「あたらしい書斎」は、「ツイッター 140文字が世界を変える」や「クチコミの技術」等の著書で有名な、いしたにまさきさんが書かれた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本は、タイトルに「書斎」の文字が躍っているため、いわゆる大きな家に住んでいるお金持ちな人向けの書斎作りの本に見えてしまうかもしれませんが、副題に「忙しい人のための”自分空間”の作り方」と書かれているように、実はインターネット時代ならではの新しいワークスタイルや仕事術を考察している本です。
そもそも書斎と聞いた瞬間にお金持ちを想像してしまう私が古い世代の人間なのかもしれませんが、この本にも一畳敷という1畳で書斎を作るケースが出てくるように、あくまで書斎とは「本を読んで学んだり、書き物をしたりするための場所」で、PCの普及により自宅でも勉強や仕事がしやすくなっている今だからこそ、自宅においてどのように自分の場所を作るかというのは、実は多くのビジネスマンにとって非常に重要なテーマだと思います。
私自身は、リビングのテーブルや、食卓で土日は仕事をすることが多いのですが、そういうときにスイッチを入れられるように心構えや空間作りをするのは非常に大事だな、と改めてこの本を読んで思いました。
特にブログを自宅で書いている人は書斎的空間は必須ですよね。
書斎を持っている人はもちろんですが、「書斎」と聞いた瞬間に、自分はそんな部屋持てませんよ・・・と反応してしまう人こそ、参考になる点がある本だと思います。
ブログを自宅で書くことが多い人は、「ストレスフリーの整理術」や、「必ず結果が出るブログ運営テクニック100」などもあわせて読むのがお勧めです。
【読書メモ】
■「書斎」とは「本を読んで学んだり、書き物をしたりするための部屋」
■時間が細切れになることの本当の大きな問題は、こうした時間が考える時間が失われ、考える力が伸ばせないことです。
■一畳敷
1畳という限られたスペースでも書斎としての機能を持った空間を作ることは可能。
■集中して学びや施策をするために、まず「こもる」ための空間と、その中で集中の「スイッチを入れる」ための仕掛けが必要で、これが書斎の基本的な機能
社会を動かす、世界を変える 社会貢献したい人のためのツイッターの上手な活用法 (クレア・ディアス=オーティス)
「社会を動かす、世界を変える 社会貢献したい人のためのツイッターの上手な活用法」は、ツイッター社のクレア・ディアス=オーティス氏が書かれた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
この本は、副題に「社会貢献したい人のためのツイッターの上手な活用法」と書かれているように、ツイッターで「ソーシャルイノベーション&フィランソロピー部門」の責任者を務める著者が啓蒙している「T.W.E.E.Tモデル」の啓蒙本になっています。
まぁ、誤解を恐れずに書くとツイッター社の宣伝本的な位置づけの書籍ではあるのですが、実際ツイッターが様々なNPOや社会貢献活動、そして革命的な活動のインフラになってきているのは事実ですので、その活動をツイッター社の中から見ている著者の視点には興味深い点がいろいろあります。
NPOや社会貢献団体の方はもちろんですが、ツイッターなどのソーシャルメディアの力を、ボトムアップの組織活動に活用したいと考えている方には参考になる点がある本だと思います。
「ドラゴンフライエフェクト」や「エンパワード 」、「逆パノプティコン社会の到来 」とあわせて読むのもお勧めです。
【読書メモ】
■新興企業には新興企業ならではの強みがある。それは”社会貢献をとおして業績を伸ばす”という企業理念を創業当初から徹底させられることだ。(ビズ・ストーン)
■TWEETモデル
Target=設定
Write=投稿
Engage=交流
Explore=開拓
Track=検証
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ソーシャルエコノミー 和をしかける経済(阿久津聡 他)
「ソーシャルエコノミー」は、日本ならではのソーシャルメディア活用のあり方について考察されている書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
ソーシャルメディアが日本でも話題になるようになり、様々な書籍が出版されるようになりましたが、その多くは海外事例を元にしているケースが多い中、このソーシャルエコノミーでは、副題に「和をしかける経済」と入っているように、日本ならではのソーシャルのあり方について考察されています。
実際、米国と日本のソーシャルメディアの成功事例を比較すると、ソーシャルメディアの利用比率が違うこともありますが、TwitterやFacebookなどのグローバルに普及しているサービスの使われ方も、実は国によって明確に異なっています。昨日紹介した「オープン・サービス・イノベーション」と似たようなコンセプトも本書では出てくるのですが、あえて共創と漢字をあてているあたりは特に興味深いです。
そういう意味で、米国の成功事例をそのまま真似するのではなく、日本ならではの活用方法を模索したいと思っている方には参考になる点がある本だと思います。
「明日のコミュニケーション」や「使ってもらえる広告」と合わせて読むのもお勧めです。
【読書メモ】
■和のソーシャルと洋のソーシャル
・和のソーシャル
日常コミュニティの閉鎖性やしがらみにうんざりしながらも、ムラ的な絆を求め、コミュニティ内に和が醸成されるほど高まりあえる関係を好む。
しがらみにもなりやすいものを、逆に共同体としてのエネルギーに変えていく。
・洋のソーシャル
「個」のサバイバルゲームに近い。自分を強くし、生き残りやすくするために人間関係を活用する。目的直下型の構造を好む。
■「企画やプランニングで一番重要なのは、真っ先に自分がおもしろがれること」(秋元康)
オープン・サービス・イノベーション(ヘンリー・チェスブロウ)を読むと、インターネット時代ならではのオープン・イノベーションの生み出し方のヒントが得られると思います。
「オープン・サービス・イノベーション」は、「オープン・イノベーション」の第一人者であるヘンリー・チェスブロウが書いた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
「オープン・イノベーション」という言葉は日本でも最近徐々に耳にする機会が増えてきましたが、自社だけで新しい技術やアイデアを生み出そうとするクローズド・イノベーションに対して、他社や外部が持つ技術やアイデアを組み合わせてイノベーションを生み出そうとする、文字通りオープンなイノベーションを目指す取り組みです。
この書籍ではそのオープン・イノベーションの視点に加え、ビジネスを製品ではなくサービスの視点で考えるというコンセプトを組み合わせ、「オープン・サービス・イノベーション」というコンセプトが提唱されています。
技術の進化やインターネットの普及により、実は自社内だけで閉じてイノベーションを起こそうと取り組むよりも、オープンに外部と連携した方が効率が良くなっているというのはこれまでにも良く言われてきた話ではありますが、いざ自社でそれに取り組もうと考えると、成功している企業であればあるほど、さまざまなイノベーションのジレンマに直面することになります。
ただ、もし自社だけで引き起こすイノベーションでは時代についていけないのであれば、早急にモデルを変えなければいけないのも事実。
そんなイノベーションについての課題を強く感じている方には参考になる点が多々ある本だと思います。
「イノベーションのジレンマ」や「「経験経済」、「メディチ・インパクト (フランス・ヨハンソン)」とあわせて読むのもお勧めです。
【読書メモ】
■コモディティ・トラップ
・製品やビジネスのプロセスに関する知識や知見が普及した
・製造が低賃金の地域に移っている
・新製品への引き継ぎ前に製品寿命が尽きてしまう
■オープン・サービス・イノベーションのフレームワーク
・コモディティ・トラップが進行する世界で差別化を維持するため、ビジネスをオープン・サービスのビジネスと位置づける
・顧客の価値ある体験を創出するために、顧客をイノベーションの共創に引き入れる。
・オープン・イノベーションを利用し、イノベーションのコスト、リスク、時間を減らす。
・オープン・サービス・イノベーションを伴うビジネスモデルに変換し、イノベーションによって利益が得られるようにする。
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ウェブで政治を動かす!(津田大介)を読むと、日本の既存政治家になぜウェブやソーシャルメディアと距離を取る人が多いのか、何となく見えてくると思います。
「ウェブで政治を動かす!」は、「Twitter社会論」や「動員の革命」などの著書でもおなじみの津田大介さんが書かれた書籍です。
献本を頂いたので、書評抜き読書メモを公開させて頂きます。
津田さんは、前著の「Twitter社会論」や「動員の革命」においても、ツイッターなどのソーシャルメディアが政治に与える影響について考察されていましたが、この書籍ではまさにその政治をウェブで動かすこと自体を真正面から捉え、様々な視点や出来事から考察を展開されています。
メディアでも話題になった事業仕分けや改正薬事法、首相官邸のデモなど、実際に参加された方々や政治家の方にインタビューもされており、現時点での日本のウェブと政治を考察した書籍としてはベストと言える本になっていると思います。
個人的にも先日「政治家のソーシャルメディア活用度ランキングにみる、日本は政権の中枢にいる人ほどソーシャルメディアを使ってないという現実。」という記事を書いているぐらい、この辺の話はウォッチし続けているつもりですが、そんな私でも知らない話や新しい発見が多々ありました。
当然、この本に登場する政治家は、ウェブやソーシャルメディア活用に積極的な政治家なわけですが、そんな方々の発言の集合体を見るにつけ、逆に、なるほど既存の政治家がウェブやソーシャルメディアと距離を取る人が多いわけだ、となんとなく諦めにも似た感覚を感じてしまったりします。
「津田大介、都知事選に出馬!?「都知事選までに新刊が300万部超えたら出ます」」なんていう話題もありましたが、個人的には、津田さんには是非このタイミングで衆議院議員選挙に立候補して、自らウェブで政治を動かす実践をしてもらいたいなぁと思ったりします。
ちなみに、One Voiceキャンペーンが、ネット選挙解禁運動についての署名募集をChange.orgで開始してますので、現状の選挙や公職選挙法に疑問を持っている方はこちらで署名を是非どうぞ。
【読書メモ】
■国会議員を決める選挙には70歳を超える人々の80%近くが投票に行っているにもかかわらず、20代で選挙に参加しているのはここ10年近く40%を切っている
■第45回選挙における有権者の平均年齢は51歳。実際の投票者数ベースの中央値は53歳前後だ。
■われわれは「政治的無関心になっている」のではなく、メディアによって「無関心にさせられてきた」のだ。
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ソーシャルメディアとテレビ連動、視聴率高める可能性 を日経MJに寄稿しました。
ご紹介が遅くなりましたが、先週金曜日、日経MJ「ECの波頭」に寄稿しているコラムが掲載されましたのでお知らせします。
今回は、先日のアドテック東京で議論したテレビとソーシャルの連係の事例についてご紹介しています。
10月末、デジタルマーケティングのカンファレンスである「アドテック東京」で「マスメディア×ソーシャルメディア」というテーマの議論を担当した。その中で日本テレビの原浩生氏が興味深いデータを公開された。それは日本テレビが仕掛けたソーシャルメディアとテレビの連動施策によって、実際に視聴率が上がった可能性が高いという分析だ。
題材は日本テレビが放送した映画「サマーウォーズ」。番組のヤマ場で決めぜりふの「よろしくお願いしまーす!」と叫ぶシーンでのツイッター投稿を番組放映前に訴求した。その結果は1秒間に6700以上の投稿がされていたというのだ。
《ポイント》
(1)日本でもソーシャルメディアが視聴率に影響を与え始めた。
(2)日本テレビのヱヴァンゲリヲン放映中に70万件以上の投稿があった。
(3)ソーシャルメディア上に話題を起こす、テレビのインパクトは大きい。
続きは日経新聞のサイトでご覧ください。