コカ・コーラ上海ツアーで学ぶ、グローバル化における日本の役割と可能性

 GW明けの5月6日~9日の四日間、コカコーラさんにご招待いただいて上海で開催されたコカコーラさんのインターナショナルブロガーツアーに参加させて頂きました。
 ちょうど上海万博が開催されている時期と言うこともあり、非常にもりだくさんのツアーだったのですが、今回本当に印象的だったのが、中国の想像以上の成長ぶりでした。
Shanghai 
 個人的に中国は過去に2回旅行したことがあり、知っているつもりになっている国でした。ただ、私が行ったのは1999年や2001年。
 今や私が知っている中国とは全く違う国がそこにありました。
 もちろん上海だから、とか、上海万博があるから、とか、泊まったエリアが都市部だから、とかいろいろ言い訳はできるんですが。
 上海の街の進化ぶりは、自分が想像していたものをはるかに超えて進んでいました。
Shanghai Xin Tian Di
 
 さらに個人的に衝撃だったのが、今回案内してもらったコカコーラの上海ラボの凄さ。 Global Innovation and Technology Center(GITC)というのが今回案内してもらったコカコーラの研究所なのですが、なんでもコカコーラは世界に東京も含めて5~6ヶ所のラボを持っているそうなんですが。
 最近、その最先端の技術を結集して作られたのがこの上海ラボで、今やアジアの製品はこの上海ラボを中心に作られているそうです。
Coca-cola Shanghai GTIC

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マイクロソフトでは出会えなかった天職 (ジョン・ウッド)

4270002484 「マイクロソフトでは出会えなかった天職」は、ルーム・トゥ・リードの発案者であるソーシャルアントレプレナーのジョン・ウッドが書いた書籍です。
 以前から気になっていたのですが、「チェンジメーカー」や「グラミンフォンという奇跡」に影響されてようやく買ってみたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 正直なところを言うと、この本のタイトルがあまり好きになれなかったので今まで食わず嫌いで読んでなかったのですが、読んでみて、何故いままで読もうとしなかったのか後悔している自分がいます。
 この本で描かれているのは、いわゆるお涙頂戴の寄付の世界ではなく、ボランティア活動をいかに永続させるためにビジネスとして運用するかと言うマイクロソフト出身者ならではの社会起業論。
 個人的には、どうしても24時間テレビ的な年に一回だけボランティア精神を思い出すと言うアプローチに違和感を感じつつ、Blog Action Dayのような年一回の活動に参加しつつ、という感じで混乱していたのですが、この本にその違和感に対する答えを見つけた気がします。
 社会起業を目指している人だけでなく、自分が何のために働いているのか忘れがちという普通のビジネスマンこそ、是非一度読んでみると良い本だと思います。 
 
【読書メモ】
■鍵をかけてしまってある学校の本棚
「本は貴重なのです」「学校にもほとんどありませんから、子どもたちが傷めてしまうのが怖いのです」
■「あなたはきっと、本を持って帰ってきてくださると信じています」
■ダライ・ラマによれば、僕たちのいちばん基本的な義務は、この地球上で自分たちより「持っていない」人々を助けることだ
■最初に驚いたのは、世界で推計8億5000万人が、基本的な読み書きもできないこと
■「ポーターは、旅行業界の歴史を通じて、レンタカーを洗車した人はだれもいないと言いました。所有している意識がなければ、長期的なメンテナンスはしないのです。」

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キズナのマーケティング (池田紀行)

4048685619 「キズナのマーケティング」は、トライバルメディアハウスの池田紀行さんの書籍です。
 献本を頂いていたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、ソーシャルメディアマーケティングのコンサルティングの第一人者の一人である池田さんならではの視点で、ソーシャルメディアを活用したマーケティングの考え方について考察されています。個人的にも同意する主張が多いのですが、特にソーシャルメディアの誤解については企業の担当者の方々に早く浸透すると良いなと心から思います。
 マーケティングに携わる方には参考になる点がある本だと思います。
 
 「グランズウェル」や「ビジネス・ツイッター」と合わせて読むのもオススメです。
【読書メモ】
■ソーシャルメディアマーケティングは「魔法」の杖ではない。
 けれど、もしかしたらあなたの会社が抱えている現状の課題を解決する新しいイノベーションを引き起こすことができるかもしれない
■ソーシャルメディアは、より中長期的な顧客や消費者との関係性やエンゲージメントを深める場としての活用に適しているとのムードが高まってきた
■多くの広告主がソーシャルメディアマーケティングに興味をもつ背景
・ソーシャルメディアで情報を発信する人や、発信された情報を見る人の数が増えた
・発信された情報がすべて蓄積されていく
・発信される情報の信頼性が向上した
・消費者の買い物の仕方が変化したこと
■広告の役割は興味を持っていない人に興味を持ってもらうこと(レイ・イナモト氏)

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facebook (フェイスブック) (ベン・メズリック)

4903853853 「facebook」は、タイトル通りfacebookの歴史について書かれた書籍です。
 昨今のfacebookの展開にかなり影響を受けているので、衝動買いしてしまいました。書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 正直、実はこの本を買った時には、Googleにおける「ザ・サーチ」のような、現在の事業に対する考察が含まれている本だと勝手に思い込んで買ってしまったのですが、この本はfacebookの創業期の暴露本というのが正しい表現でしょう。
 
 創業者のマーク・ザッカーバーグには取材を受けてもらえなかったようですが、その周辺の人物(特にマークに裏切られた人々)に対してかなり丁寧な取材を行ったらしく、小説自立てでfacebook誕生の背景や、人物模様がかなり詳細に描かれています。
 
 個人的には、何故facebookがFriendsterやMyspaceなど先行するSNSをあっさりと抜き去ることができたのか非常に気になっていたのですが、なんとなくその背景の一部を理解できたような気がします。
 これからネットの世界の力関係を大きく変えるであろう(いや、既に変えている)facebookも、もともとは一人のエンジニアの試行錯誤から始まっているというのを赤裸々に感じることができますので、これから自ら開発したウェブサービスでチャレンジしていきたいと思っているエンジニアの方が読むと刺激になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■Facemash
 名鑑から二人ずつ選び出して、写真を並べ、どっちが魅力的か投票してもらえばいいって。そして時々、動物の写真も混ぜる。
■The Facebook
 フェイスマッシュとは違い、写真は利用者が自分で載せるようにする。
 利用者が自分の友人を招待し、サイトに参加させられる、という機能も欲しい。すでに利用している人が、ふさわしいと思う人を選んで新たに仲間にするのだ。
■ザ・フェースブックには、成功するウェブサイトの条件がすべて揃っていた。アイデアはシンプルで、魅力的な機能を備えており、しかも誰でも彼でもが使えるわけではない。ファイナルクラブのオンライン版、ともいえる。

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iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか (林信行)

4757217528 「iPhoneとツイッターは、なぜ成功したのか」は、「iPhoneショック」などの書籍の著者としても有名な林信行さんの書籍です。
 献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、タイトル通り最近の流行の代表と言えるiPhoneとツイッターが何故成功しているのか、林さんならではの視点から今の時代に必要な企業の製品開発やサービス開発の在り方とかぶせて描かれています。
 単純なサービスの機能開発競争ではなく、根本的な企業姿勢を変化させないと現在の競争には勝ち残れないと言う日本企業に対しての警鐘だと思いますので、製品開発やサービス開発に携わっている方には参考になる点がある本だと思います。
【読書メモ】
■何か情報を調べようと思ったときに、最初に利用するのがグーグルであるという状況はしばらく変わらないだろう。しかし、「面白いことがないかな」と最初に除く場所は、ツイッターになりつつある。
■雑誌にはセレンディピティを生み出す力がある。
 そういう編集の力は、マイクロコンテンツが増えるほどに発揮されると思うがどうだろう。その上で、記事をバラ売りしたり、別の形で編集してパッケージ化すれば、コンテンツ提供側にも読者にもメリットがあるはずだ。
■今考えるべきは、ワークシェアリングではなく、「マイクロワーク」なのではないか。 今はパッケージとして提供している労働力を、マイクロ化した仕事として売ることはできないだろうか

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凡才の集団は孤高の天才に勝る「グループ・ジーニアス」(キース・ソーヤー)

4478004099 「凡才の集団は孤高の天才に勝る」は、いわゆる集合知について考察されている書籍です。
 気になったので買って読んでいたのですが、読書メモを書けてなかったので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本で考察されているのは「グループ・ジーニアス」というグループゆえに生まれる天才的発想というコンセプト。
 個人的にも「クラウドソーシング」や「ウィキノミクス」のようなコンセプトが非常に好きなのですが、この本ではそういったツールの視点ではなく、集団によるコラボレーションの可能性を軸に、具体的なポイントを考察されています。
 「みんなの意見は案外正しい」や、「「多様な意見」はなぜ正しいのか」、「ヒトデはクモよりなぜ強い」といった書籍が好きな方には断然おすすめです。
【読書メモ】
■孤高の天才などというのは神話にすぎない。画期的なイノベーションを生み出すのは、グループゆえに生まれる天才的発想「グループ・ジーニアス」なのである
■創造性を発揮するチームの7つの特徴
1.時間をかけてイノベーションを生み出す
2.「ディープ・リスニング」を実践する
3.コラボレーションから生まれるアイデアを積み上げる
4.個々のアイデアの重要性は、閃いた時点ではわからない
5.問題を発見する
6.効率を追わない
7.現場を重視する
■台本思考
 現実に起こっていることを直視せず、自分の予想の範囲内で考えてしまう傾向

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