「小さな組織の未来学」に「タダで使い倒すソーシャルメディア」という連載を寄稿させて頂くことになりました。

 このたび3月13日にオープンしたばかりの日経BPさんの新サイト「小さな組織の未来学」に「タダで使い倒すソーシャルメデイア」という連載を寄稿させて頂くことになりました。
140317small3.png
 「小さな組織の未来学」は、日経BPが発行している中小企業の経営者向けの雑誌である日経トップリーダーのウェブサイト的な位置づけになるサイトのようです。
 日経トップリーダーは、もともと日経ベンチャーというタイトルだったと言った方が分かる人が多いかもしれません。
 日経トップリーダーは、どちらかというと一般的な中小企業というキーワード向けの雑誌という印象がありますが、「小さな組織の未来学」は、ヘッダーにどでかい画像が挿入されるのが非常に印象的な新サイトになっていて、スマホやタブレットでの閲覧にかなり特化したサイトになっている印象です。
 なにしろ私の一本目の記事からしてこんな感じ。
140317small4.png
 画面のキャプチャとっても記事の本文まで到達しないですからね。
 とにかくトップの写真がでかいです。

続きを読む 「小さな組織の未来学」に「タダで使い倒すソーシャルメディア」という連載を寄稿させて頂くことになりました。

USERS 顧客主義の終演と企業の命運を左右する7つの戦略 (アーロン・シャピロ)

4798130923 「USERS 顧客主義の終演と企業の命運を左右する7つの戦略」は、ユーザーという存在について考察された書籍です。
 献本を頂いていたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 この本でテーマになっている「USERS(ユーザー)」は「デジタルメディアとテクノロジーを通じて企業と交流する人々」のこと。
 表紙に書かれているCUSTOMERよりもUSERの方が大きな円というのが象徴ですが、従来、重要だと言われていた「CUSTOMER(顧客や購入者)」よりも、ユーザーの方が広い存在であり、購入者ばかりを見ていると大きなチャンスを逃すという警鐘をならしている本です。
 実際問題、ソーシャルメディア以前に企業は自社の購入者以外の声を聞くことと言うのは非常に難しいのが実情でした。
 商品を買ってくれさえすれば、顧客登録等を通じて何で買ってくれたのかを聞くことはできたかもしれませんが。
、買ってくれなかった人に何で買わないのかを聞くことが非常に難しかったわけで。
 それがソーシャルメディアやビッグデータのような技術の進化により、購入者以外の人々、つまりユーザーの声を聞くことができるようになっているんだから、そちらに目を向けるべきだ、というわけです。
 既存顧客を重視しすぎると破壊的イノベーションのジレンマにはまるというのが、イノベーションのジレンマで強調されていたポイントでしたが、この本で主張されて主張されているような購入者重視ではなくユーザー重視で広い目線から考えるというのが、イノベーションのジレンマにはまらないための一つの解になるのかなと思ったりします。
 
 現在インターネットやソーシャルメディアによって引き起こされている企業と顧客、生活者の関係の変化を俯瞰的に考えてみたい方には参考になる点が多々ある本だと思います。
 「グランズウェル」や「エフェクト」、「インテンション・エコノミー」などとあわせて読むのもお薦めです。
 
【読書メモ】
■新しい経済秩序の中で最も成功している企業は、デジタルなチャンネルを通じて関わる人々のニーズや関心を、常に最優先すると言うことだ。その人々とは「ユーザー」だ。
■この本におけるユーザーとは顧客、従業員、求職者、見込み客、パートナー、ブランドのファン、メディアのメンバー、インフルエンサーのことである。
 要するに、デジタルメディアとテクノロジーを通じて企業と交流する人々を指す。
■ユーザーは、購入者よりも企業と密な関係を結び、影響をおよぼす場合がある。
 購入者を喜ばせることばかり考えていると、思いがけない大儲けのチャンスを逃すことになるだろう。

続きを読む USERS 顧客主義の終演と企業の命運を左右する7つの戦略 (アーロン・シャピロ)

脱社畜の働き方 会社に人生を支配されない34の思考法(日野瑛太郎)

477415976X 「脱社畜の働き方」は、脱社畜ブログで有名な日野瑛太郎さんが書かれた書籍です。
 献本を頂いていたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 脱社畜ブログというと、ツイッター上で記事が話題になっていることも多いので、ご存じの方も多いんじゃないかと思いますし。
 すでに2冊目の本も出て話題になっているようなので、ご紹介が遅くて恐縮なのですが(汗)
 個人的には開設して5ヶ月で月間50万PVを突破したという逸話にちょっと驚きました。
 有名ブログのほとんどは昔から書いている人が中心で、後発ブログはなかなか知名度が上がらないなんて愚痴を聞くことも良くありますが、実は脱社畜ブログみたいに後発でも有名ブログになっているケースって実は結構あるんですよね。
 脱社畜ブログを始めたきっかけが「ニートの歩き方」を読んだからというのも、なかなか感慨深い逸話です。
 
 脱社畜というタイトルから、いわゆるノマド礼賛とか転職奨励本と勘違いする方も多いかもしれませんが、実は「会社で働くのが嫌でつらいという人に対して、直ちに辞めて起業するなりフリーになるなりして生きていくのがいい、とアドバイスをすることは差し控えたいと僕は思っている。」と語っているなど、バランスの取れた本ですので、会社の壁にぶつかって悩んでいる方には参考になる点がある本だと思います。
 「ハイ・コンセプト」や「仕事するのにオフィスはいらない」と合わせて読むのもお薦めです。
 
【読書メモ】
■脱社畜ブログ
 開設して5ヶ月後にはアクセス数が月間50万PVぐらいのちょっとした有名ブログになってしまった。
■脱社畜の二段階
・精神的脱社畜:会社を絶対視しない考え方が身についた状態のこと
・経済的脱社畜:会社に頼らなくてもよいだけの経済的基盤を確立

続きを読む 脱社畜の働き方 会社に人生を支配されない34の思考法(日野瑛太郎)

ジェフ・ベゾス果てなき野望(ブラッド・ストーン)を読むと、Amazonがハンパなく恐ろしい会社であることが痛感できます。

4822249816 「ジェフ・ベゾス果てなき野望」は、Amazon創業者であるジェフ・ベゾスの半生についてまとめられている書籍です。
 献本を頂いていたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 GoogleやYahooなど、ライバルのネット企業に比べると、Amazonというのは不思議なほどインタビュー記事や露出が少ない会社という印象を持っている人は少なくないのではないでしょうか?
 実際、ネット企業としての歴史を考えたらAmazonはもっといろんな場面で研究されていてしかるべきだと思うのですが、ECサイトという業態ゆえか、地味な印象すらあります。
 ただ、この本を読むと、Amazonやジェフ・ベゾスのイメージが全く変わるという人も多いのではないでしょうか。
 ジェフ・ベゾスが比較されるべきは、ラリーペイジやマーク・ザッカーバーグではなく、スティーブ・ジョブズであるべきで。
 実際問題、近接する産業において二人はライバルとして比較されるべき存在だったのに、意外なほどにそういう比較が少なかったのが不思議なぐらいと感じられるようになると思います。
 「フェイスブック 若き天才の野望」を読んだときにも、アメリカのジャーナリストというのは一冊の本のために本当に丁寧に取材を積み上げるものなんだなぁとつくづく感心しましたが。
 この「ジェフ・ベゾス果てなき野望」も、そうした事実に裏打ちされた歴史本として、ネット業界の歴史を考える上での必読本の一冊にあげられるようになるのではないかと思います。
 Amazonが何故あれだけ着実に成長できているのか、一歩引いた視点で見てみたい方にはお薦めの一冊です。
 「グーグル ネット覇者の真実」や「フェイスブック 若き天才の野望」、そして「スティーブ・ジョブズ」などを合わせて読むのもお薦めです。
【読書メモ】
■「我々は正真正銘、顧客第一ですし、正真正銘、長期的です。」(ジェフ・ベゾス)
■「我々はモノを売って儲けているんじゃない。買い物についてお客が判断するとき、その判断を助けることで儲けているんだ」

続きを読む ジェフ・ベゾス果てなき野望(ブラッド・ストーン)を読むと、Amazonがハンパなく恐ろしい会社であることが痛感できます。

次世代共創マーケティング(池田紀行、山崎晴生)

4797375930 「次世代共創マーケティング」は、最近話題の「共創」というキーワードを軸に考察されている書籍です。
 献本を頂いていたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 「共創」とか「共創マーケティング」というキーワード自体が、最近聞かれるようになった新しいキーワードなので、それに早くも次世代というキーワードがついているのは正直個人的には違和感があったのですが。
 こちらはソフトバンククリエイティブさんの次世代シリーズということでついていると考えた方が良さそうです。
 ソフトバンククリエイティブさんからは毎年のように「次世代」本が出てるんですよね。
 
次世代コミュニケーションプランニング
次世代マーケティングリサーチ
次世代広告進化論
 書籍の中身自体は共創についての基本やメリットを解説されている共創マーケティング本になりますので、共創というキーワードがイマイチ理解できていないという方には参考になる点がある本だと思います。
 上記の次世代本3冊はもちろん、「グランズウェル」や「オープン・サービス・イノベーション」と合わせて読むのもお勧めです。
 
【読書メモ】
■顧客の5段階
・トライアル顧客
・日和見顧客
・継続顧客
・ロイヤルカスタマー
・エバンジェリスト

続きを読む 次世代共創マーケティング(池田紀行、山崎晴生)

シェアードビジョン 相手を大切にすることからはじめるコミュニケーションデザイン(廣田周作)

4883352862 「シェアードビジョン(SHARED VISION)」は、電通の廣田周作さんが書かれた書籍です。
 さとなおオープンラボで課題図書になっていたので買って読んでいたのですが、遅ればせながら書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
 タイトルになっているシェアードビジョン(SHARED VISION)」は「皆で創りたいこと」「皆で創る理想の姿」
 ソーシャルメディア時代のコミュニケーションデザインについて考察されている本であり、ソーシャルメディア時代のコミュニケーションにおいては、小手先のコミュニケーションテクニックよりも、ますます企業のビジョン、シェアードビジョンが重要になっていると言うことを説いている本です。
 
 私自身もブロガーイベントの心構えを企業担当者の方に説明するときに、製品の特徴からでは無くまず企業のビジョンを語って下さい、とお願いし続けてはや7年ぐらいがたっていますが。
 人間と人間とのコミュニケーションだからこそ、実は相手が何を目指しているのか、というのが最も重要な差異になってきている気がします。
 一歩引いた視点でソーシャルメディア活用を考えたい方には参考になる点がある本だと思います。
 「明日のコミュニケーション」や「コミュニケーションをデザインするための本」、「マーケティング3.0」を合わせて読むのもお薦めです。
【読書メモ】
■「シェアードビジョン」は「皆で創りたいこと」「皆で創る理想の姿」
■SNS自体が何かを変えているというよりも、SNSは「もともとあった人と人とのコミュニケーションを、より見えやすくしつつ、拡張している」と理解した方が良いかもしれません。
■ソーシャルメディアによるコミュニケーションの変化の5つのポイント
・情報の起点が人へ
・生活者が企業活動に関与
・コミュニケーション志向のコンテンツ消費
・リアルなソーシャルグラフ・インタレストグラフの可視化
・企業の振る舞いの透明化

続きを読む シェアードビジョン 相手を大切にすることからはじめるコミュニケーションデザイン(廣田周作)