバイスをいただき、ブランドアドボケーツ=ブランドの熱烈な支援者という言葉の雰囲気に近い「アンバサダー」に全部置き換える形で翻訳をさせて頂いています。
 もともとは、「教えて!カンヌ国際広告祭」などの書籍でもおなじみの佐藤達郎さんに、この本のコンセプトがAMNの提唱しているアンバサダー重視のアプローチに非常に近いから翻訳したほうが良いとご紹介いただいたのですが、私自身も読んでみて私以上に、アンバサダー的な口コミしてくれるファンの価値を強烈に推奨している本で驚いたのをよく覚えています。
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 ちょっと読んでもらえばすぐわかると思いますが、「インフルエンサーは注目を集めるのは得意だが、必ずしも売上に貢献するとは限らない。アンバサダーがオススメすれば売上に直結する」とか「アンバサダーに報酬を払わない」や「カネや無料サンプルを渡さなければ動いてくれないような顧客は、本物のアンバサダーではない。傭兵である。」など、一般的な日本のキャンペーンの現状からすると、かなり過激な発言が続きます。
 ここまで純粋にシンプルに考えて本当に機能するのか?というのは当然大勢の方が思うはずで、実際米国でも賛否両論を含んだ議論を他のマーケッターと、そこここで交わしているようです。
 ただ、この著者のロブ・フュジェッタ氏のすごいのは、その信念のもと、実際に多数の企業と報酬に基づかないアンバサダープログラムを展開し、成果を出しているところでしょう。
 本書で紹介されるNPSの究極の質問とアプリを組み合わせた手法は、パッと読むと本当にこんな上手くいくのかな?と疑問がわいてしまうぐらいシンプル。
 私自身も、この数年、アンバサダーやアドボカシーを重視した手法を推奨してきた人間ですが、この著者は私以上に、口コミしてくれるファンの価値の可能性を心底信じている人なんだなというのが伝わってくる本です。
 解説にも書かせていただきましたが、そうはいってもソーシャルメディアユーザー比率の高い米国の成功事例ですので、日本でこれをこのまま真似するのは、ツイッターやFacebook活用と同様良くないと正直思っている面もあります。
 ただ、やはり本当の意味でアンバサダーの価値を明確にしようと思うと、ここまで一気に言い切ってしまって証明していく必要があるのかなとも感じています。
 特に、同じく解説にも書いたように、日本企業は顧客との関係を大事にしている企業が多く、実は多数の既存顧客が口コミで顧客を連れてきている事実を日々感じているんですが。
 従来のマスマーケティングの価値観では、大事なのは新規顧客獲得であって、既存顧客やファンというのは「釣った魚」であって無価値に見られがちなんですよね。
 最近のiPhoneによる3携帯事業者による新規顧客獲得合戦が象徴で、長くその事業者の回線を使い続けている優良顧客より、毎年事業者を変更しているキャリアホッパーの方が毎回キャッシュバックで優遇されるなんて、明らかに何かが間違ってると思うんですが。
 これこそがこれまでの新規顧客獲得を重視するマーケティングの常識であり、釣った魚にエサをやらないのが常識の世界観だと思うんですよね。
 でも、ソーシャルメディアによって顧客の口コミの影響力が急上昇している今現在、これって実はすごいモッタイナイことだと思うんですよね。
 そういう意味では、アンバサダー・マーケティングを読んでもらえると、ソーシャルメディアの普及によって影響力を持ったファンをアンバサダー化し、いわゆる「釣った魚」と一緒に新しい市場を作っていくマーケテイングの可能性というのを感じてもらえるのではないかなと思います。
 昨日ご紹介した「インバウンドマーケティング」はもちろん、「グランズウェル」や「エフェクト」と合わせて読むのもお勧めです。
 ちなみに、AMNでも本日の出版記念セミナーのような活動も含め、アンバサダーに関する取り組みを継続して「アンバサダー・ラボ」というブログで今後ご紹介していく予定ですので、こちらも是非ウォッチしてください
【読書メモ】
■この本に登場するマーケティングは、マスコミュニケーションでは不可能だったユーザー一人ひとりの気持ちに着目し、個人とつながりを持つことで、個人の気持ちと熱量をマーケティングに生かすものだともいえる。(藤崎 実)
■アンバサダーがこれほど力を持っている理由は、たった一言で説明できる。「信頼」だ。世界中のネットユーザー10人中9人が、様々な広告形態のうち最も信頼できるのは友人や家族からのオススメだと答えている。ネット広告を信頼するのは10人中2人に過ぎない。
■最近の当社の調査では、アンバサダーの49%が商品やサービスをオススメする主な理由として「使ってみて良かったから」を挙げた。
 オススメする主な理由として、インセンティブや報酬を挙げた回答者はわずか1%だった。
■アンバサダーは何をしてくれるのか
・実質的な営業部隊として活躍してくれる
・ネット上の評価を高めてくれる
・すばらしい経験の”証言者”となってくれる
・質問に答えることで、迷っていた買い手を購入に踏み切らせてくれる
・クチコミによる紹介客、クリック数、販売数を増やしてくれる
・新商品の販売を応援してくれる
・説得力のある宣伝コピーを作ってくれる
・会社やブランドを批判者から守ってくれる
・競合の存在や市場ニーズを知らせてくれる
・フィードバックを提供してくれる

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インバウンドマーケティング(高広伯彦)を読むと、インバウンドマーケティングとは新しいツールを使う手法のことではなく、今の時代に合わせた新しい考え方であることがわかると思います。

4797372192 「インバウンドマーケティング」は、「次世代コミュニケーションプランニング 」や「フェイスブックインパクト」などの著書でも知られる高広伯彦さんの書籍です。
 インバウンドマーケティングとアンバサダーマーケティングのダブル出版記念セミナーをさせていただく関係もあり献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 インバウンドマーケティングの書籍というと、本家Hubspotのブライアン・ハリガンが書いた「インバウンド・マーケティング」が草分けであり、インバウンドマーケティングに携わる人のためのバイブルであると思います。
 ただ一方で、この書籍の原著が出版されたのは2009年ですし、実務的な内容が多く含まれる書籍だったのもあり、それからインバウンドマーケティング自体が業界として盛り上がるにつれ内容が古くなっていた感があるのは否めないでしょう。
 そういう意味で、今回の高広さんの「インバウンドマーケティング」には、Hubspotの最新コンセプトもしっかり反映されていますし、ブライアン・ハリガンの書籍の正統進化としての手引書といえると思います。
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 インバウンドマーケティング自体は、アウトバウンドに対するインバウンドというシンプルさゆえか、誰にでもイメージしやすい一方で、いろいろな誤解を生んでいるコンセプトのようにも思います。
 AMNでも最近「アンバサダー・ラボ」というブログをHubspotで立ち上げてみて、インバウンドマーケティングの勉強をし直してみているのですが。
 この書籍に出てくる「マーケティングってそもそも嫌われていて、マーケターは嫌われ者だったんじゃないかな」という問題提起から、マーケティングを愛されるものにするというビジョンを軸として、インバウンドマーケティングを考えると、インバウンドマーケティングというのは何か特殊なツールを使って動向ということ自体が本質ではなく、時代の変化に合わせた新しいマーケティングのコンセプトであり考え方であるというのが腹に落ちてくるのではないかなと思います。
  
 インバウンドマーケティングが気になりつつも、あまりしっかりと知ろうとしていなかったという方には参考になる点が多々ある本だと思います。 
 ブライアン・ハリガンの「インバウンド・マーケティング」はもちろん、「[徳力]グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ 」や「マーケティングとPRの実践ネット戦略」、「グランズウェル」と合わせて読むのもお勧めです。
【読書メモ】
■インバウンドマーケティングのポイント
・マーケター側では無く、人々のタイムライン(時間軸)に合わせたマーケティングを行う
・マーケティングを好かれるものにしよう
■「マーケティングってそもそも嫌われていて、マーケターは嫌われ者だったんじゃないかな」(ブライアン・ハリガン)

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売上を2倍にするソーシャルメディア成功の方程式(末広栄二)

4532318246 「売上を2倍にするソーシャルメディア成功の方程式」は、元カトキチのツイッター部長としても有名な末広栄二氏の書籍です。
 献本を頂いていたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 末広さんは「ツイッター部長のおそれいりこだし」でも、自らのツイッター活用のコンセプトを赤裸々に開示されていましたが、今回の「売上を2倍にするソーシャルメディア成功の方程式」では、その後に様々な業態で末広さんが実践して確立したソーシャルメディア活用の成功のための論理的な方程式が描かれています。
 当然ソーシャルメディアを活用する際の成功の定義は企業や部署によって異なるわけですが、末広さんの場合には実際に様々な企業においてソーシャルメディアを活用して売り上げを上げることができていると証明してきているのが大きな特徴でしょう。
 
 この書籍では、前著から三年がたち、総合的なソーシャルメディア活用の方程式が確立されていますから、ソーシャルメディアで売り上げを上げるための方法を模索している方には参考になる点が多々ある本だと思います。 
 「グランズウェル」や「エンパワード 」と合わせて読むのもお勧めです。
【読書メモ】
■儲けの先に本来の目的があるべき
 「ソーシャルメディアって儲かるんですか?」という質問をされる方がいますが、私は「ソーシャルメディアを使う最終の目的は設けることですか?」と質問し返します。
■売上拡大のメカニズム
・リアルタイム検索によって、流行の兆しが見られる商品・サービス見つける
・社内で共有
・社内の話題が、各部門、現場にクチコミで伝わる
・自社のソーシャルメディアで強力プッシュ
・現場で勧める
・営業部門を通じて、ほかの店舗に飛び火する
・ブームが社内で起こる

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