グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ (デイヴィッド・ミーアマン・スコット、ブライアン・ハリガン)

4822248526 「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」は、タイトル通り著名なアメリカのロックバンドであるグレイトフル・デッドのマーケティングを考察している書籍です。
 献本を頂いていたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本は「マーケティングとPRの実践ネット戦略」を書いたデビッド・マーマン・スコットと、「インバウンド・マーケティング」のブライアン・ハリガンの共著になります。
 音楽業界というのはどちらかというとCD販売に入力するため著作権死守という印象がありますが、実はグレイトフル・デッドはその著作権のかなりの部分を放棄するような常識と逆行する活動をすることにより、ライブからの収入に注力していた、というのが非常に興味深いところです。
 最近話題の「インバウンド・マーケティング」の精神的なところを理解するためにも参考になる本だと思います。
 
【読書メモ】
■グレイトフル・デッドは、今あらゆるビジネスで注目を集めている「ソーシャルメディア」を活用した最先端のマーケティングの多くを、1960年代にすでに開拓していた。
■グレイトフル・デッドの活動のポイント
・従来の業界の思い込みを見直す
・消費者をエバンジェリストにする
・消費者に直接販売する
・たくさんの熱心なファンを作る

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ソーシャルリスク ビジネスで失敗しない31のルール (小林直樹)

4822227243 「ソーシャルリスク ビジネスで失敗しない31のルール」は、「ソーシャルメディア炎上事件簿」を書かれた小林直樹さんの書籍です。
 献本を頂いていたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、日本の炎上事例を中心に振り返りながら、企業がソーシャルメディアを活用する際に注意すべきポイントをまとめられていますので、まずソーシャルメディアのリスクを把握しておきたいという方には参考になる点のある本だと思います。
 前回も書きましたが、海外の炎上事例については、合わせて「グランズウェル」や「エンパワード」、「ビジネスツイッター」などを読まれることをお勧めします。
【読書メモ】
■従業員向けガイドライン例
・常に誠実で良識ある言動を心がけてください
・免責文を掲載してください
・著作権、肖像権など第三者の権利を尊重してください
・業績や経営戦略に関する発言は避けてください
・やらせ行為、および誤解を招く発言は控えてください
・他社の批判は謹んでください
・喧嘩は「売らない」「買わない」を心がけてください
・顧客情報、機密情報を投稿しないように注意してください
・自社のお客様、ビジネスパートナーとその社員を守ってください
・投稿内容はネット上に長期間にわたって保存されることを意識してください
・自社に関する重要な記述は報告し、共有しましょう
・くれぐれも業務に支障のないように利用しましょう

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インバウンド・マーケティング(ブライアン・ハリガン)は、ソーシャルメディア時代ならではの、古くて新しいマーケティングコンセプトと言えると思います。

4883999572 「インバウンド・マーケティング」は、Hubspot社のブライアン・ハリガン氏が書いたマーケティングコンセプトの書籍です。
 半年前に友澤さんに勧められて読んでいたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 インバウンドマーケティングについては、丁度高広さんがアドタイで連載して話題になっていましたのでそちらを読んで頂く方が分かりやすいかもしれません。
アメリカで注目を集めている”Inbound marketing(インバウンドマーケティング)”とは何か(1)
 この書籍で語られているのは、従来のマーケティングをアウトバウンドの強制的なメッセージ配信と位置づけ、それに対してインバウンドにするべきだという定義。
 個人的にこの本を読んでパッと思い出したのがセス・ゴーディンの「パーミッション・マーケティング」。
 パーミッションマーケティングでは従来のマーケティングをインタラプションマーケティングと呼んでいたのと根本的な構造やメッセージは同じなんですが、パーミッション・マーケティングがメールマーケティングの時代のものだったため、許可を取った後には結局アウトバウンドなメッセージ配信という形になりがちだったのが、インバウンド・マーケティングにおいては検索やソーシャルメディアなど、10年前に出版されたパーミッション・マーケティング時代から進化した要素を丁寧に取り入れて、実践的な手法を展開しているのが特徴と言えると思います。
 そういう意味では、ある意味インバウンドマーケティング的なアプローチの価値は、企業のビジネスブログを書いていた人たちなら必ず実感していたはずですし、テーマを絞ったブログを書いている人もこのコンセプトに近い考え方をしている人も多いと思います。そういう意味では、インバウンドマーケティングを読んで何を今更と思う方は意外に多いかもしれません。
 ただ、ここまでそういった動画やブログのようなコンテンツ発信と、SEOやSMOを体系的にまとめていた本はあまりなかったと思いますし、何と言っても「インバウンドマーケティング」というフレーズでカテゴリを定義したのは非常に大きいと感じます。
 高広さんがHubspotのツールを日本に持ってくるのもあり、今年は日本でもインバウンドマーケティングやHubspotが注目されそうですが、基本的なコンセプトを理解するために、原書であるこの本にあたっておくのは良いと思います。
 ソーシャルメディア時代ならではのマーケティングの可能性を整理して考えたい方にも参考になる点が多い書籍だと思います。
  
 「パーミッション・マーケティング」と「次世代コミュニケーションプランニング」をあわせて読むのもお勧めです。
【読書メモ】
■結論を言おう。
 今日の消費者は従来のアウトバウンド・マーケティングの強制的なメッセージに辟易しており、それを完全にブロックする技術に熟達しつつあるのだ。
■「あなたが伝えたいこと」ではなく、「人々があなたについて語っていること」が重要
 ウェブサイトを「メガホン」とするのではなく、「ハブ」とするべきなのだ。
■ウェブサイトの現状把握
・ウェブサイトの現時点での登録者数
 (RSS登録者とメルマガ登録者、ソーシャルメディアのフォロワー数)
・ウェブサイトへ外部からアクセスする際の入り口の数
 (リンク数、検索経由のキーワード)

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未来を発明するためにいまできること (ティナ・シーリグ)

4484121107 「未来を発明するためにいまできること」は、「20歳のときに知っておきたかったこと」を書かれたことでも有名なティナ・シーリグ氏が書かれた書籍です。
 献本を頂いていたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、前作の「20歳のときに知っておきたかったこと」に引き続き、イノベーションをいかにして生み出すべきかということを実践的な考え方を中心に考察されていますので、新規事業に携わっている方には参考になる点がある本だと思います。
 「リーン・スタートアップ」をあわせて読むのもお勧めです。  
【読書メモ】
■アイデアは少しも安くありません--タダなのです。
 そして、とびきり価値があるものなのです。
■イノベーション・エンジンの内部
・知識:想像力の燃料です。
・想像力:知識をアイデアに変える触媒です
・姿勢:イノベーション・エンジンを動かす起爆剤です。
■イノベーション・エンジンの外部
・資源:あなたが所属するコミュニティに存在するすべての資産です。
・環境:家庭や学校、職場など、あなたが過ごす場所を指します
・文化:あなたが所属するコミュニティの集団的思考、価値観、行動様式を指します

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あなたは未来 あなたは可能性 (吉田和正)

4822223787 「あなたは未来 あなたは可能性」は、インテル株式会社代表取締役社長の吉田和正氏が書かれた書籍です。
 献本を頂いていたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本では、インテルの社長である吉田氏ならではの視点で10代の世代の未来へのメッセージや、郷ひろみや白鳳との対談が綴られていますので、10代のお子さんがいる方はプレゼントの候補になる本ではないかと思います。
【読書メモ】
■世界の仲間と話すときに大事なのは、自分の立ち位置をはっきりさせることです。
■お客様を訪問したとき、「これから世の中はどうなっていくのか」「どんな社会になるとよいのか」といった将来の話をお客様の責任者とするようにしています。
■「これは失敗だった」と感じることがあるかもしれません。
 自分で考えて決めたことなら失敗とは言えません。その経験は将来につながるからです。

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9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方 (福島文二郎)

4806138894 「9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方」は、ディズニーにおける教育やトレーニングのあり方について書かれた書籍です。
 店頭で気になったので買ってみたので、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 震災の際にもディズニーのアルバイトの対応がいかに素晴らしかった方というのが様々なところで話題になりましたが、この本を読むとそのディズニーの教育システムの一端に触れることができます。
 会社の教育システムに悩んでいる方はもちろん、部下とのコミュニケーションを模索されているマネージャーの方々にも参考になる点がある本だと思います。
 
【読書メモ】
■理想の上司・先輩とは
・リーダーシップをもっている
・ゲストをよく見ている
・後輩をよく見ている・後輩にマメに声をかける
・改善点を見つけたら、すぐに改善するための行動を起こす

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