「ひと月15万字書く私の方法」は、ブログ論壇の誕生は、「グーグル – Google 既存のビジネスを破壊する」や「フラット革命」で有名な佐々木俊尚さんの書籍です。
献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
今回の「ひと月15万字書く私の方法」は、「3時間で「専門家」になる私の方法」の続編というイメージの本で、前回の本が主に情報収集を中心としていたのに対し、今回は主に記事を書くためのテクニックにフォーカスして書かれています。
個人的には、ブログやコラム等を書かせて頂きつつも、ほとんど自己流でこれまでやってきたのですが、一部要素が佐々木さんと同じで安心しつつも、全く意識していなかった点もかなりあり、非常に参考になる本でした。
自分なりの文章の書き方に自信が無い方には、参考になる点が多々ある本だと思います。
先日、AMNでもITmedia記者の岡田さんに来てもらって、ブロガー勉強会を開催したりしましたが、文章の書き方って誰でもできるようで、実はあまり勉強する機会が少ないものですから、こういう機会はもっと増えても良いのかなと思ったりします。
【読書メモ】
■原稿作成の4段階
・テーマの設定
・情報集約フレームワーク
・活字情報をスキャンし、デジタルデータ化
・デジタルデータを集約
・ウェブサイトの情報はブックマークとしてリスト化
・構造化フレームワーク
・現状
・課題
・仮説
・物語フレームワーク
・現状
・現状の分析
・現状の課題は何か
・仮説
・仮説の分析
・これからの戦略
カテゴリー: 読書メモ
書きたがる脳 (アリス・W・フラハティ)
「書きたがる脳」は、自らが医者であり患者でもある著者が「ハイパーグラフィア」という書き出したら止まらない病気と、「ライターズ・ブロック」という書きたいのに書けない病気について考察した本です。
誰かのブログで書かれていて気になったので買ってみました。
書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
正直、書籍の内容は一般向けと言うよりも、学者向けな内容なので、ちょっと私には難解だったのですが、書きたいことがたくさんあるのに書けないという悩みがある人には参考になる本だと思います。
【読書メモ】
■書くことは人間の至高の営みの一つである。
■ハイパーグラフィア
・ハイパーグラフィアの人は大量の文章を書く
・ハイパーグラフィアは外部の影響よりも強い意識的、内的衝動から生まれる
・描かれたものが当人にとって非常に高い哲学的、宗教的、あるいは自伝的意味を持っている
・少なくとも当人にとっては意味があるという緩やかな基準は別として、文章が優れている必要は無い
■二人の人間にプロジェクトを与え、一人には金銭を支払い、もう一人には払わないとすると、前者の創造性は報酬によって損なわれるらしい
■集中型思考と分散型思考の五段階
・まず問題をおおざっぱに定義する
・それについてできるだけ多くのことを学ぶ
・袋小路につきあたったところで、問題が無意識のなかで孵化するのを待つ
・孵化の期間を経て、ふいに一つまたは複数のアイデアが湧き起こる
・そのアイデアを検証する
リファクタリング・ウェットウェア (Andy Hunt)
「リファクタリング・ウェットウェア」は、オライリーのライフハック本とでもいうべき書籍です。
出版社から献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
副題に「達人プログラマーの思考法と学習法」と書いてあるように、ちょっと私には内容が難しかったのですが、エンジニアの方には参考になる点が多い本ではないかと思います。
【読書メモ】
■初心者から達人への五つの段階
・初心者 :初心者にはレシピが必要
・中級者 :中級者は全体像を見たがらない
・上級者 :上級者は問題解決ができる
・熟練者 :熟練者は自己補正が可能
・達人 :達人は直感で動く
■2種類のモード
・Lモード(Linear Mode) 線形の処理方式
・Rモード(Rich Mode) 非同期で全体論的な方式
ウェブはバカと暇人のもの (中川淳一郎)
「ウェブはバカと暇人のもの」は、タイトル通りインターネットの限界について考察している本です。
正直、タイトルの煽りがきついので、あまり読む気にならなかったのですが、先日の梅田さんのインタビューにも出てきていたのもあり、反対意見も知らずに「日本のウェブの残念度を下げるために、私たちができそうな7つのこと+α 」のような楽観論ばかり書くのも問題な気がしたので買って読んでみました。
著者自身が冒頭で言及しているように、基本的にはこの本は、梅田さんの「ウェブ進化論」、佐々木さんの「グーグル」、岡田さんの「ネットで人生、変わりましたか?」あたりへのアンチテーゼという位置づけにある本です。
この本を書かれた中川淳一郎さんは、元博報堂出身で、現在はニュースサイトの編集者をされている方。
そう言う意味では、博報堂側でテレビの影響力も体験しており、ニュースサイトというネットの現場での実体験もされているわけで、タイトルの煽り具合に比べると、書籍の内容自体は両方の経験を元に冷静にネットの限界をしっかり分析している本という印象です。
テレビの影響力がまだまだ最強であるという点や、ネットの課題や限界など、参考になる点は多いです。
ただ、個人的にこの本を読んで残念だなと思ったのは、この本がマスメディアを置き換えるものとしてのネットの優劣を議論の土台としている点。
書籍の副題には「ネット敗北宣言」と書かれていますが、要は「マス」に対する影響力においてはネットはマスメディアにかなわない、という敗北宣言であり、マスメディア vs ネットという土台からくる二者択一の議論のように思います。
特に後半部分では、ネットよりもリアルの方がすごいという主張が繰り返し登場してくるのですが、利用者からするとネットもリアルも一つのツールでしかないわけで、ネットもリアルも当然組み合わせて使うから意味があるわけで、ネットとリアルを二者択一の選択肢として描く時点でもったいないなと思ってしまいます。
このあたりは、著者の中川さんの仕事がニュースメディアの編集者という、単純にメディアの影響力でマスメディアと二者択一で比較されやすい立ち位置にあるということも影響しているのかもしれません。
(本の方では言及されていないのですが、この辺の記事を見る限り、中川淳一郎さんが担当されているニュースサイトというのはアメーバニュースのようなので、ターゲットとしている読者層がマスに近いことを考えると、余計にマスメディアと単純比較されがちな立ち位置な気がします。)
たしかにメディアの世界においては、良い意味でも悪い意味でも、ネットの影響力が誇大に吹聴される傾向にあり、そう言う意味では著者の主張は実にまっとうで、「ネットだけを利用する」という行為と「リアル(ネット以外)だけを利用する」という選択肢の比較として本書を読むと、納得できる点が多々あります。
実際、大規模に話題を引き起こす力においては、ネットはテレビにはかないませんし、ネットの特性を考えるとその傾向は当分かわることはないでしょう。
ただ、一方でマスに到達しなくても良いと思っている人や、そもそもテレビのようなマスの手段を使えなかった人たちにとって、ネットは非常に便利なツールであり、それこそがネットの大きな価値であると思うので、そこを無視して単純に影響力の比較とか勝ち負けを議論するのもどうかなぁという気がします。
そう言う意味では、ネットもマスメディアも、もともと全く目的やメリットが違う手段なので、そろそろ単純比較すること自体をやめて、「(私たち個人個人が)ネットをどのように活用するべきなのか」を議論した方がいいという話なのかなぁ、という印象をこの本を読んで強く受けました。
ネットが全ての問題を解決してくれる魔法のツールと思ってしまいがちな人には、参考になる点がある本だと思います。
【読者メモ】
■断言しよう。凡庸な人間はネットを使うことによっていきなり優秀になるわけではないし、バカもネットを使うことによって世間にとって有用な才能を突然開花させ、世の中によいものをもたらすわけでもない。
■ネットには「怒りたい人」「吊し上げの対象を血眼で探す人」が多いので、あまりネットの世界が善意にあふれているとは思わないほうがいい。
さらに、そういった人びとは匿名の個人として発言し、組織を背負っていないがゆえに、「絶対に勝てる論争」を高みから仕掛けてくる。クレームを受ける側は組織を背負っているため、逆ギレもできない。完全なるハンディキャップマッチに巻き込まれてしまっているのだ。
坂本桂一の成功力 (坂本 桂一)
「坂本桂一の成功力」は、ウェブマネーやアルダスなど複数の起業を次々に行ってきた坂本桂一さんの書籍です。
「新規事業がうまくいかない理由」に続いて出版社から献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
成功の定義というのは人によって様々だと思いますが、特にビジネスの世界に生きている方には成功の再定義をするという意味で参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■世の中の成功と失敗というのは要するに、さまざまな局面に存在するスレッショルド(閾値)を超えたか超えないかの言い換えにすぎない
■「これが一番」という評価を市場が下した途端、消費者は一斉にその商品や企業を支持し始めるという現象が起きます。
■スレッショルドを超えるために一歩前に出るという生き方が、人として正しいのかどうか私には分かりません。しかし、成功したいと思うなら、そうする以外ないのです。
■結果がでないうちにやめてしまえば、そこまでの努力がすべて無駄になるので、何もしないのと同じことになってしまう
■仕事のスピードをアップするポイント
・仕事の先送りをしないこと
・無駄を省く
■プロとして成功したいなら、24時間、365日できることを何でもするのが当たり前だと思わなければなりません。
ソーシャル消費の時代 (上條 典夫)
「ソーシャル消費の時代」は電通ソーシャル・プランニング局長の上條典夫氏が2015年の日本の消費がどうなるかを予測している書籍です。
先週のワールドビジネスサテライトでも取り上げられていたようですね。
出版社から献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
未来の予測というのは、長期の予測はいろいろあっても実際のビジネスで重要なのは3~5年先。
そう言う意味でこの本が取り上げている2015年の予測というのは、なかなか興味深いところをついているように感じます。
この本ではネットから環境、高齢化等、各事業分野における様々な予測がたくさん詰まっていますので、未来に向けて視野を広げてみたいという方にはヒントになる点がある本だと思います。
下記に著者のインタビューも掲載されていますので、参考にどうぞ。
・『ソーシャル消費の時代』を書いた上條典夫氏(電通ソーシャル・プランニング局長)に聞く(1)
【読書メモ】
■ケータイ・ネイティブ
日本独自のケータイカルチャーを共有する世代
■10代の若者たちがブログやSNSでたどるコミュニケーションのパターン
・日記を書く
・友人のコメント
・御礼を書く
・相手のページを訪問する
■モノ余りの時代には、モノそのものより、モノがココロと結ばれるまでの「過程段階」や「波及効果」の価値が高まる。
■21世紀の3Cは「コミュニケーション、クリエイション、カルチャー」
モノによって誰かと「つながる=コミュニケーション」、そのモノが自己表現の個性を「創れる=クリエーション」、モノの周りで仲間と共通の世界観に「ひたれる=カルチャー」の部分に時間を費やし、お金を消費する傾向が強まっていく
■物語消費
物語消費においては、主人公=私が、より明確に消費というドラマを追求していく。つまり、それは「私が主役」の「私小説消費」ともいえるものだ。